尿道炎の原因は、性感染症によるものとそれ以外に大きく分かれます。頻度としては性感染症が圧倒的に多く、なかでも淋菌とクラミジアが二大原因です。
淋菌感染症(淋病)
淋菌という細菌によって起こる性感染症です。潜伏期間は2〜5日と短く、感染の機会から1週間以内に症状が出るケースがほとんどを占めます。
男性では黄緑色の膿が多量に出て、強い排尿痛をともないます。淋菌はのどや直腸にも感染するため、オーラルセックスやアナルセックスでもうつります。
クラミジアとの重複感染も多く、淋菌が見つかった場合はクラミジアの検査と治療が同時に検討されます。
クラミジア感染症
クラミジア・トラコマティスという病原体による感染症で、性感染症のなかでもっとも報告数が多いことで知られます。
潜伏期間は7〜14日程度と淋菌より長いため、いつの性交渉が原因か特定しづらいという難しさがあります。症状は軽く、無症状で経過することも珍しくありません。
淋菌より分泌物の量が少なく、色も透明から白っぽい程度にとどまります。そのため気づかないまま長期間持ち越し、パートナーへうつしてしまう事例が後を絶ちません。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症
マイコプラズマ・ジェニタリウムは、クラミジアに次いで多い尿道炎の原因菌で、男性の非淋菌性尿道炎のうち15〜25%を占めると報告されています。
症状はクラミジアと似ていますが、抗菌薬が効きにくい株が増えており、治療が長引く原因としても注目されています。
ウレアプラズマは、他の原因が見つからない尿道炎で検討される病原体です。一般的な検査セットに含まれないこともあるため、
症状が続くのに異常なしと言われた場合は、これらの検査が済んでいるかを確認してみてください。
細菌性尿道炎
性感染症の病原体以外でも、大腸菌をはじめとする一般細菌が尿道に入り込んで炎症を起こします。カテーテルの使用後や、
アナルセックスで腸内細菌が持ち込まれた場合などが該当します。オーラルセックスを介して、口の中にいるインフルエンザ菌が尿道炎を起こす例も報告されています。
亀頭包皮炎
亀頭と包皮に炎症が起きる病気で、分泌物が包皮の内側にたまると、尿道から出た膿と見分けがつきにくくなります。
原因としてはカンジダという真菌がもっとも多く、包茎の方に起こりやすい傾向があります。亀頭の発赤や白いカスの付着があれば、尿道炎ではなくこちらが疑われます。
繰り返す場合は、糖尿病が隠れていないかを調べることが推奨されています。血糖が高いとカンジダが増えやすくなるためです。
その他の原因
感染以外でも尿道に炎症は起こります。
- 自転車やバイク、乗馬などによる会陰部への圧迫
- きつい下着や衣類による摩擦
- 石鹸、ボディソープ、殺精子剤などによる刺激
- カテーテル挿入や器具操作にともなう物理的な損傷
- トリコモナス、ヘルペスウイルス、アデノウイルスなどの感染
ヘルペスの場合は強い痛みと水ぶくれ、アデノウイルスの場合は結膜炎や風邪症状をともなうことが多く、これらが診断の手がかりになります。