新宿・渋谷の皮膚科|駅徒歩30秒・平日21時/土日祝20時まで診療

新宿・渋谷の皮膚科|新宿・渋谷の3拠点で展開するれいわクリニック(新宿新南口院・渋谷センター街院・新宿新院)の内観イメージ
SCROLL

イボの市販薬と皮膚科治療の違い

・指にできたイボに、ドラッグストアで買ったイボ用の貼り薬を使っている
・1か月近く続けているのに、あまり変わった気がしない
・首や顔のブツブツにも市販薬を使ってよいのか迷っている
・皮膚科に行くべきか、もう少し市販薬で様子をみるべきか決められない

イボができたとき、まずは市販薬で何とかしようと考える方は少なくありません。ドラッグストアには、イボに使える貼り薬や塗り薬、飲み薬が並んでいます。ただし、市販薬には使えるイボと使えないイボがあり、自己判断で使い続けると治療が遠回りになることもあるので注意が必要です。この記事では、イボの市販薬の種類と使い方の注意点、皮膚科で受けられる治療との違いについて、当院の視点からお伝えします。

この記事の要点

  • 市販薬の種類:サリチル酸を含む貼り薬・塗り薬や、ヨクイニンを成分とする飲み薬があります。
  • 使えないイボ・部位がある:水イボや顔・首など、市販のサリチル酸製剤を使用できないイボや部位があります。
  • 皮膚科との違い:皮膚科ではイボかどうかを診断したうえで、液体窒素療法など状態に応じた治療を選択できます。
  • 受診の目安:市販薬を1か月ほど使用しても改善しない場合や、イボかどうか分からない場合は皮膚科へ相談しましょう。

目次 [ 表示 ]

1.イボの市販薬にはどんな種類がある?

ドラッグストアで買えるイボの薬は、大きく分けると、患部に使う外用薬と飲み薬の2種類です。

外用薬の多くに含まれているのが、サリチル酸という成分です。サリチル酸には、厚く硬くなった角質をやわらかくして、はがれやすくするはたらきがあります。濃度50%のサリチル酸を含む貼り薬や、濃度10%の液体を塗るタイプなどがあり、いずれも「魚の目、たこ、いぼ」に使う薬として売られています。

飲み薬の代表は、ハトムギの種から作られるヨクイニンを成分とする薬です。市販のヨクイニンの薬は、「いぼ、皮膚のあれ」に使う薬という位置づけになっています。年齢によって飲む量が決められており、2歳未満の子どもは飲まないこととされています。

市販のサリチル酸の薬が効果を期待できるとされているのは、角質化した、表面がざらざらした硬いイボです。首のブツブツや子どもの水イボなど、「イボ」と呼ばれていても原因や種類が異なるものには使用できない場合があります。

ウイルス性イボ(尋常性疣贅)の総合情報

2.市販薬が使えないイボと場所

サリチル酸の市販薬は、どんなイボにも使えるわけではありません。添付文書では、次のようなイボには使わないよう定められています。

  • 群生しているイボや、体に多発しているイボ
  • 水イボ(伝染性軟属腫)
  • 湿ったイボ
  • 陰部や肛門のまわりにできた、ぶよぶよしたイボ
  • 茶色や黒っぽい、平たく盛り上がった老人性のイボ
  • かき傷にそって一列にできた、平たいイボ

使う場所にも決まりがあります。目のまわりや顔、唇、粘膜、首のまわりなどのやわらかい皮膚、炎症や傷、化膿がある部分には使えません。首にできたブツブツや顔のイボに、自己判断でサリチル酸の市販薬を使うのは避けてください。

子どもへの使用にも制限があるので確認が必要です。液体タイプの製品は、7歳未満の子どもには使わないこととされています。貼り薬でも、7歳未満の子どもに使う場合は、事前に医師や薬剤師などに相談しなければなりません。

3.市販薬を使うときの注意点

サリチル酸は、厚くなった角質をやわらかくして取り除きやすくする薬です。イボのまわりの健康な皮膚についてしまうと、皮膚を傷めるおそれがあります。貼り薬は患部より少し小さめに切り、ずれないようにテープでとめて、2〜5日ごとに新しいものに貼りかえるのが基本の使い方です。液体タイプの場合は、1日4回、1滴ずつ患部に塗る方法が示されています。ただし、使い方は製品によって異なるため、実際には各製品の添付文書に従ってください。

製品によって異なりますが、次のような方は、使用前に医師・薬剤師・登録販売者への相談が必要とされています。

  • 糖尿病の治療を受けている方
  • 妊娠中、または妊娠している可能性がある方
  • 薬などでアレルギー症状を起こしたことがある方
  • ほかの病気で医師の治療を受けている方

市販の貼り薬の添付文書には、糖尿病の方は感染への抵抗力が低下しているため、角質を取る際に皮膚を傷つけると感染しやすくなると書かれています。糖尿病の治療を受けている方は、市販のサリチル酸製剤でも、使う前に医師、薬剤師または登録販売者へ相談してください。

使う期間の目安も確認しておきましょう。サリチル酸の市販薬は、1か月ほど使っても良くならない場合は使うのをやめて相談するよう、添付文書に書かれています。飲み薬のヨクイニンも同じで、1か月ほど飲んでも良くならない場合は服用を中止して相談することとされています。「もう少し続ければ治るかも」と使い続けるより、1か月をひとつの区切りとして皮膚科で診てもらいましょう。

4.サリチル酸はどのくらい効く?

サリチル酸は、海外でもイボに広く用いられている治療のひとつです。処方せんなしで手に入り、自宅で使えるのが利点です。研究によって治療成績には幅がありますが、5つの臨床試験をまとめた解析では、サリチル酸を使ったグループの治癒率は、有効成分を含まない薬(プラセボ)の約1.6倍でした。日本皮膚科学会の「尋常性疣贅診療ガイドライン2019」でも、サリチル酸の外用は推奨度Aの治療とされています。

ただし、イボの治療はどの方法でもすぐに効くものではありません。何度もくり返して続ける必要があり、途中で治らなかったり再発したりすることも珍しくありません。イボの多くは自然消退することがあり、約3分の2が2年以内に自然消失するとの報告もあります。そのため、薬が効いたのか自然に治ったのかを見分けにくいという事情もあります。

オランダで250人を対象に行われた研究では、そのうち手などにできる一般的なイボの人について、13週後に治った人の割合は液体窒素で49%、濃度40%のサリチル酸で15%でした。この研究では、一般的なイボに対して液体窒素療法の治癒率がサリチル酸より有意に高いという結果です。一方、同じ研究の足の裏のイボでは、両者の間に統計学的に明らかな差はみられませんでした。

イギリスとアイルランドで行われた別の研究でも、足の裏のイボに対して、自宅で塗る濃度50%のサリチル酸と、医療者が行う液体窒素の効果に明らかな差は示されていません。足の裏のイボの治療については、別の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたいイボの解説

5.皮膚科で受けられる治療

イボ治療に用いられるヨクイニンとサリチル酸製剤(スピール膏M)の例
イボ治療に用いられる薬剤の例(ヨクイニン・サリチル酸製剤)。症状やイボの状態に応じて治療法を選択します。

皮膚科ではまず、そのできものが本当にウイルス性のイボかどうかを診察で見きわめます。イボに似た見た目の病気には、老人性のイボ(脂漏性角化症)や水イボ、扁平苔癬(へんぺいたいせん)という皮膚の病気など、さまざまなものがあるためです。見た目だけで判断がつかない場合は、皮膚の一部を取って顕微鏡で調べる検査を行うこともあります。この診断こそが、市販薬との大きな違いのひとつといえます。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、液体窒素でイボを凍らせる方法と、サリチル酸の外用が、いずれも強く勧められる基本的な治療という位置づけです。液体窒素療法は、ドラッグストアでは受けられない、医療機関ならではの治療になります。痛みや通院の回数については、別の記事をご覧ください。

あわせて読みたいイボ治療の解説

皮膚科でもサリチル酸製剤を使うことがあり、医療用の50%サリチル酸の貼り薬は、イボの角質をはがす目的で使われます。この貼り薬には保険が適用され、医師がイボの状態をみながら使い方を決めます。ヨクイニンの飲み薬もガイドラインで取り上げられている治療で、皮膚科では保険の範囲で処方を受けることが可能です。そのほかにも、活性型ビタミンD3の塗り薬、レーザー、電気で焼く方法、皮膚にかぶれを起こして免疫を高める治療などがあります。

なかなか治らないイボには、治療法を変えたり、いくつかを組み合わせたりするのが一般的です。当院でも、イボの場所や大きさ、数、これまでの治療歴、痛みや通院の負担をうかがいながら、方法を提案しています。

6.市販薬と皮膚科治療の主な違い

市販薬と皮膚科の治療には、それぞれ利点と注意点があります。主な違いを整理すると、次のとおりです。

  • 診断:市販薬は自己判断、皮膚科では医師がイボかどうかを確認する
  • 使える治療:市販薬はサリチル酸とヨクイニンが中心、皮膚科では液体窒素などの処置も選べる
  • 使える場所:市販薬は顔や首などに使えない、皮膚科では場所に合わせて方法を選ぶ
  • 手軽さ:市販薬は自宅で始められる、皮膚科は通院が必要になる
  • 費用:市販薬は保険が使えない、皮膚科ではヨクイニンやサリチル酸の貼り薬など保険が使える治療もある

市販薬は、手や足などにできた、表面がざらざらして硬く角質化したイボで、数が少ない場合には手軽な選択肢です。一方、イボかどうかはっきりしない場合や、市販薬が使えない場所にある場合は、はじめから皮膚科を受診するほうが近道でしょう。

7.痛みのないイボは様子をみる選択肢も

イボは、痛みなどの症状がなければ、あえて治療せずに様子をみることも選択肢のひとつとされています。自然に治った場合は、通常は傷あとを残しません。一方で、塗り薬を含めどの治療にも、皮膚を傷めたり傷あとを残したりする可能性があります。

ただし、様子をみている間にイボが大きくなったり、ほかの場所に広がったりすることもあります。治療するか様子をみるかは、痛みや見た目の気になり具合、広がり方をふまえて決めるとよいでしょう。

8.こんなときは市販薬より皮膚科へ

次のような場合は、市販薬を試す前に、または使っている途中でも、皮膚科で相談してください。

  • イボかどうか自信がない、見た目がいつものイボと違う
  • 顔や首、陰部など、市販薬が使えない場所にできている
  • 数が多い、まわりに広がってきている
  • 市販薬を1か月ほど使っても良くならない
  • 痛みや出血がある、急に大きくなった
  • 糖尿病がある、または子どものイボで薬の使い方に迷う

イボに見えても、別の皮膚の病気であることがあります。長い期間治らない、急に大きくなる、出血する、見た目が変わってきたといった場合は、皮膚科で診断を受けることが大切です。

9.まとめ

イボの市販薬には、サリチル酸の貼り薬や塗り薬、ヨクイニンの飲み薬があります。手や足などの表面がざらざらした硬いイボには手軽な選択肢ですが、水イボや老人性のイボ、顔や首などには使えないといった決まりがある点に注意が必要です。

皮膚科では、イボかどうかの診断を行ったうえで、液体窒素療法をはじめとするさまざまな治療から、イボの状態に合った方法を選べます。市販薬を1か月ほど使っても良くならないときは、ひとつの区切りと考えてください。

「市販薬を続けていいのか迷う」「これが本当にイボなのか分からない」という場合は、自己判断で治療を続けず、皮膚科で相談することをおすすめします。

【参考文献】


ウイルス性イボ(尋常性疣贅)の総合情報


あわせて読みたいイボ治療の解説

10.この記事の監修・執筆医

イボの市販薬と皮膚科治療の違いの記事を監修・執筆する医療法人社団涼美会 理事長 関口知秀医師

医療法人社団涼美会理事長

関口 知秀

ウイルス性のイボをはじめとした皮膚疾患の診断・治療を幅広く行う。症状の経過や生活背景を丁寧に確認し、原因や重症度に応じた適切な治療を重視。一人ひとりの状態に合わせた無理のない治療を提供している。新宿・渋谷の3拠点にて、土日祝日も夜間まで、忙しい患者さまも通いやすい診療体制を整えている。
診察のご予約はこちら

※本ページはれいわクリニックの医師が監修しています。

Instagram YouTube
24時間WEB予約