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精巣腫瘍
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精巣腫瘍とは?種類・原因・症状・治療法や手術について解説

新宿・渋谷周辺で精巣の症状についてご相談の方へ

精巣(睾丸)が硬くなっていたり、腫れていたり、何となく重みが増した気がするといった症状に気づいた場合、精巣腫瘍という病気が隠れていることがあります。
精巣腫瘍は決して頻度の高い病気ではありませんが、20代から30代の若い男性に発生するがんの中では比較的多く、若い世代こそ知っておきたい病気のひとつです。
この記事では、精巣腫瘍の種類や原因、症状、検査、治療法について詳しく解説します。

この記事の要点

  • 精巣腫瘍の種類:精巣腫瘍には大きく分けてセミノーマと非セミノーマがあり、腫瘍の種類によって治療方針が異なります。
  • 主な症状:精巣の腫れや硬いしこり、精巣の大きさの変化、重苦しい感じなどがみられることがあります。痛みを伴わない場合もあります。
  • 治療方法:精巣腫瘍が疑われる場合は、基本的に腫瘍のある側の精巣を摘出する手術を行い、病理検査の結果や病期に応じて経過観察、抗がん剤治療、放射線治療などを検討します。
  • 早期発見が重要:精巣の腫れや硬さなど、普段と違う変化に気づいた場合は、放置せず早めに泌尿器科を受診することが大切です。

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精巣腫瘍とは

精巣腫瘍とは、精巣にできる腫瘍のことで、その多くが悪性、つまりがんです。
精巣の中で精子のもとになる細胞(胚細胞)から発生するタイプがほとんどを占めており、大きく分けてセミノーマというタイプと、それ以外の非セミノーマというタイプに分類されます。
この分類は、今後どのような治療が適しているかを考えるうえで、とても重要な意味を持ちます。 精巣腫瘍の特徴として、比較的進行が早いことが挙げられます。

しこりや腫れに気づいてから数週間から数か月の単位で大きくなっていくこともあり、進行するとお腹の奥にあるリンパ節(後腹膜リンパ節)や肺などに転移してしまうこともあります。
一方で、決して悲観するような病気ではありません。精巣腫瘍は抗がん剤や放射線治療がよく効くがんとして知られており、たとえ転移がある状態で見つかったとしても、
治療によって高い確率で治癒が期待できるがんのひとつです。だからこそ、早期に気づいて、正確な診断と適切な治療につなげることがとても大切になります。

なお、精巣が腫れる、大きくなるという症状は、精巣腫瘍以外にも、精巣の周りに水がたまる陰嚢水腫や、精巣上体の炎症など、他の病気でも起こることがあります。
自己判断で痛みがないから大丈夫と決めつけず、しこりや腫れ、左右差に気づいた場合には、一度泌尿器科を受診することをおすすめします。

また、精巣腫瘍の中には、hCGというホルモンに似た物質を分泌するタイプがあり、その影響で胸が張る、乳房が少し膨らんでくる(女性化乳房)といった、
一見精巣とは関係のなさそうな症状が現れることもあります。こうした症状も、精巣腫瘍のサインのひとつとして知っておいていただきたい点です。

精巣腫瘍の原因

精巣腫瘍がなぜ発生するのか、はっきりとした原因はまだ完全には解明されていません。
ただし、発生しやすくなる要因として、いくつかのことが知られています。
一つは、生まれつき精巣が陰嚢の中まで下りてきていない状態である停留精巣の既往がある場合です。

停留精巣の手術を受けたことがある方は、そうでない方に比べて精巣腫瘍が発生しやすいとされており、
手術後も長期的に経過を見ていくことが望ましいとされています。

また、片方の精巣に腫瘍ができたことがある方は、もう片方の精巣にも腫瘍ができやすい傾向があることが知られています。
その他、血縁者に精巣腫瘍にかかった方がいる場合にも、発生しやすさに関係すると考えられています。
発生する年齢層にも特徴があり、精巣腫瘍は20代から30代の性成熟期にある男性に多く発生します。

この年代の男性における悪性腫瘍の中で、精巣腫瘍は最も頻度の高いものとされています。
もちろん、小児期や中高年になってから発生することもあり、年齢を問わず注意が必要な病気です。

精巣腫瘍の診断

精巣腫瘍が疑われる場合、まず医師による視診・触診が行われます。精巣の大きさや硬さ、左右差、表面の凹凸などを確認します。
日頃から自分で精巣を触って確認する習慣をつけておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。
簡単な診察の後に超音波検査が行われます。痛みを伴わず、体への負担が少ない検査でありながら、精巣の中に腫瘍があるかどうか、
陰嚢水腫や精巣上体炎など他の病気との区別をつけるのに役立ちます。

精巣腫瘍の診断では、血液検査で調べる腫瘍マーカーが重要な役割を果たします。
代表的なものに、AFP(アルファフェトプロテイン)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、LDH(乳酸脱水素酵素)の3つがあります。
これらは、腫瘍のタイプによって上昇するものが異なり、たとえばセミノーマではhCGのみが上昇することがある一方、非セミノーマではAFPが上昇することが多いなど、
腫瘍の性質を推測する手がかりになります。

また、これらの数値は治療の効果を確認したり、治療後の再発をチェックしたりするうえでも継続的に測定される、大切な指標です。
精巣そのものの状態だけでなく、がんがどの程度広がっているか(病期・ステージ)を確認するために、胸部から骨盤にかけてのCT検査が行われます。

とくに、後腹膜(お腹の奥、背骨の周りのあたり)にあるリンパ節への転移の有無は、治療方針を決めるうえで重要な情報になります。
必要に応じて、MRI検査や、全身のがんの活動性を調べるPET-CT検査が追加されることもあります。
これらの検査結果と腫瘍マーカーの値を組み合わせて、国際的な基準(IGCCC分類)にもとづき、予後(治療後の見通し)を良好・中間・不良の3段階に分類します。
この分類は、その後の治療方針、特に抗がん剤治療の強さを決めるうえで、非常に重要な役割を果たします。

また、精巣腫瘍がどの程度広がっているかは、大きく3つの病期に分けて考えます。がんが精巣の中にとどまっている段階をステージI、後腹膜のリンパ節に転移がみられる段階をステージII、
それより遠くの肺や肝臓などの臓器にまで転移がみられる段階をステージIIIと呼びます。ステージIIは更に、転移したリンパ節の大きさによって細かく分けられ、
この大きさが治療方針を決めるうえでの目安のひとつになります。

精巣腫瘍の治療

精巣腫瘍と診断された場合、まず行われるのが、腫瘍のある側の精巣を手術で摘出する治療です。足の付け根(鼠径部)を切開して精巣を摘出する方法がとられ、
陰嚢そのものを切開することは基本的にありません。これは、陰嚢を切開してしまうと、がん細胞が広がるリスクが高まる可能性があるためです。
摘出した精巣を顕微鏡で調べることで、セミノーマか非セミノーマか、腫瘍の性質を正確に確認します。

この手術のあとの治療方針は、腫瘍のタイプや病期、先ほどのIGCCC分類による予後によって大きく変わってきます。
早期(ステージI)の場合 がんが精巣にとどまっている早期の段階では、手術のみで経過を観察していく方針が、近年ではより広く選択されるようになっています。
以前は再発を防ぐ目的で、放射線治療や抗がん剤治療を追加することも行われていましたが、経過観察を行っても、再発した際に改めて治療をすれば同程度の治療成績が得られることが分かってきたためです。ガイドラインの改訂にともない、追加の治療を行わず、定期的な診察と検査でしっかり経過を見ていく方針が推奨されるようになっています。
お腹の奥のリンパ節に転移がみられる段階になると、腫瘍のタイプによって治療方針が分かれます。

セミノーマで転移した腫瘍の大きさが比較的小さい場合には、放射線治療が選択されることがあります。
放射線は、後腹膜からリンパ節が広がりやすい骨盤の方向にかけて、広めの範囲に照射されるのが特徴です。
転移巣が大きい場合や、非セミノーマの場合には、抗がん剤による全身化学療法が中心となります。
なお、放射線治療は精巣腫瘍によく効く一方で、治療から長い年月が経ったあとに、まれに別のがん(二次がん)が発生するリスクがわずかに高まることも分かっています。
そのため、近年では、必要以上に広い範囲へ照射を行わず、本当に効果とリスクのバランスが取れる場合に限定して放射線治療を選択する、という考え方が広まってきています。
精巣腫瘍の抗がん剤治療で標準的に用いられるのが、3種類の薬剤を組み合わせたBEP療法という治療法です。

この治療は精巣腫瘍によく効くことが分かっており、進行した状態でも高い確率で治癒が期待できます。予後が良好なタイプでは3コース、中間から不良なタイプではより多くのコースが行われるのが一般的です。
使用する薬剤の中に、肺に影響が出ることがある薬剤が含まれているため、肺の機能に不安がある方などでは、その薬剤を使わない別の組み合わせ(EP療法やVIP療法)が選択されることもあります。
治療の効果が乏しい場合や再発した場合には、より強力な抗がん剤治療(大量化学療法)や、別の薬剤を組み合わせた救済化学療法が検討されることもあります。
どの治療も、体への負担と治療効果のバランスを考えながら、専門的な判断のもとで進められていきます。

治療がひと段落したあとも、再発がないかを確認するために、腫瘍マーカーの血液検査や画像検査を用いた長期的な経過観察が続けられます。
精巣腫瘍は治療後何年も経ってから再発することもあるため、根気強く通院を続けていただくことが、治癒を確実なものにするために重要です。

精巣腫瘍に関するよくある質問

Q. 精巣腫瘍と診断されたら、必ず精巣を摘出するのでしょうか?

精巣腫瘍が疑われる場合、基本的には腫瘍のある側の精巣を摘出する手術が行われます。摘出した精巣を病理検査で詳しく調べることで、セミノーマか非セミノーマかなど、腫瘍の種類を確定します。その結果や病期などをもとに、その後の治療方針が決められます。

Q. 精巣腫瘍の手術では、陰嚢を切開しますか?

一般的には陰嚢ではなく、足の付け根にあたる鼠径部を切開して精巣を摘出します。陰嚢を切開すると、腫瘍細胞が周囲に広がる可能性があるためです。手術方法については、腫瘍の状態などを確認したうえで医師が判断します。

Q. 精巣を1つ摘出すると、妊娠することはできますか?

健康なもう一方の精巣が残っていれば、精子の産生や男性ホルモンの分泌が維持されることが多くあります。ただし、抗がん剤治療などによって妊よう性に影響が出る場合もあります。将来的に妊娠を希望する場合は、治療前に精子凍結保存について医師に相談することが大切です。

Q. 精巣を摘出すると、男性ホルモンはなくなってしまいますか?

片側の精巣を摘出した場合、もう一方の精巣が正常に機能していれば、男性ホルモンの分泌は維持されることが多いです。ただし、両側の精巣を摘出した場合などには、男性ホルモンが不足するため、ホルモン補充療法が検討されることがあります。

Q. 精巣腫瘍は手術だけで治ることがありますか?

がんが精巣にとどまっているステージIでは、精巣摘除術後に追加の治療を行わず、定期的な検査で経過観察する場合があります。ただし、腫瘍の種類や再発リスクなどによっては、抗がん剤治療などを追加することもあります。治療方針は、病理検査や画像検査などの結果をもとに判断されます。

Q. 精巣腫瘍では、どのような抗がん剤を使いますか?

精巣腫瘍の代表的な化学療法として、ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチンの3種類を組み合わせたBEP療法があります。病状や全身状態によっては、ブレオマイシンを使用しないEP療法や、VIP療法などが選択されることもあります。

Q. 精巣腫瘍は再発することがありますか?

精巣腫瘍は再発する可能性があります。そのため、治療がひと段落したあとも、腫瘍マーカーの血液検査やCTなどの画像検査を行い、再発や転移がないかを確認します。治療後しばらく経ってから再発することもあるため、医師の指示に従って定期的な経過観察を続けることが重要です。

Q. 精巣腫瘍の治療前に、精子を保存したほうがいいですか?

抗がん剤治療や放射線治療によって、精子をつくる機能が低下することがあります。将来的に妊娠を希望する場合は、治療開始前に精子凍結保存について医師に相談することが大切です。治療内容や今後の妊よう性への影響について、治療を始める前に確認しておきましょう。

まとめ

精巣腫瘍は、20代から30代の男性にもっとも多くみられるがんであり、進行が比較的早いという特徴がある一方で、
抗がん剤治療や放射線治療がよく効き、早期に発見し適切な治療を受ければ高い確率で治癒が期待できる病気です。
精巣のしこりや腫れ、硬さの変化、左右差などに気づいた際には、痛みがないからと様子を見てしまわず、できるだけ早く泌尿器科を受診することが大切です。
若い方のデリケートな部位の病気ですが、異変に気が付いた場合は躊躇せず相談しましょう。早期発見と、専門医による正確な診断・病期分類にもとづいた治療が、良好な経過につながります。

【データ出典・参考文献】

  • 加藤陽一郎:臨床泌尿器科 71巻4号 p.507-(2017年4月増刊):精巣腫瘍

  • 中村清直:臨床泌尿器科 78巻7号 p.462-465(2024年6月):精巣腫瘍の放射線治療の位置づけ
  • 原勲:臨床泌尿器科 78巻7号 p.452-461(2024年6月):精巣腫瘍の薬物療法(全身化学療法)の進歩

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この記事の監修・執筆医

膀胱癌治療の監修・執筆:医療法人社団涼美会 理事長 関口知秀医師


医療法人社団涼美会 理事長

関口 知秀

過活動膀胱や頻尿などの一般泌尿器科診療をはじめ、性感染症(性病)検査・治療、前立腺疾患や泌尿器がんの早期発見まで幅広く対応。
患者様一人ひとりの症状や生活背景に寄り添い、丁寧な診察とわかりやすい説明を大切にしています。
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