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【医師解説】水虫とは?原因・症状から足の裏・爪の治し方まで|うつる予防法、市販薬と飲み薬の選び方

水虫はCMでも見かけるような非常にありふれた皮膚疾患です。しかし「なかなか治らない」「再発を繰り返す」という方が後を絶たないのは、治療の継続不足・不適切な市販薬選択などが原因であることがほとんどだからです。ここでは水虫(足白癬)や爪水虫(爪白癬)の原因、タイプ別の症状と見分け方、周囲へうつさないための確実な予防策から医療機関での正しい治し方まで詳しく解説いたします。

この記事の要点

  • 原因と疾患:白癬菌(カビの一種)が皮膚の角質層に感染して発症します。指の間がふやける「趾間型」、水ぶくれができる「小水疱型」、かかとがガサガサになる「角質増殖型」、爪が白濁・肥厚する「爪白癬」などがあります。
  • 治療の基本:見た目の症状が消えても角質層の奥に菌が潜んでいるため、足の水虫では最低1ヶ月(かかとは3ヶ月以上)、塗り薬を両足全体に毎日継続します。市販薬で完治が難しい爪水虫には、専用の外用液や内服薬(飲み薬)が必要です。
  • 当院の対応:土日祝・夜間21時までの即日診療に対応。しつこい足の皮むけや乾燥が水虫によるものか、あるいは他の皮膚疾患(汗疱など)によるものかを顕微鏡検査(KOH検査)でその場で迅速に診断し、適切な診察をいたします。


目次 [ 表示 ]

当院の特徴

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全院 駅チカ
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お子様や
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1. 水虫とは何か?白癬菌(はくせんきん)の基礎知識

白癬菌の画像

水虫(みずむし)とは、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビの一種)が皮膚や爪に感染することで起こる皮ふ疾患です。

正式には「皮膚糸状菌感染症(ひふしじょうきんかんせんしょう)」の一種であり、足にできれば「足白癬(あしはくせん)」、爪にできれば「爪白癬(つめはくせん)」と呼ばれます。

原因菌として最も多いのは Trichophyton rubrum という菌であり、日本における足白癬(あしはくせん)の約70〜80%がこの菌によるものとされています。

白癬菌(はくせんきん)はケラチン(角質タンパク質)を栄養源とするため、皮ふの最外層である角質層や爪、毛などに寄生します。

温かく湿った環境を好むため、靴の中のような閉鎖空間は白癬菌にとって格好の増殖場所です。

2. 日本における水虫の最新疫学データ

日本臨床皮膚科医会が2023年に実施した大規模疫学調査「Foot Check 2023」では、全国211施設で皮膚科外来を受診した14,588例を対象に、足・爪白癬の潜在罹患率が調査されました。

分類 罹患率(全体) 男女別・備考
足白癬(足の水虫) 13.7%(約7人に1人) 男性18.9%、女性9.6%
爪白癬(爪の水虫) 7.9%(約13人に1人) 男性11.6%、女性5.8%
足白癬または爪白癬 16.6%(約6人に1人) 男性22.3%、女性12.2%
70歳以上(爪白癬) — 男性約30%、女性約20%
加齢とともに有病率が上昇
90歳以上男性(爪白癬) 50%超 日本皮膚科学会報告
推計患者数(足白癬) 約2,100万人(人口比約21.6%) 日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医会
推計患者数(爪白癬) 約1,100万人(人口比約10%) 足白癬と爪白癬の両方:推計860万人

出典:畑康樹ほか「足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2023)第1報」日本臨床皮膚科医会誌 2024;41(1):66-76

足白癬は40〜50代、爪白癬は年齢とともに増加

足白癬(あしはくせん)の罹患率(りかんりつ)は40〜50代の働き盛りでピークを迎えます。これは革靴など密閉性の高い靴を長時間履く影響と考えられています。

一方、爪白癬は一度罹患すると適切な治療(内服薬)なしには完治しないケースが多く、年齢とともに患者が蓄積します。高齢化が進む日本では、今後もさらなる患者増加が懸念されています。

3. 水虫の原因――白癬菌はどこから感染するのか

水虫(足白癬)と爪水虫(爪白癬)の具体的な症状の違いや、それぞれの正しい治療期間、市販薬を使用する際の注意点について、当院の関口院長が動画(約7分)で分かりやすく解説しています。

院長による疾患解説

【解説】水虫と爪水虫の正しい治し方


水虫ってどんな病気?知らないと危険!医者が徹底解説します。

水虫を再発させず、大切な家族にうつさないためには、症状が消えてからも角質層の奥の菌を死滅させるまで医師の指示通り適切に治療を継続することが重要です。

水虫の原因は白癬菌(はくせんきん)による感染ですが、菌が皮ふに付着しただけでは必ずしも発症するわけではありません。

白癬菌は皮ふに付着してから角質層内に侵入するまでに約12〜24時間かかるとされており(日本臨床皮膚科医会)、付着後早い段階で洗い流せば感染を防げる可能性があります。この「時間差」こそが予防の鍵です!

感染が起こりやすい条件

以下のような環境や条件下では、水虫が起こりやすくなりますのでご注意ください!

  • 高温多湿な環境:革靴・スニーカーなど密閉性の高い靴を長時間履く(足白癬は40〜50代にピーク。日本の夏は水虫になる可能性が大です)
  • 免疫力の低下:糖尿病・高齢・疲労・体力低下などで角質バリアが弱まる
  • 皮膚の傷や亀裂:小さな擦り傷からも菌が侵入しやすい
  • 不衛生な共用設備:銭湯・スポーツジム・プール・温泉の足ふきマット・スリッパ
  • 家庭内感染:同居家族に感染者がいると感染リスクが約20%上昇。バスマット・床・スリッパが主な感染源(お子さまが水虫になる原因の一番はこの家庭内感染です)
  • 高気密住宅:マンション・ビルなど気密性の高い住宅では足の蒸れが助長される

糖尿病・喫煙・血行障害の方は特に注意

糖尿病・喫煙・血行障害は爪白癬の発症リスクを高めることが知られています。

糖尿病がある方は免疫機能の低下や末梢神経障害により水虫が重症化しやすく、細菌の二次感染(蜂窩織炎)を起こすリスクも高まります。

糖尿病のコントロール・禁煙・血行障害の改善は、水虫治療においても重要です。持病をお持ちの方は、持病+水虫の治療の両方を並行して行っていきましょう。

4. 水虫の症状と見分け方 部位・タイプ別に徹底解説

水虫の種類のイラスト図解

「水虫=かゆい」というイメージがありますが、実際にはかゆみが全くない型も多く、「ただの乾燥肌」「爪の老化」と見誤るケースが少なくありません。正確な診断には顕微鏡検査が不可欠です。

部位・型別 症状比較表

型・部位 主な症状 かゆみ 好発時期 市販薬
趾間型
(足指間)
白くふやける・皮むけ・ただれ 強い 夏 ○
小水疱型
(足の裏)
小水疱・皮むけ 強い 春〜夏 ○
角質増殖型
(かかと)
角質肥厚・乾燥・亀裂 ほぼなし 通年 △
爪白癬
(爪)
白濁・肥厚・崩れ ほぼなし 通年 ✗
手白癬
(手のひら)
角質化・乾燥・皮むけ(片手) 軽度 通年 ○
体部白癬
(体)
環状の紅斑・外側に拡大 あり 夏 ○

※市販薬:○=有効 △=効きにくい(飲み薬が必要なことも) ✗=市販薬では完治困難

① 趾間型(しかんがた)─ 最も多いタイプ

足の指と指の間(特に4・5趾間)に発生しやすいです。白くふやけてジュクジュクした状態になり、強いかゆみを伴います。二次感染(細菌感染)で赤くただれて痛みや腫れが加わることも。かゆみのない「乾燥型」もあり、水虫と気づかれにくいケースがあります。

② 小水疱型(しょうすいほうがた)

足の裏・土踏まずに小水疱が多発するタイプです。水疱が破れた後に皮がむけ、強いかゆみが続きます。春〜夏に悪化しやすい傾向があります。皮膚科医の経験では「趾間型5:小水疱型4:角質増殖型1」の比率との報告もあります(埼玉医科大学・常深祐一郎教授)。

③ 角質増殖型(かかと・足裏全体)

かかと・足裏全体の角質が厚く硬くなり、乾燥・亀裂を生じます。かゆみがほとんどなく「単なる乾燥肌」と誤認されやすい水虫です。塗り薬が角質に浸透しにくく、飲み薬が必要になることが多い難治性のタイプですので、治療には時間がかかります。

④ 爪白癬(つめはくせん)

爪が白く濁る・黄褐色になる・厚く肥厚する・もろくなって崩れる、などの変化が現れます。かゆみや痛みはほとんどなく、初期は気づきにくいのも特徴の1つです。足白癬を放置すると白癬菌が爪に侵入して発症するケースが最も多いです。

⑤ 手白癬(てはくせん)

足の水虫を掻いた手から感染します。手のひらの一部が角質化・乾燥し、片手だけに症状が出るのが特徴です。主婦湿疹・接触性皮膚炎と見間違われやすく、誤った治療(ステロイド外用など)で悪化するケースもあります。そのため、この種類の水虫は、医師による正確な診断が必要となります。

⚠️ 水虫に似た皮膚疾患に注意!

以下の疾患は水虫と間違えやすいため、必ず皮膚科でKOH検査(顕微鏡検査)による確定診断を受けてください。

  • 汗疱・異汗性湿疹:足の裏に小水疱が多発。水虫の小水疱型と非常に見分けにくいが白癬菌は検出されない。
  • 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):手のひら・足の裏に膿疱が繰り返す。水虫薬は無効。
  • 接触性皮膚炎・アレルギー:市販の水虫薬自体でかぶれて悪化するケースも報告されています。
  • 乾癬(かんせん):足裏・爪の変化が水虫と似ているが、ステロイド外用薬で悪化する可能性があり注意。
  • 亀裂性皮膚炎:かかとのひびわれ。角質増殖型水虫と類似するが治療法が異なります。

皮膚科での検査(KOH検査)は保険適用・5分程度で結果が出ます。自己判断での市販薬使用を続けることで誤診・悪化を招くリスクが高いので早めの受診をおススメします。

5. 水虫はうつるのか?感染経路と予防策

水虫は他の人にうつる感染症です。白癬菌は感染した人の足から剥がれ落ちた皮膚の垢(あか)の中に潜み、非常に生命力が強く、剥がれ落ちた垢の中でも数ヶ月以上生き続けることができます。ただし前述のとおり感染成立まで12〜24時間かかるため、帰宅後すぐに足を洗う習慣だけで感染リスクを大きく下げられます。

主な感染経路

  • 共用マット・スリッパ:銭湯・温泉・スポーツ施設・ホテルの床やマットに散布されやすい
  • 家庭内感染:バスマット・フローリング・タオルの共用。家族に感染者がいるとリスクが約20%上昇
  • 直接接触:感染者の足に触れた後に自分の足を触る(足白癬→手白癬の感染もここから)
  • 高齢者施設・入浴施設:爪白癬の患者が多い施設では、床への菌の散布量が多い

効果的な予防策

  • 公共施設の利用後は24時間以内に帰宅して足を石鹸でよく洗い、指の間まで丁寧に乾かす
  • バスマットはこまめに洗濯・乾燥させる(洗濯で大半の菌が除去可能)
  • 家族に感染者がいる場合はバスマット・タオル・スリッパを分ける
  • 通気性の良い靴下を選ぶ。5本指ソックスは指の間の蒸れを効果的に防ぐため医師も推奨しています
  • 靴を毎日同じものを履かず、2〜3足をローテーションして内部を乾燥させる
  • 爪を短く清潔に保つ。靴は内側の垢をこまめに拭き取る

5本指ソックスが水虫予防に有効な理由

通常の靴下は足の指が密接に接していますので蒸れやすく、白癬菌の増殖環境を作りやすいです。これに対し、5本指ソックスは各指を独立して包むため指間の湿度上昇を抑制できます。そのため、水虫を予防したい方やすでに水虫治療中の方にも、足の指の間の乾燥維持という点で効果があります。

6. 爪水虫(爪白癬)の特徴と治療の注意点

爪水虫の足

爪白癬(つめはくせん)は、爪に白癬菌が感染した状態です。爪が白く濁る・黄褐色になる・厚く肥厚する・もろくなって崩れる、などの変化が現れます。かゆみや痛みはほとんどなく、最初は「爪の老化・変色」程度にしか感じられないため、重症化するまで気づかないことが多いです。

爪白癬(つめはくせん) 年齢別有病率(日本)

年齢層 男性 爪白癬有病率 女性 爪白癬有病率
全年代(平均) 11.6% 5.8%
70歳以上 約30% 約20%
90歳以上 50%超 —

出典:Foot Check 2023、日本皮膚科学会 皮膚科Q&A

爪は塗り薬が浸透しにくい構造をしているため、爪白癬の治療には飲み薬(内服抗真菌薬)が基本になります。現在、市販薬では爪白癬に有効と認められているものは存在していません。

近年はエフィナコナゾール(クレナフィン外用液)やルリコナゾール(ルコナック外用液)などの爪専用外用薬も登場し、内服が困難な方への選択肢が広がっています。

また日本皮膚科学会は「爪白癬が進行すると爪甲が変形・肥厚し、高齢者では転倒リスクの上昇につながる」と警告しています。爪白癬は周囲への感染源ともなるため、積極的な治療が必要です。

7. 水虫と足の臭いの関係

水虫と思われる足

「水虫は足が臭い」というイメージがありますが、白癬菌そのものが強い臭いを発するわけではありません。足の臭いの主な原因は、皮膚常在菌(ブレビバクテリウムなど)が汗や角質を分解する際に産生するイソ吉草酸などの揮発性脂肪酸(きはつせいしぼうさん)です。

ただし、水虫によって角質が傷んで剥離(はくり)・ただれが生じると、細菌が増殖しやすい環境が整います。足の指の間にできた水虫でジュクジュクしている場合は細菌の二次感染が加わり、いわゆる「雑菌臭」が強まることがあります。臭いが強い場合は水虫と二次感染が併発している可能性が高いため、早期に皮膚科を受診することが大切です。

足の臭い対策(患部を清潔に保つ)

  • 足指の間を毎日丁寧に石鹸で洗い、よく乾燥させる
  • 天然素材(綿・竹)の靴下・吸湿性の高いインソールを使用する
  • 靴を毎日ローテーションし、内部をよく乾燥させる
  • 重症の臭いには皮膚科でクロルヘキシジン配合薬など適切な処方薬を受ける

8. 水虫の治し方――正しい治療の進め方

水虫治療で最も重要なのは「症状が治まっても薬をやめない」ことです。かゆみや皮むけが消えても角質層の奥に菌が潜んでいることがあり、自己判断で治療を中断すると高確率で再発します。「かゆいところだけに塗ればいい」という誤解も多く、これが治らない最大の原因の一つです。

🚨 皮膚科受診前に市販薬を塗るのはNG!

水虫の診断には顕微鏡検査が不可欠です。しかし、受診前に市販薬を塗り続けると白癬菌が検出されにくくなり、誤診につながります。皮膚科を受診する場合は、少なくとも1週間前から市販薬の使用を中止してから来院することが推奨されています。

治療の基本ステップ

  1. 皮膚科での確定診断:KOH検査(顕微鏡検査)で白癬菌を確認。湿疹・汗疱等との鑑別が重要。
  2. 外用抗真菌薬の処方:テルビナフィン・ルリコナゾール・ラノコナゾールなどを処方。入浴後の清潔な状態で塗ると薬が浸透しやすい。
  3. 両足全体に広範囲に塗布:症状が出ていない部分にも菌が潜んでいるため、片足だけでなく両足全体の足裏・指間に塗る。
  4. 治療期間の遵守:趾間型・小水疱型で4〜8週間以上、角質増殖型では3〜6ヶ月の継続が必要(※重症度により異なります)。
  5. 生活習慣の改善:足の清潔保持・通気・感染源の除去を同時に実施。
  6. 再発防止:完治後もバスマット管理や足の清潔維持を継続する。

塗り薬の正しい使い方

  • タイミング:お風呂上がりが最適。皮膚が清潔でやわらかく、薬が浸透しやすい状態になっています。毎日同じ時間に塗ることで塗り忘れを防ぎます。
  • 塗る範囲:「かゆいところだけ」はNG。足底全体への広範囲な塗布が推奨されています。必ず両足の足裏全体・指の間・かかとまで広範囲に塗ってください。
  • 塗った後のケア:使用後は石鹸で手をしっかり洗います(他部位や他者への感染防止)。また、薬を塗った後はしっかり乾燥させてから靴下を履いてください。

9. 水虫の市販薬・薬の種類と選び方

水虫の市販薬(OTC薬)には、テルビナフィン塩酸塩・ミコナゾール硝酸塩・クロトリマゾール・ブテナフィン塩酸塩などの抗真菌成分を含むものがあります。症状や部位によって適切な剤形(タイプ)が異なります。

市販薬 剤形別 選び方ガイド

剤形 向いている症状・部位 特徴・注意点
クリーム 趾間型・小水疱型・足裏全般 最もスタンダード。浸透性が高く刺激が少ない。ただれには軟膏タイプが優しい。
液剤(ローション) 趾間・毛の生えた部位 広範囲に塗りやすく速乾性。ただれ・亀裂がある場合は刺激が強くなることも。
スプレー 広範囲・手が届きにくい部位 手を汚さずに使用可。角質増殖型やひどいただれには効果が限定的。
軟膏 ただれ・亀裂・びらんがある部位 皮膚保護効果が高く刺激が少ない。べたつきがあるため就寝前に使用しやすい。

市販薬を使う際の注意点・民間療法の危険性

  • ステロイド成分入りの外用薬を水虫に使うと、白癬菌が増殖して悪化します(ステロイドは抗炎症薬であり、抗菌・抗真菌薬ではありません)。
  • 2〜4週間使用して改善がない場合は、水虫以外の疾患か誤診の可能性があるため皮膚科を受診してください。
  • 症状が消えてもさらに1ヶ月は塗り続けてください(角質内の潜伏菌を除菌するため)。

❌ 民間療法は絶対にやめてください

ネット上で噂される「お酢に足を浸す」「キッチンハイター(塩素系漂白剤)を薄めて使う」「60度の熱湯をかける」などは大変危険です。皮膚のバリア機能を破壊し、化学熱傷・細菌の二次感染(蜂窩織炎)・症状の悪化を招く危険があるため、絶対に試さないでください。

10. 水虫の飲み薬(内服抗真菌薬)について

水虫の飲み薬は、主に爪白癬や角質増殖型足白癬など外用薬が届きにくいタイプに使用されます。現在、全ての水虫の飲み薬は医師の処方が必要です。服用前には肝機能や他の服用薬との相互作用を確認する血液検査が行われます。

主な内服抗真菌薬 比較

薬剤名(一般名) 治療期間の目安 特徴・注意点
テルビナフィン塩酸塩 爪白癬:約6ヶ月 最も広く使われる。爪床からも浸透し長期間高濃度を維持。肝機能への影響(副作用)に注意し定期的な血液検査を行う。
イトラコナゾール パルス療法:約3ヶ月 1週間内服→3週間休薬を3サイクル。他の薬との相互作用(飲み合わせ)が多い。心疾患のある方は慎重に。
ホスラブコナゾール 12週間(3ヶ月) 比較的新しい。1日1回の簡便な服用。肝障害や相互作用のリスクは低めだが確認は必要。

※爪が生え変わるには1〜1.5年かかるため、外見的な治癒効果は服薬終了後に得られます。気になる症状が出た場合はすぐに主治医に相談してください。

11. 漢方薬・補助的なケアについて

市販の漢方薬の中には水虫に適応があるもの(十味敗毒湯、消風散など)も存在します。ただし、漢方薬には白癬菌を直接殺菌する「抗真菌作用」はないため、単独での完治は期待できません。あくまでも外用薬との併用による「かゆみ・炎症の緩和」を目的とした補助的な使用に限られます。服用前に薬剤師や医師に相談することをお勧めします。

12. まとめ

最新の疫学調査(Foot Check 2023)によると、日本人の約6人に1人が足または爪に白癬を有しているとされています。水虫は決して恥ずかしい病気ではなく、非常に身近な疾患です。

発症する部位によって症状の出方が大きく異なり、かゆみのない型も多くあります。放置すれば難治化し、大切な家族への感染源にもなります。水虫治療において最も重要なのは「正確な診断」と「治療の継続」です。自己判断のケアで長引かせる前に、まずは皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。

【データ出典・参考文献】

健康保険適用

当院は保険診療を主軸とした皮膚科クリニックです

当院の皮膚科診療実績:2025年度 年間延べ来院者数 19,763名
(集計期間:2025年1月〜12月 当院レセコンデータに基づく)

水虫は、自己判断で市販薬を塗り続けたり放置したりせず、顕微鏡できちんと菌を確認して治療することが完治への近道です。

なかなか治らないしつこい足の皮むけ、かかとのガサガサ、爪の変色など、お気軽にご相談ください。

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13. よくある質問(FAQ)

Q1. 水虫を放置しても自然に治りますか?

水虫が自然に治ることはありません。放置すると角質がさらに厚くなったり、爪に菌が侵入して「爪水虫」に進行したりします。また、家族や周囲の人に菌をうつす原因にもなるため、早期の治療が必要です。

Q2. 家族に水虫をうつさないための対策は?

バスマット、スリッパ、タオルの共用を避けることが最も重要です。また、白癬菌は剥がれ落ちた垢の中でも生き続けるため、こまめに床を掃除機がけ・水拭きし、お風呂上がりには足をしっかり乾燥させてください。

Q3. 市販薬で水虫は完治しますか?

軽度の足水虫(趾間型・小水疱型)であれば市販の抗真菌薬で改善することもあります。ただし、かかとが硬くなる「角質増殖型」や「爪水虫」は市販の塗り薬単独での完治は非常に困難なため、皮膚科での処方薬(飲み薬など)が必要です。

Q4. 皮膚科を受診するタイミングや目安は?

「水虫かな?」と思ったらすぐに受診をお勧めします。特に、市販薬を2週間使っても効果がない場合や、ジュクジュクして赤くただれ、痛みや強い腫れが出た場合は細菌の二次感染(蜂窩織炎など)の恐れがあるため速やかに受診してください。

Q5. 治療を始めてからどのくらいで治りますか?

一般的な足の水虫(趾間型など)は、薬を塗り始めて数日から1〜2週間で症状が軽くなりますが、皮膚の奥の菌を全滅させるためにそこから最低1ヶ月は塗り続ける必要があります。爪水虫の場合は、爪が生え変わるまで数ヶ月〜1年以上の期間がかかります。

Q6. 水虫の検査方法と費用はどのくらいですか?

皮膚科では、患部の皮膚や爪の破片を少し採取し、水酸化カリウム(KOH)液で溶かして顕微鏡で菌を確認する「KOH検査」を行います。検査自体は痛みもなく5分ほどで結果が出ます。保険適用(3割負担)で、診察料と合わせて数千円程度です。

Q7. 症状が消えたら、薬の使用をやめてもいいですか?

絶対にやめないでください。かゆみや皮むけが治まっても、角質層の奥深くに白癬菌が生き残っていることがほとんどです。見た目が綺麗になってからも、皮膚のターンオーバーに合わせて最低1ヶ月(かかとは3ヶ月以上)は塗り続ける必要があります。

Q8. 妊娠中や授乳中、持病があっても水虫の治療はできますか?

外用薬(塗り薬)であれば、妊娠中・授乳中や持病(糖尿病など)がある方でも基本的に安全に使用できます。ただし、爪水虫などで飲み薬(内服薬)を使用する場合は、胎児への影響や他のお薬との飲み合わせ、肝機能への影響があるため、必ず医師にご相談ください。

Q9. 5本指ソックスは水虫に本当に効果がありますか?

はい、非常に有効です。白癬菌は高温多湿な環境を好むため、指と指が密着して蒸れやすい通常の靴下よりも、各指が独立して包まれる5本指ソックスの方が指の間の湿度を低く保つことができます。予防にも治療中の補助としても医師が推奨しています。

Q10. 受診する前に市販薬を塗っていっても大丈夫ですか?

受診直前に市販薬を塗ってしまうと、顕微鏡検査の際に白癬菌が見つかりにくくなり、正確な診断(確定診断)ができなくなる原因になります。皮膚科を受診される際は、少なくとも1週間前から市販薬の使用を中止してご来院いただくようお願いいたします。

14. この記事の監修・執筆医

水虫治療の監修・執筆:医療法人社団涼美会 理事長 関口知秀医師

医療法人社団涼美会 理事長

関口 知秀

水虫(足白癬・爪白癬)や湿疹、アレルギー疾患などの一般皮膚科診療を重視しています。「なかなか治らない」「家族にうつらないか心配」といった日常の不安に対し、顕微鏡を用いた的確な診断と最適な外用・内服指導を提供します。新宿・渋谷の駅チカ拠点にて、夜間や土日祝日も診療しております。

※本ページはれいわクリニックの医師が監修しています。

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