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医療法人社団涼美会理事長
新宿・渋谷の皮膚科|駅徒歩30秒・平日21時/土日祝20時まで診療
夏に背中の開いた服を着るのをあきらめている、胸元のニキビが気になってVネックを選べない、顔はきれいになったのに背中だけずっと治らない。このような背中や胸のニキビに悩んでいる方は少なくありません。
背中や胸は皮脂腺が多く、ニキビができやすい部位です。さらに、衣類や下着、リュックなどによる摩擦や蒸れ、自分では確認しづらいことなどから、顔のニキビとは異なる悩みを抱えやすい部位でもあります。また、ニキビだと思っていたブツブツが、実はマラセチア毛包炎など別の病気である場合もあります。
この記事では、背中・胸にニキビができる原因、ニキビと似た病気との違い、跡が残りやすい理由、治療方法や日常生活でできる対策について、ガイドラインや文献をもとに医師が詳しく解説します。
この記事の要点
REASON
土・日・祝も診療
通院の予定を立てやすい
夜平日21時まで
仕事帰りにも通いやすい
背中・胸ニキビの
治療に対応
ニキビの状態に合わせた
治療をご提案
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背中や胸のニキビは、顔のニキビほど話題にのぼりません。人に見せる場所ではなく、自分でも鏡なしには確認しづらいためです。
けれど困っている方は想像よりずっと多く、しかも顔よりやっかいな性質をいくつも持っています。
ここでは、なぜこの部位にできるのか、なぜ治りにくいのか、そして顔のニキビと同じように扱ってよいのかを、ガイドラインと文献にもとづいて整理しました。
ニキビができるのは、皮脂腺が大きく、ホルモンに反応しやすい部位です。具体的には顔・首・胸・背中の上部・上腕。
この分布は偶然ではなく、皮脂腺の密度と分布がそのまま反映された結果になっています。
イギリスのNICEガイドラインも、ニキビが影響する部位として顔・胸・背中の3つを並べて挙げました。背中と胸は、医学的には顔と同格のニキビの好発部位なのです。
そのうえで、この部位には特有の悪化要因があります。文献で挙げられているのは次のようなものです。
リュックのベルトが当たる位置、ブラのストラップが食い込む位置にだけ集中してできる方は珍しくありません。
摩擦と閉塞が重なる場所が、そのまま悪化しやすい場所になっているわけです。
遺伝の影響も無視できません。皮脂に含まれる分岐脂肪酸の割合には遺伝が強く関わっており、その寄与は50〜90%と推定されました。
第一度近親者にニキビの人がいる場合、発症リスクは最大で3倍まで上がるとされています。
女性では月経周期の影響も見逃せない要素です。月経前の悪化は女性患者の約70%に見られると報告されており、毛穴の周囲がむくむことが背景にあると考えられてきました。
背中と胸で特に注意していただきたいのが、ニキビとよく似た別の病気の存在です。
代表がマラセチア毛包炎(かつてのピチロスポルム毛包炎)。マラセチアという皮膚の常在真菌が毛穴の中で増えて起こる毛包炎で、皮脂腺の活動が盛んになる思春期に多く見られる病気です。
特徴的なのが分布でしょう。肩・背中・首にかけて、まるでケープを羽織ったような形に広がります。
そして臨床的に最も重要な手がかりが、抗菌薬による治療で改善しない、あるいはかえって悪化するという経過。文献はこの場合にマラセチア毛包炎を疑うよう明記しています。
見た目の違いも一つの目安になります。ニキビは黒ニキビ・白ニキビ・赤いブツブツ・膿を持ったものが混在する多形性の発疹です。
対してマラセチア毛包炎は、同じ大きさで同じ形のブツブツが並ぶ単形性の傾向を示します。かゆみを伴う点も、通常のニキビとの違いになります。
診断はKOH検査で真菌を確認します。治療は外用の抗真菌薬ではなく、イトラコナゾールやフルコナゾールなどの内服が第一選択。
毛穴の深い部分にいる真菌には、塗り薬が届きにくいためです。
このほか、黄色ブドウ球菌による細菌性の毛包炎、温浴施設やプール由来の緑膿菌による毛包炎、剃毛後の毛包炎なども背中や胸に生じます。
糖尿病、肥満、抗菌薬の長期内服、免疫抑制状態、頻繁な剃毛、発汗の増加、外用ステロイドの使用は、いずれも毛包炎が起こりやすくなる背景です。
つまり背中のブツブツ=ニキビと決めつけてしまうと、まったく効かない治療を何か月も続けることになりかねません。
背中と胸のニキビでよく相談を受けるのが、跡の問題です。
ニキビのある方のうち、およそ20%が瘢痕を残す重症のニキビへ進むと報告されています。そして跡が残るリスクは、ニキビの重症度と持続期間が増すほど高くなるとされました。
長引かせるほど不利になる構造です。
背中と胸が跡を残しやすい理由は、いくつも重なっています。まず、自分の目で見えないため気づくのが遅れます。次に、衣類の摩擦が炎症を長引かせる働きをします。
さらに背中の皮膚は厚くケロイド体質の影響も受けやすく、盛り上がる肥厚性瘢痕やケロイドが顔より生じやすい部位でもあるのです。
色素沈着も残りやすくなります。炎症後色素沈着は肌の色が濃い方ほど生じやすく、スキンフォトタイプIVからVIで特に目立つとされました。
日本人の多くはこの範囲に入るため、赤みが引いたあとに茶色い跡が長く残る経過をたどりがちです。
そして最大の悪化要因が、触ることと掻くこと。ガイドラインは、ニキビを繰り返し触ったりひっかいたりする行為が瘢痕のリスクを高めると明記し、患者への注意喚起を推奨しています。
背中は無意識に掻きやすい場所であり、ここが厄介なところでしょう。
ニキビの成り立ちは、顔でも背中でも基本的に同じです。したがって治療薬も、顔で使われるものがそのまま適用されると考えて差し支えありません。
NICEガイドラインは、重症度に応じて12週間のコースを組む方針を示しています。外用薬の組み合わせを基本とし、中等症から重症では内服の抗菌薬を加えるという構成です。
ただし背中と胸には、顔とは違う実務上の壁がいくつもあります。
このため実際には、内服薬を組み合わせて全体をコントロールする方針が現実的な選択になります。
洗い流すタイプの過酸化ベンゾイル製剤は1日1〜3回使用でき、広範囲を扱いやすい手段の一つです。
効果判定を焦らないことも同じくらい大切でしょう。ニキビ治療は効果が目に見えるまで6〜8週かかるとされ、背中や胸のように面積が広い部位ではさらに時間を要する場合があります。
少なくとも2〜3か月は続けたうえで判断してください。
薬と並行して日々の習慣を見直すと、治りかたが変わってきます。ガイドラインや文献の内容をもとに、実行しやすい形にまとめました。
こすり洗いについては、特に強調しておきたいところです。「汚れが残っているから治らない」と考えてごしごし洗う方が多いのですが、
繰り返しの機械的刺激そのものが悪化要因として文献に挙げられています。よかれと思って続けている習慣が、逆方向に働いているケースは少なくありません。
食事については、慎重な立場が主流になっています。乳製品の摂取量や高GI食との関連を示す報告はあるものの、
NICEガイドラインは特定の食事療法を支持する十分なエビデンスはないと述べ、極端な食事制限を推奨していません。
次のような状態なら、市販薬で粘るより皮膚科で相談したほうが早く進みます。
3つ目に当てはまる場合は、真菌による毛包炎の可能性を確認する必要があります。検査自体は簡単で、その場で顕微鏡を使って調べられる内容です。
最後の項目にも注意してください。集簇性ざ瘡と呼ばれる重症型は、若い男性に多く、顔だけでなく肩・背中・胸・上腕・臀部にまで及ぶことがあります。
NICEガイドラインは、集簇性ざ瘡や結節嚢腫性ざ瘡、診断がはっきりしない場合を専門医への紹介対象に挙げました。
背中と胸は、皮脂腺が多く、衣類の摩擦を受け、自分では見えず、跡が残りやすい。ニキビにとって不利な条件が幾重にも重なった部位です。
一方で、治療の考え方そのものは顔と変わりません。適切な薬を十分な期間続け、摩擦とこすり洗いを減らし、掻かないこと。この3つで多くのケースは改善へ向かっていきます。
そしてニキビだと思っていたら違ったが起こりやすいのも、この部位の大きな特徴でした。
長引く背中や胸のブツブツは、自己判断で市販薬を続けるより、一度皮膚科で診断をつけてから治療を始めるほうが結果的に近道になります。
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