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多汗症とは?原因・症状・何科を受診? 薬・漢方・ボトックス注射・手術まで医師が解説

「人よりも汗の量が多い」「手のひらが常に湿っていて紙が濡れてしまう」「緊張すると顔や脇から汗が止まらない」―このような悩みをお持ちの方は少なくありません。日常生活に支障をきたすほどの発汗がある場合、それは「多汗症」という治療の対象になる疾患である可能性があります。多汗症は珍しい病気ではなく、日本人の約5.75%(原発性局所多汗症)が罹患していると報告されており、決して体質だから仕方がないで片づけるべき症状ではありません。現在では塗り薬・飲み薬・注射・手術など治療選択肢が大きく広がり、症状や生活スタイルに合わせて選べる時代になっています。本記事では、多汗症とは何か、その原因、何科を受診すればよいか、そして薬・漢方・手術を含めた治し方について分かりやすく解説いたします。

この記事の要点

  • 多汗症のタイプと診断:原因疾患のない「原発性」と基礎疾患による「続発性」があり、手・足・脇・顔などに集中します。セルフチェックで2項目以上該当する場合は医療機関での相談が推奨されます。
  • 受診すべき診療科:第一選択は皮膚科です。ガイドラインに基づき、外用薬・内服薬・ボトックス注射・漢方薬・保険診療などの幅広い治療から最適なアプローチを提案できます。
  • 治療選択肢の充実:ワキボトックス注射(自費・保険適用)や抗コリン外用薬をはじめ、重症度に応じた段階的アプローチで症状を大きく改善することが可能です。

当院の特徴

REASON

多汗症や急な脇汗トラブルにも安心の土日祝日診療

土・日・祝も診療
年末年始も休まず対応

仕事帰りに通いやすい夜間診療で多汗症・ワキガ治療

平日21時まで
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全院 駅チカ
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手汗・足汗・脇汗など多汗症に対する専門的かつ的確な治療

形成外科・皮膚科
的確な治療

目次 [ 表示 ]

1. 多汗症とは?

多汗症(汗の悩み)のイメージ

多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて異常に多くの汗をかいてしまう状態を指します。医学的には、日常生活に支障をきたすほどの発汗が6か月以上続く場合に診断されます。汗は本来、体温を下げるための重要な生理反応ですが、多汗症では温度や運動と無関係に、あるいは軽度の刺激で大量の汗が出てしまうのが特徴です。

原発性多汗症と続発性多汗症

多汗症は大きく「原発性多汗症」と「続発性多汗症」の2つに分類されます。

原発性多汗症は、明らかな原因疾患がないのに特定の部位から汗が多く出るタイプで、患者数の大半を占めます。左右対称に生じ、若い頃(多くは25歳未満)から症状が始まり、睡眠中には発汗が止まるという特徴があります。

一方の続発性多汗症は、甲状腺機能亢進症、糖尿病、更年期障害、感染症、悪性腫瘍、薬剤性など、他の病気や要因が原因で全身性の発汗が起こるタイプです。この場合は原因となる疾患の治療が優先されます。

多汗症が現れやすい部位

原発性多汗症では、以下の部位に発汗が集中する傾向があります。

  • 手のひら(手掌多汗症):紙がふやける、スマートフォンが操作しにくい、握手や手をつなぐことに抵抗を感じる。
  • 足の裏(足底多汗症):靴下や靴の中が湿る、においが気になる、滑って転倒しやすい。
  • 脇の下(腋窩多汗症):衣類にシミができる、汗ジミが目立つ、においが気になる。
  • 顔・頭部(顔面多汗症):メイクが崩れる、額から汗が滴る、人前で恥ずかしい思いをする。

これらの症状は精神的なストレスや社会生活への支障を引き起こしやすく、単なる「汗っかき」とは区別して治療対象と考えるべきです。

原発性局所多汗症の診断基準(セルフチェック)

日本皮膚科学会のガイドラインでは、明らかな原因がなく次の症状が6か月以上続く場合、原発性局所多汗症と診断されます。以下の6項目のうち2項目以上に当てはまれば、専門医への相談をおススメします。

  1. 最初に症状が出たのが25歳以下である。
  2. 左右対称性に発汗がみられる。
  3. 睡眠中は発汗が止まっている。
  4. 1週間に1回以上、気温や環境に関係なく多汗のエピソードがある。
  5. 家族歴(家族に同じような症状の人がいる)がある。
  6. それらの発汗によって日常生活に支障をきたしている。

※特に⑥は重要です。生活や仕事、自分自身のメンタルに支障をきたす場合は早めに当院にご相談ください。セルフチェックはあくまで目安ですので、放置せず早めの医療機関受診が改善への近道となります。

2. 多汗症の原因

多汗症の原因は種類によって異なります。ここでは原発性・続発性それぞれの原因について整理します。

原発性多汗症の原因

原発性局所多汗症の明確な原因は現時点で完全には解明されていませんが、交感神経の過剰な反応が深く関わっていると考えられています。手のひら、足の裏、脇の下、顔面といった部位はエクリン汗腺が特に密集しており、これらの汗腺を支配する交感神経が何らかの理由で過敏に反応することで、必要以上の汗が分泌されます。

また、原発性多汗症の患者様の約3〜5割に家族歴があるとされ、遺伝的要因の関与や特定の遺伝子との関連も指摘されています。精神的緊張やストレスも症状を悪化させる引き金となり、人前に立つ場面や面接・試験などで発汗が増すのは交感神経の刺激によるものです。

続発性多汗症の原因

続発性多汗症は基礎疾患や外的要因によって引き起こされる全身性の発汗異常です。主な原因として次のようなものが挙げられます。

  • 内分泌疾患:甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、褐色細胞腫、先端巨大症など。
  • 代謝性疾患:糖尿病、低血糖、肥満。
  • 感染症:結核、感染性心内膜炎、慢性感染症など。
  • 神経疾患:パーキンソン病、脊髄損傷、自律神経障害。
  • 薬剤性:抗うつ薬、解熱鎮痛薬、ホルモン剤など。
  • 更年期障害:エストロゲン減少に伴うホットフラッシュ。
  • 悪性腫瘍:リンパ腫など。

全身性の多汗、寝汗を伴う発汗、急に始まった発汗、体重減少や発熱を伴う場合は続発性を疑い、まず基礎疾患のチェックが必要です。

3. 多汗症は何科を受診すべき?病院選びのポイント

「多汗症は何科に行けばよいのか?」というのは最もよくいただく質問の一つです。基本的には、まず皮膚科の受診をおススメいたします。

皮膚科が第一選択となる理由

多汗症は汗腺と皮膚の症状を中心とする疾患であり、皮膚科は塗り薬・飲み薬・ボトックス注射など多汗症治療の主要な治療法を網羅しています。日本皮膚科学会からも「原発性局所多汗症診療ガイドライン」が公表されており、皮膚科医が多汗症診療の中心的な役割を担っています。

皮膚科では、汗の量の測定(重量法など)、発汗部位の確認、日常生活への支障の程度を評価したうえで症状に合った治療を提案します。保険適用される治療も多く、経済的な負担を抑えながら治療が受けられます。

他の診療科を検討するケース

  • 全身性の多汗や寝汗、発熱、体重減少などがある場合:内科・内分泌内科(甲状腺・糖尿病などの基礎疾患を確認)
  • 胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)などの手術を検討する場合:呼吸器外科・胸部外科
  • 精神的なストレスや不安が症状の主因と考えられる場合:心療内科・精神科と皮膚科の併診
  • 小児の多汗症:小児科または小児皮膚科

病院選びで見るべきポイント

多汗症の治療実績がある病院・クリニックを選ぶことが重要です。ホームページで「多汗症外来」「発汗異常」の記載があるか、外用薬・内服薬・ボトックス注射など複数の治療選択肢を扱っているかを確認しましょう。保険適用の可否や費用の目安も事前に確認しておくと安心です。

4. 多汗症の治療・治し方

多汗症の治し方は一つではありません。症状の部位、重症度、生活スタイル、副作用への許容度に合わせて段階的に組み合わせていきます。ガイドラインでは「第一段階:外用薬」「第二段階:イオントフォレーシス・ボトックス注射」「第三段階:内服薬」「第四段階:手術療法」といった段階的アプローチが推奨されています。

① 塗り薬(外用薬)による治療

多汗症治療の第一選択です。副作用が全身に及びにくく局所的に使えるのが利点です。

■ 塩化アルミニウム外用薬
20〜50%濃度の塩化アルミニウム水溶液を発汗部位に塗布し、汗腺の開口部を物理的に閉塞させて発汗を抑えます。手・足・脇など幅広く使用可能です。皮膚刺激感やかゆみが出ることがあるため、就寝前に塗布し翌朝洗い流すなどの工夫を行います。

■ 抗コリン外用薬(ソフピロニウム臭化物・グリコピロニウムトシル酸塩など)
原発性腋窩多汗症(脇汗)を対象とした保険適用の新しい塗り薬です。アセチルコリンの働きをブロックし、1日1回の塗布で発汗を抑えます。塗布部位の皮膚炎や目の調節障害などの副作用に注意し、緑内障や前立腺肥大症の方は事前相談が必要です。

② 飲み薬(内服薬)による治療

外用薬で十分な効果が得られない場合や、複数部位に症状がある場合に検討されます。

■ 抗コリン薬(プロパンテリン臭化物など)
保険適用のある内服薬で、神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑えて全身の発汗を減らします。口の渇き、便秘、尿が出にくい、目のかすみ、動悸などの副作用が出る可能性があるため少量から開始します。

■ β遮断薬・抗不安薬
緊張場面(プレゼン、面接など)で局所的に酷く発汗する場合、交感神経の過剰反応を抑える頓服薬として用いられることがあります。

③ 漢方薬による治療

東洋医学的に体質改善や自律神経の乱れを整える目的で併用されます。以下の処方が代表的です。

  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):色白でぽっちゃり型、疲れやすく汗をかきやすい方に。
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):のぼせ・イライラを伴う顔面多汗症や更年期症状に。
  • 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう):ストレスや緊張による発汗、不眠・不安に。
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)・桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう):体力の低下や寝汗に。

④ ボトックス注射(ボツリヌス治療)

アセチルコリンの放出を抑えて汗腺をブロックする治療です。効果は注射後2〜7日で現れ、4〜9か月程度持続します。

■ ワキ汗治療の仕組み(エクリン腺とアポクリン腺)

皮膚構造とエクリン汗腺・アポクリン汗腺の位置図解イラスト

多汗症の原因となる「エクリン腺」と、ワキガ(腋臭症)の原因となる「アポクリン腺」のうち、ボトックスは主にエクリン腺の働きをブロックします。ワキを乾燥状態に保つことで雑菌の繁殖を防ぎ、汗の量だけでなく匂いの軽減にもつながります。

■ 当院のワキボトックス料金・特長
当院では自費診療と保険診療の両方に対応しております。

  • 自費診療(両ワキ):39,800円(税込/初診料等一切なし)
  • 保険適用(重症原発性腋窩多汗症):両ワキで2万円程度(3割負担)

※施術は極細針を使用し冷却を行い痛みを最小限に抑えます。効果は3〜4か月持続するため、夏本番前の6月頃からの開始が特におすすめです。

⑤ 手術・機器による治療

  • マイクロ波治療(ミラドライ等):皮膚表面からマイクロ波を照射し汗腺を熱破壊する切らない治療(主に自費診療)。
  • 胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS):手掌多汗症に対する手術。高い効果がありますが代償性発汗(他の部位の汗が増える)のリスクがあります。
  • 外科的手術(剪除法など):脇の汗腺を直接除去する手術。

5. 日常生活での対策・セルフケア

医療機関での治療と並行して、日常のセルフケアを行うことで快適性が向上します。

  • 通気性のよい衣類・靴を選ぶ:綿や麻など天然素材の下着や通気性の良い靴を選び蒸れを防ぎます。
  • 汗取りパッド・インソールの活用:衣類や靴への汗ジミ・ダメージを防ぎます。
  • 刺激物を控える:辛い食べ物、カフェイン、アルコールは交感神経を刺激して発汗を促すため過剰摂取を避けます。
  • ストレスマネジメント:深呼吸、適度な運動、十分な睡眠で自律神経のバランスを整えます。
  • 皮膚を清潔に保つ:汗をかいたらこまめに拭き取り、雑菌繁殖やニオイ・肌トラブルを予防します。

6. 多汗症についてよくある質問(FAQ)

Q1. 多汗症は自然に治りますか?

原発性多汗症の場合、思春期に発症して成人以降も症状が続くケースが大半で、自然に完治することはまれです。年齢とともに軽減することもありますが、生活に支障がある場合は放置せず早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

Q2. 多汗症の治療は保険適用ですか?

原発性局所多汗症の重症例には、多くの治療(塗り薬、飲み薬、重症腋窩多汗症へのボトックス注射、一部の手術)が保険適用となります。なお、ミラドライなどの一部機器治療や軽度の自費ボトックス等は自由診療となります。

Q3. 市販の制汗剤で改善しますか?

軽度の発汗であれば市販制汗剤で対応できることもありますが、日常生活に支障をきたすレベルの場合、市販品では濃度や成分上、効果が不十分なことが多いです。数か月試しても効果がない場合は皮膚科をご受診ください。

Q4. 手術を受ければ完全に治りますか?

胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)は手汗に非常に高い効果がありますが、代償性発汗という副作用のリスクがあります。手術は完治を保証するものではなく、リスクとメリットを十分に理解した上で選択すべき治療です。

Q5. 子どもでも治療できますか?

小児の多汗症も治療対象となります。安全性の高い塗り薬などから開始し、年齢や重症度に応じて治療法を選択していきますので小児科・皮膚科医にご相談ください。

7. 当院での多汗症治療・まとめ

多汗症は「体質」として我慢するものではなく、適切な診断と治療によって症状を大きく改善できる疾患です。当院では自費診療のワキボトックス注射(両ワキ39,800円・税込)と、保険適用のワキ汗治療(両ワキボトックス注射は約2万円)の両方に対応しております。汗による悩みや日常生活での支障を感じている方は、一人で悩まずお気軽に当院までご相談ください。

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【データ出典・参考文献】

日本皮膚科学会 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023年改訂版に基づき記載

8. この記事の監修・執筆医

多汗症の監修・執筆:医療法人社団涼美会 理事長 関口知秀医師

医療法人社団涼美会 理事長

関口 知秀

一般皮膚科から形成外科日帰り手術、美容皮膚科まで幅広く診療。「再発させない根本治療」と丁寧な診察を重視し、多汗症・ワキガなどのデリケートなお悩みに対し、保険診療・自費診療問わず適切なアプローチを提案。新宿・渋谷の3拠点にて、土日祝日も夜間まで診療を行っている。

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※本ページはれいわクリニックの医師が監修しています。

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