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水いぼは取った方がいい?自然治癒を待つ?子どもの摘除と痛みを解説

・子どものわきやお腹に、つやつやした小さなブツブツがいくつもできている
・保育園の先生に「水イボかもしれない」と言われた
・取ったほうがいいのか、自然に治るのを待ったほうがいいのか迷っている
・プールの季節が近づいて、入ってよいのか心配になった

水イボは、幼児から小学生くらいの子どもに多い皮膚の感染症です。見つけたときに「すぐ取るべきか」「痛い思いをさせたくない」と悩む保護者の方は少なくありません。取るか待つかには、それぞれ利点と注意点があります。この記事では、水イボの特徴や自然に治るまでの期間、皮膚科での取り方と処置のときの痛みへの工夫、園やプールでの過ごし方について、当院の視点からお伝えします。

この記事の要点

  • 自然に治ることも:水イボは健康な子どもでは自然に治ることがありますが、治るまで1年以上かかることも珍しくありません。
  • 取るか待つか:数や広がり方、かゆみ、生活への影響、お子さんの年齢や様子などをふまえて検討します。
  • 摘除時の痛み:皮膚科では専用のピンセットで取り除く方法があり、麻酔テープを使用して痛みをやわらげることもできます。
  • プール:水イボがあるだけでプールを禁止する必要はありませんが、タオルや浮き輪などの共用には注意が必要です。

目次 [ 表示 ]

1.水イボ(伝染性軟属腫)とは?

子どもの皮膚にみられる水イボ(伝染性軟属腫)の症例イメージ
水イボ(伝染性軟属腫)は、肌色〜淡いピンク色の小さな盛り上がりとして現れ、中央が少しくぼんで見えることがあります。

水イボの医学的な名前は、伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)です。ポックスウイルスというグループのウイルスが皮膚に感染してできる、良性のできものです。手や足の裏にできるウイルス性のイボとは、原因となるウイルスがまったく異なります。

見た目は、肌色でつやのある、ドーム状の小さな盛り上がりです。大きさは2〜5mmほどで、てっぺんの中心が少しへこんでいるのが特徴です。わきの下や胸、お腹、腕など、皮膚がこすれやすい場所によくみられます。

子どもに多く、とくに1〜14歳での発症が目立ちます。世界の報告では、子どものおよそ5〜12%にみられるとされており、決して珍しい病気ではありません。

2.水イボはどうやってうつる?

水いぼの感染経路とプール利用時の注意点を解説した図
水いぼは皮膚の接触などでうつることがありますが、プールの水でうつるわけではありません。タオル・浮き輪・ビート板などの共用は避けましょう。

水イボは、皮膚どうしが直接ふれることでうつります。タオルや衣類、スポーツ用品、プールやお風呂のおもちゃなど、ウイルスがついた物を介してうつることも少なくありません。

自分の体の中でも広がります。水イボをかいたりいじったりすると、皮膚のバリアが傷つき、指についたウイルスが別の場所に移って新しい水イボができるのです。

アトピー性皮膚炎のあるお子さんは、皮膚のバリア機能が低下していることや、かゆみで皮膚をかくことなどから、水イボにかかりやすく、広がりやすい傾向があります。かきこわした部分から細菌が入ることもあるため、かゆみが強いときは早めに相談してください。

3.放っておいても治る?自然に治るまでの期間

水イボは、免疫の働きが正常なお子さんであれば、治療をしなくてもいずれ自然に治るのが一般的です。治療をしなかった場合、12か月以内におよそ50%、18か月以内におよそ70%の水イボが消えるとする報告があります。平均すると13〜18か月ほどかかり、なかには2〜5年続く場合もあります。日本小児皮膚科学会も、健康な子どもでは6か月〜3年で自然に治るものの、個人差が大きく、いつ治るかを予測するのは難しいとしています。

イギリスで4〜15歳の子ども306人を追跡した研究では、治るまでの期間は平均13.3か月でした。18か月を過ぎても治っていない子どもが、およそ3分の1いたと報告されています。

同じ研究では、およそ41%の家庭で、きょうだいなどほかの子どもにうつっていました。多くの子どもでは生活への影響は小さかった一方、およそ10人に1人は生活の質に強い影響を受けていました。

「自然に治る」とはいっても、1年以上かかることは珍しくありません。その間にほかの場所に広がったり、家族にうつったりする可能性がある点は知っておいてください。

4.取る?待つ?治療を考えたいケース

水イボは自然に治る病気のため、経過をみることもひとつの選択肢です。一方で、治るまでに時間がかかる間に、自分の体のほかの場所に広がったり、周りの人にうつったり、かきこわして細菌による二次感染を起こしたりする心配もあります。そのため、摘除などの治療も選択肢のひとつです。

水イボは自然に治ることがある一方、治癒まで長期間かかる場合があります。治療するか経過をみるかは、水イボの数や広がり方、かゆみ、生活への影響などをふまえて検討します。

  • 数が増え続けている、あちこちに広がっている
  • かゆみが強く、かきこわしている
  • アトピー性皮膚炎があり、湿疹と混ざって広がりやすい
  • きょうだいや家族にうつるのが心配
  • 見た目を本人が気にしている、園や学校で困っている

当院では、数や場所、お子さんの年齢や性格、ご家族の希望をうかがいながら、取るか待つかを一緒に考えています。迷ったときは遠慮なく相談してください。

なお、病気や治療の影響で免疫の働きが弱っているお子さんは、事情が異なります。1cmを超える大きな水イボができたり、数が多くなってつながったり、通常の治療が効きにくかったりすることがあるためです。こうした場合は、経過をみるだけにせず、早めに受診してください。

5.皮膚科での取り方:専用のピンセットで取り除く処置

水いぼ(伝染性軟属腫)を専用のピンセットで摘除する処置のイメージ
水いぼは、状態に応じて専用のピンセットを使って摘除することがあります。

日本では、先が小さな輪になった水イボ専用のピンセット(トラコーマ鑷子など)で水イボの基部をはさみ、中の白っぽい内容物をつまみ取る「摘除」が行われています。1つずつ直接取り除くことができるのが、この方法の特徴です。

一方で、処置のときには痛みをともない、少量の出血がみられることもあります。日本皮膚科学会も、子どもに痛みや精神的な負担をかける治療法であることを欠点として挙げています。数が多い場合は、1回に取る数を決めて、何回かに分けて取ることもあります。

また、取った時点ではまだ小さくて見えない水イボが、あとから出てくることがあります。かいたりいじったりして、別の場所に新しくできることもあるため、一度取れば必ずすべて治るというわけではありません。処置のあとも、かかないように気をつけてあげてください。

当院では、数や場所、お子さんの年齢や様子をみながら、取るかどうか、どのように取るかを相談して決めています。

6.痛みをやわらげる麻酔のテープ

「子どもが痛がって暴れないか心配」という保護者の方も多いでしょう。水イボを取るときの痛みには、リドカインという麻酔薬を含むテープを使う方法があります。リドカインは、皮膚の神経が痛みの信号を伝えるのを一時的に止めることで、感覚をにぶくする薬です。このテープは、日本で水イボを取るときの痛みをやわらげる目的で承認されており、2012年に伝染性軟属腫の摘除時の疼痛緩和に対する適応が追加され、保険診療で使用できるようになりました。

使い方は、子どもの場合、1回2枚までを取る予定の場所に約1時間貼ってから処置を行います。貼る場所や枚数、貼る時間は、必ず医師の指示に従ってください。

麻酔のテープを使っても、痛みが完全になくなるわけではありません。処置への怖さから嫌がるお子さんもいるため、年齢や様子に合わせて、使うかどうかを相談してください。

7.そのほかの治療法

液体窒素で凍らせる方法が用いられることもあります。ただし、痛みがあり、小さな子どもには負担が大きいことに加え、水ぶくれや、治ったあとに色が変わる(炎症後の色素の変化)おそれがある点には注意が必要です。

海外では、水イボに塗る新しい治療薬も承認されていますが、日本で受けられる治療とは異なる場合があります。また、イミキモドという塗り薬は、水イボに対して積極的には勧められていません。当院では、お子さんの状態に合わせて、受けられる治療の中から方法を提案しています。

8.水イボのまわりが赤くなったときは

水イボが自然に治っていく過程で、水イボそのものや周囲の皮膚が赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。これは、体の免疫が水イボに反応している際にみられることがある変化です。水イボのまわりに、湿疹のようなカサカサした赤みが出ることもあります。

赤くなると「細菌が入ったのでは」と心配になるかもしれません。しかし、実際に細菌による感染を起こすことはまれで、多くは抗生物質も必要ありません。かきこわして傷が深くなると、細菌の感染につながることがあるため、かかないように気をつけてください。

赤みがどんどん強くなる、膿が出る、熱をもって痛がるといった様子があれば、次に挙げる受診のサインも参考にしてください。

9.園や学校、プールではどうする?

日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会の統一見解では、水イボはプールの水ではうつらないため、プールに入ってもかまわないとされています。また、水イボがあることだけを理由に、園や学校を休む必要はありません。ただし、タオルや浮き輪、ビート板などを介してうつることがあるため、次のような点に気をつけてください。

  • タオル、浮き輪、ビート板などをできるだけ共用しない
  • プールのあとはシャワーで肌をきれいに洗う
  • 水イボをいじった手は、よく洗う
  • 水イボをかいたり、つぶしたりしない

先ほどのイギリスの研究では、4割ほどの家庭できょうだいなどにうつっていました。手洗いやタオルを分ける習慣は、家の中でうつるのを防ぐうえでも役立ちます。なお、園や学校によっては独自のルールを設けている場合があります。心配なときは、通っている施設に確認してみてください。

10.早めに皮膚科を受診したいサイン

水イボの多くは急いで治療する必要のない病気ですが、次のような場合は早めに皮膚科で診てもらってください。

  • 赤みや腫れが強い、膿が出る、熱をもって痛がる
  • まぶたや目のまわりにできている
  • 短い期間で急に数が増えた、1cmを超えるような大きなものがある
  • 免疫の病気がある、または免疫を抑える薬を使っている

目のまわりの水イボは、まれに結膜(白目やまぶたの裏側)にできることもあるため、自己判断で様子をみずに相談しましょう。

11.自宅でつぶしたり取ったりしないで

水イボは小さくやわらかいため、家でつぶしたり、爪でつまんだりしたくなるかもしれません。しかし、無理に取ろうとすると皮膚が傷つき、ウイルスがほかの場所に広がる原因になります。傷から細菌が入るおそれもあるため、取る場合は皮膚科で処置を受けてください。

水イボ(伝染性軟属腫)の総合情報

12.まとめ

水イボは、子どもに多いウイルス性の皮膚の感染症です。多くは自然に治りますが、治るまでに平均1年以上かかり、その間に広がったり家族にうつったりすることがあります。

取るか待つかは、数や広がり方、かゆみ、生活への影響をふまえて決めるのがよいでしょう。取る場合は専用のピンセットで取り除く処置があり、麻酔のテープを使うことで痛みをやわらげることもできます。

「取ったほうがいいのか迷っている」「痛みが心配」という方は、ひとりで悩まずに皮膚科を受診しましょう。

【参考文献】

この記事の監修・執筆医

水イボ(伝染性軟属腫)の記事を監修・執筆する医療法人社団涼美会 理事長 関口知秀医師

医療法人社団涼美会理事長

関口 知秀

水イボ(伝染性軟属腫)をはじめとした皮膚疾患の診断・治療を幅広く行う。症状の経過や生活背景を丁寧に確認し、原因や重症度に応じた適切な治療を重視。一人ひとりの状態に合わせた無理のない治療を提供している。
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※本ページはれいわクリニックの医師が監修しています。

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