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脂肪腫(しぼうしゅ)とは?新宿の医師が原因・見分け方・治療法を解説

脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮膚の下にできる柔らかいしこりで、脂肪細胞が増殖して形成される良性腫瘍です。多くは痛みがなく緊急性も高くありませんが、徐々に大きくなったり、まれに悪性腫瘍との鑑別が必要になったりすることがあります。ここでは脂肪腫の特徴や原因、検査方法、治療法について医師が詳しく解説します。

この記事の要点

  • 特徴と症状:柔らかく動くしこりとして見つかることが多く、背中や肩、首、腕など脂肪の多い部位に発生しやすい良性腫瘍です。
  • 治療の基本:症状がなければ経過観察も可能ですが、大きくなった場合や見た目が気になる場合は摘出手術を行います。
  • 注意すべきサイン:急に大きくなる、硬い、痛みがある場合は悪性腫瘍との鑑別が必要なため早めの受診をおすすめします。
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目次 [ 表示 ]

1. 脂肪腫(しぼうしゅ)とは?特徴と原因

院長による疾患解説

【脂肪腫】痛くないけど…取った方がいいの?医師が解説します

脂肪腫(しぼうしゅ)とは、皮下の脂肪細胞が異常に増殖して形成される良性の腫瘍です。主に皮膚のすぐ下(皮下組織)にでき、柔らかく、指で押すと動く「しこり(腫瘤)」として触れることができるのが特徴です。

通常は痛みがなく、緊急の治療を必要としないケースがほとんどですが、まれに大きくなり日常生活に支障をきたす場合もあります。ここでは、脂肪腫の詳しい特徴や原因について解説します。

脂肪腫の主な特徴

  • 発生場所:背中、肩、首、腕、太ももなど脂肪の多い部位に多い(※その他、胸の谷間や下着などが接触・圧迫される部位にできる場合も多く見られます)。
  • 性質:良性(がんではない)であり、通常は痛みがありません。
  • 大きさ:数センチから10センチ以上になることもあり、個人差があります。
  • 成長速度:ゆっくり成長するのが一般的ですが、稀に急に大きくなることもあります。
  • 原因:はっきりした原因は不明ですが、遺伝や外傷が関係する可能性も指摘されています。

つまり、特定の人だけではなく、誰にでもできる可能性がある良性の腫瘍です。

脂肪腫の原因と発生メカニズム

脂肪腫のハッキリとした原因は、現時点では特定されていません。しかし、いくつかの要因(遺伝的背景や、打撲・締め付けによる皮下組織への刺激など)が関与していることは分かっています。

通常は経過観察で問題ないことが多いですが、急に大きくなったり、痛みを伴ったりする場合は注意が必要であり、詳しい診察や検査が勧められます。体に気になるしこりがある場合には、お気軽に当院までご連絡ください。

2. 脂肪腫の原因と発生メカニズム

脂肪腫のイメージ図

脂肪腫は皮下脂肪の中にできる良性腫瘍です(イメージ図)

脂肪腫ができる明確な背景はまだ完全に解明されていませんが、いくつかの要因が複雑に関係していると考えられています。ここでは、代表的な原因と腫瘍が形成されるメカニズムを解説します。

脂肪腫の主な原因・要因

  • 遺伝的要因(家族性脂肪腫症): 家族や親族に脂肪腫を持つ人がいる場合、体質的に発生しやすい可能性が高いと考えられています。
  • 外傷・外部からの刺激: 軽い打撲や慢性的な圧迫など、皮下組織へのダメージがきっかけで脂肪細胞が異常増殖するという説もあります。締め付けのきつい下着や洋服、ベルトなども刺激の原因の1つとなりやすいため、日常的な着心地にも気を配ると良いでしょう。
  • 年齢と性別: 主に30〜60歳の成人に多く見られます。男女差はそれほどありませんが、一部の研究報告では男性にやや多いとも言われています。

脂肪腫が生まれる発生メカニズム

脂肪腫は、以下のようなプロセス(過程)を経て皮下で形作られていくと考えられています。

  • 脂肪細胞の過剰な増殖: 通常の正常な脂肪組織とは異なり、何らかの理由で細胞分裂を抑えるブレーキが効かなくなり、局所的に脂肪細胞が緩やかに増え続けます。
  • 線維組織や血管の巻き込み: 成長する過程で脂肪成分だけでなく、まれに線維成分(コラーゲン)や血管成分を多く巻き込むことがあります。これにより「線維脂肪腫」や「血管脂肪腫」といったバリエーションが生まれます。
  • 遺伝子レベルの軽微な変異: ごく一部の研究では、脂肪細胞自体に「HMGA2遺伝子の異常」をはじめとする軽微な変異が確認されたケースもあり、分子・遺伝子レベルの異常が関与している可能性も指摘されています。

脂肪腫は良性腫瘍のため、基本的には緊急の治療を必要としません。しかし、短期間で急に大きくなったり、痛みを伴ったりする場合は、他の疾患や悪性化の可能性を考慮して詳しい検査を行う必要があります。「これって脂肪腫かな?」と気になるしこりを見つけた際は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。

3. 脂肪腫の種類とそれぞれの特徴

脂肪腫にはいくつかの種類があり、腫瘍を構成する成分(脂肪・線維・血管など)によって、手触り(硬さ)や痛みの有無、発生しやすい部位が少しずつ異なります。

脂肪腫の種類の一覧・比較表

種類 主な成分 手触りや症状の特徴 主な発生部位
単純脂肪腫
(最も一般的)
ほぼ純粋な脂肪細胞 やわらかく、ゴムのような弾力がある。皮膚の下でよく動き、痛みはない。外来受診される方の多くがこのタイプ。 背中、肩、首、腕、太もも。
(稀に胸の谷間や鼠径部など)
線維脂肪腫
(ファイブロリポーマ)
脂肪組織 + 線維組織(コラーゲン) 単純脂肪腫よりもやや硬い手触り。しっかりと隆起するため、自分の手で触れてもしこりだと分かりやすい。 体中どこでもできるが、特に動きの多い肩や首に多い。
血管脂肪腫
(アンギオリポーマ)
脂肪組織 + 血管組織 血管成分が豊富に含まれているため、指で押すと痛みを伴うことがあるのが大きな特徴。 表面上に通る血管が多い、腕や脚に発生しやすい。
筋肉内脂肪腫
(筋間脂肪腫)
脂肪組織(筋肉層に入り込む) 筋肉の内部や間にできるため、皮膚表面からは分かりにくい。比較的サイズが大きくなりやすい。 太もも、肩、背中など、大きな筋肉がある部位。
多発性脂肪腫
(家族性脂肪腫症)
通常の単純脂肪腫と同じ 体のあちこちに複数のしこりが散発的にできる。遺伝的要素・家族性の傾向が強い。 全身に散発する(特定の部位を限定しにくい)。
軟骨脂肪腫・骨脂肪腫
(極めて稀)
脂肪 + 軟骨または骨組織 非常に稀なタイプ。※参考として、軟部腫瘍の特殊例は年間約10万人あたり3.5人程度の発生率。 部位の特定は難しいが、体の深部組織にできやすい。

4. 脂肪腫の検査と診断方法

脂肪腫(良性)と脂肪肉腫(悪性)を正確に見分けるには、見た目や触診だけでは不十分であり、医療機関での専門的な画像検査や精密検査が必要です。自己判断せず、気になるしこりがある場合は気兼ねなく当院までお尋ねください。

※患者さまの具体的な症状やしこりの場所によって、最適な診断・検査方法は異なります。

① 問診と視診・触診(初期の簡易診断)

まずは医師が直接しこりに触れ、状態を詳しく確認します。

  • 問診: しこりに気づいた時期、大きくなるスピード(成長速度)、痛みの有無、全身症状(急激な体重減少や発熱など)を確認します。
  • 視診・触診による傾向:
    • 脂肪腫(良性): 手触りが柔らかい、指で押すと動く(可動性がある)、成長が非常にゆっくり。
    • 脂肪肉腫(悪性): 手触りが硬い、周囲の組織に固定されて動かない、急速に大きくなることが多い。

※触診は重要な手がかりになりますが、これだけで確定診断をすることはできません。

② 画像診断(精密検査とそれぞれの利点)

● 超音波検査(エコー検査)

【特徴と利点】 身体への負担や痛みが一切なく、簡易的に行えるため、最初の検査として選ばれることが多いです。
脂肪腫であれば内部の構造が均一で境界がはっきり見えますが、悪性の場合は内部が不均一(固い部分と柔らかい部分の混在)であったり、境界が不明瞭に写ったりします。

● MRI検査

【特徴と利点】 軟部腫瘍の診断において、最も信頼性の高い画像診断法です。
脂肪腫特有の信号パターン(T1強調像での高信号)や均一な構造を精密に捉えることができます。一方、悪性の場合は脂肪以外の成分(線維や他の軟部組織)が混じるため信号が不均一になり、内部の隔壁構造や血流の増加像が確認できます。

● CT検査

【特徴と利点】 主に、腫瘍が周囲の骨へ浸潤(侵入)していないかを評価する場合や、万が一の悪性を疑う際に肺転移などの有無を確認する目的で行われます。(※軟部組織そのものの性質を細かく把握する能力は、MRIの方が優れています)。

③ 生検(組織診)

画像診断で悪性の可能性が否定できない場合や、確定診断が必要な場合には、腫瘍の組織の一部を採取して顕微鏡で詳しく調べる「生検(組織診)」を行うことがあります。

5. 脂肪腫の治療法とその選択基準

脂肪腫の治療法は、症状の有無、サイズ、発生した場所、そして患者さまご自身のご希望などに応じて柔軟に選択されます。当院でも、経験豊富な医師が患者さまひとりひとりに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。

選択肢A:経過観察(無治療)

無理に手術を行わず、定期的な通院で様子を見ていく方法です。

  • 対象となるケース: サイズが小さく、痛みや不快感がない。成長が非常に遅く、日常生活に全く支障がない。画像診断等で悪性の疑いが段階的に否定されている明確な脂肪腫。
  • メリット: 手術を行わないため、お身体への負担や傷痕のリスクが一切なく、不必要な治療を避けられます。
  • 注意点: 完全に放置して良いわけではなく、サイズや性質に変調がないかを定期的にチェック(医師による視診・触診、必要に応じたMRI再検査)する必要があります。

選択肢B:外科的切除(摘出手術)

手術によって腫瘍を根元から摘出する方法です。当院では外科手術の症例も多く、熟練した医師が担当いたします。

  • 対象となるケース: 見た目や触感に異常がある(急成長・硬化)、しこりが神経を圧迫して痛みやしびれがある、サイズが大きい(5~10cm以上が目安)、衣服に擦れるなど日常生活で邪魔になる、または患者さまが除去を強く希望されている場合。
  • 治療方法: 局所麻酔(またはサイズや部位により全身麻酔)のもと、皮膚を切開して腫瘍を慎重に切除します。筋層や神経の近くにある場合は、周囲を傷つけないよう極めて精密に剥離・摘出を行います。
  • メリット: まわりのカプセルごと完全に切除できれば再発の可能性が非常に低いです。また、摘出した腫瘍をそのまま病理検査に提出できるため、「確定診断」と「治療」を同時に完了できる安心感があります。
  • 注意点: 切開を伴うため、部位や体質によっては傷痕が残る可能性があります(※現在の手術は切開線を工夫するため、目立たなくなることも多いです)。また、一般的な麻酔のリスクや術後感染のリスクを伴います。

※当院では術後のアフターケア体制もしっかりと整えています。治療後に気になることや不安な兆候があれば、いつでも気兼ねなく担当医にお尋ねください。

6. 脂肪腫手術後の過ごし方と再発予防

脂肪腫の摘出手術後は、傷口を清潔に保ち、医師の指示に従って適切なケアを行うことが大切です。
また、脂肪腫は完全に摘出できれば再発する可能性は低いとされていますが、術後も定期的に状態を確認することで安心につながります。

① 手術後の傷のケア

手術後の傷をきれいに治すためには、適切な創部管理が重要です。

  • 傷口を清潔に保つ:医師の指示に従い、ガーゼ交換や洗浄を行います。
  • 無理に触らない:傷口を頻繁に触ると感染リスクが高まります。
  • 異常があれば早めに受診:強い赤み、腫れ、膿、出血などがある場合は医療機関へ相談してください。

② 日常生活での注意点

傷口に負担をかけないよう、術後しばらくは生活習慣にも注意が必要です。

  • 激しい運動は控える:術後数日から1週間程度は運動や重い荷物を持つ作業を避けましょう。
  • 入浴は医師の指示に従う:シャワーや入浴の開始時期は傷の状態によって異なります。
  • 衣服による摩擦を避ける:手術部位を圧迫しない服装がおすすめです。

③ 再発予防について

脂肪腫の明確な予防法は確立されていませんが、完全摘出できた場合の再発率は高くありません。

  • 定期的に患部を確認する:しこりの再出現や違和感がないか観察しましょう。
  • 新しいしこりに注意する:体質によっては別の部位に新たな脂肪腫ができることがあります。
  • 気になる変化は早めに相談:大きさや硬さに変化を感じた場合は受診をおすすめします。

④ 再受診を検討すべき症状

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 傷口の赤みや腫れが強くなってきた
  • 膿や出血が続いている
  • 発熱や強い痛みがある
  • 手術部位付近に新たなしこりを感じる
  • 短期間で急激な腫れや変化がある

※術後の経過には個人差があります。気になる症状がある場合は自己判断せず、担当医へご相談ください。

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7. この記事の監修・執筆医

脂肪腫治療の監修・執筆:医療法人社団涼美会 理事長 関口知秀医師

医療法人社団涼美会理事長

関口 知秀

脂肪腫などの皮下腫瘍から、皮膚炎の診断・日帰り手術まで幅広く診療しています。
脂肪腫は良性の腫瘍ですが、放置すると巨大化したり、稀に悪性腫瘍との鑑別が必要になったりすることもあります。「体に柔らかいしこりがある」「最近大きくなってきた気がする」といった不安に対して、正確な画像診断と丁寧なカウンセリングで対応いたします。新宿・渋谷の3拠点にて、お仕事帰りや週末も、いつでも安心してご相談ください。

※本ページはれいわクリニックの医師が監修しています。

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