目次 [ 表示 ]
医療法人社団涼美会 理事長
新宿・渋谷の泌尿器科 | れいわクリニック
Care & Treatment治療について
陰のうの痛み・腫れでお悩みの方へ
「陰のうが急に痛くなった」「片側だけ腫れている」「発熱もある」とお悩みではありませんか。
精巣上体炎は、細菌感染などによって精巣上体に炎症が起こる病気です。放置すると重症化することもあり、緊急手術が必要な精巣捻転との見分けも重要です。陰のうの痛みや腫れを感じた場合は、早めに泌尿器科を受診しましょう。
目次 [ 表示 ]
精巣上体は、精巣を構成する器官の1つで、副睾丸とも呼ばれます。
最大10億ほどの精子が貯蔵できると考えられており、精子を精巣から精管へ輸送する働きをしています。
三角錐のような形をしており、頭部・体部・尾部に区分され、精巣の上部から後方にかけて密接するように位置しており、後方で精管とつながっています。
運動性を持たない未成熟な状態の精子が精巣から運ばれ、隣接する精巣上体に蓄えられ、そこで成熟しつつ射精の瞬間を待つことになります。
精巣上体炎は、その精巣上体に炎症が起こる病気で、陰のうの炎症性疾患の中で最も多くみられます。
泌尿器科を受診する患者さんの約1~2%を占める比較的頻度の高い病気で、突然発症する急性精巣上体炎と、症状が長く続く慢性精巣上体炎に分けられます。
まずは急性精巣上体炎について説明します。
原因のほとんどは細菌感染です。多くの場合、尿道や前立腺などにいる細菌が精管を通って精巣上体へ広がる上行性感染によって発症します。血液やリンパの流れによって感染することはまれです。
原因となる細菌は年齢によって異なることが特徴です。35歳以下の若い男性では、クラミジアや淋菌などの性感染症・尿道炎が主な原因となる一方、35歳以上では大腸菌などの尿路感染症の細菌が多くみられます。
また、小児では細菌が検出されないことが多く、全身性のウイルス感染症による炎症が精巣上体に波及することが原因と考えられています。
小児で細菌が検出される場合には、尿路に奇形を伴うことが多いとされており、別途詳しい検査が必要となります。
尿路感染を起こすきっかけとしては、前立腺肥大症や尿道狭窄などによる排尿障害、尿道カテーテルの留置、尿路内視鏡検査や前立腺炎などが挙げられます。
また、まれではありますが、結核菌やその他の特殊な細菌・真菌による感染、ウイルス感染後の炎症、ベーチェット病などの自己免疫疾患、薬剤が原因となることもあります。
精巣上体炎では、片側の陰のうの痛みや腫れ、発熱が急に現れ、1~2日かけて症状が強くなることが特徴です。
炎症が進行すると、精巣上体の腫れが精巣にも及び、両者の境目が分かりにくくなることがあります。
また、炎症がもう片方の精巣へ波及し、両側の陰のうに痛みや腫れがみられるようになります。
皮膚に炎症が広がると、発赤やむくみが出現することもあります。痛みは鼠径部や下腹部へ広がることもあり、発熱や全身のだるさ、頻尿、排尿時の痛み、血尿などの症状を伴うことがあります。
症状がひどい場合は疼痛のために歩行困難となることもあります。
血液検査では白血球やCRPが上昇することが多く、クラミジアが原因の場合は細菌感染に比べて症状や発熱、炎症反応が比較的軽い傾向があります。
診断で最も重要なのは、緊急手術が必要となる精巣捻転と見分けることです。精巣捻転は突然強い痛みで発症し、発熱や尿検査異常、炎症反応が目立たないことが多い病気です。
診察では、太ももの内側を刺激すると精巣が持ち上がる精巣挙筋反射を確認します。精巣上体炎ではこの反射が保たれていることが多い一方、精巣捻転では消失していることが多くみられます。
以前は精巣を持ち上げると痛みが軽くなるPrehn徴候が鑑別に用いられていましたが、現在では信頼性は高くないと考えられています。
超音波検査は、精巣捻転との鑑別に最も有用な検査です。カラードプラ法で血流を確認すると、精巣上体炎では炎症によって精巣上体の血流が増加していることが多く、
精巣捻転では精巣への血流が著しく低下、あるいは途絶していることが特徴です。
また、原因となる細菌を調べるために、尿検査や尿培養を行います。若い方や性感染症が疑われる場合には、クラミジアや淋菌を調べるPCR検査を追加することもあります。
精巣上体炎と似た症状を起こす病気には、精巣捻転のほか、精巣垂捻転、急性精巣炎、結核性精巣上体炎、精巣外傷、精巣腫瘍などがあります。
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)のあとに起こる急性精巣炎や、結核による精巣上体炎、まれに痛みを伴う精巣腫瘍などもあるため、症状だけで自己判断することは危険です。
急性精巣上体炎の治療は、原因となる細菌に対する抗菌薬の投与が基本です。
症状や年齢、感染経路を考慮して治療を開始し、できるだけ早く炎症を抑えることが重要です。
日本では、軽症~中等症ではニューキノロン系抗菌薬の内服が第一選択となることが多く、通常は約14日間治療を行います。
重症例では入院のうえ、点滴による抗菌薬で治療を開始し、細菌培養の結果に応じて適切な薬へ変更します。治療期間は14~21日程度が目安です。
治療を始めると痛みは数日で軽くなることが多いものの、腫れや違和感が完全に改善するまでには2~4週間かかる場合があります。
抗菌薬に加えて、安静、陰嚢を持ち上げるように支える下着の着用、患部の冷却、痛み止めなどの支持療法を行うことで、症状の改善を促します。
ほとんどの患者さんは外来で治療できますが、38℃以上の高熱、強い炎症反応、糖尿病などの基礎疾患がある方、
高齢者、膿瘍や敗血症が疑われる場合、嘔吐で内服できない場合、外来治療で改善しない場合は、重症化のリスクがあるため入院治療が必要になります。
また、原因に応じた対応も重要です。若い方ではクラミジアや淋菌などの性感染症が原因となることが多いため、パートナーの検査・治療や、治療が終了するまで性行為を控えることが勧められます。
一方、50歳以上では前立腺肥大症などの排尿障害、小児では尿路の先天的な異常が背景にあることもあるため、必要に応じて詳しい検査を行います。
抗菌薬が効きにくい場合には、結核性精巣上体炎など特殊な感染症が隠れていることもあり、追加検査や専門的な治療が必要になることがあります。
適切な治療を受ければ多くは改善しますが、治療が遅れると精巣膿瘍、敗血症、不妊症などの重い合併症につながることがあります。陰嚢の痛みや腫れ、発熱がある場合は、早めに泌尿器科を受診しましょう。
精巣上体炎・陰のうの痛みの診察対応
陰のうの痛みや腫れ、発熱などの症状がある場合は、
精巣上体炎の可能性があります。
精巣上体炎は抗菌薬による早期治療が重要です。
また、緊急手術が必要な精巣捻転との鑑別も必要なため、
症状がある場合はお早めに泌尿器科へご相談ください。
最後に、慢性精巣上体炎について説明します。慢性精巣上体炎とは、精巣上体の痛みや違和感、しこりが3か月以上続く状態を指します。
急激な痛みや高熱を伴う急性精巣上体炎とは異なり、症状は比較的軽いものの長期間続くことが特徴です。痛みがある場合もあれば、しこりだけで痛みを感じないこともあります。
精巣上体の尾部にしこりを触れることが多く、軽い痛みや違和感が続くことがあります。日常生活に大きな支障はないものの、長期間症状が続くことで不安を感じる患者さんも少なくありません。
原因としては、急性精巣上体炎が完全に治りきらず慢性化したものが多く、細菌感染が背景にあることがあります。
また、外傷や精路の閉塞、精管切除術(パイプカット)後に起こる精子侵襲症(精子肉芽腫)も慢性精巣上体炎の原因の一つです。
これは精管から漏れ出た精子に対して体が炎症反応を起こし、精巣上体にしこりや痛みを生じる状態です。
一方で、急性精巣上体炎と同じように、慢性精巣上体炎と似た症状を示す病気もあるため注意が必要です。
結核性精巣上体炎、精液瘤、精巣上体腫瘍などが鑑別診断として重要で、超音波検査や必要に応じて追加検査を行い、正確な診断を行います。
痛みやしこりが長期間続く場合は、様子を見れば治るだろうと放置せず、泌尿器科を受診して原因を確認することが大切です。
適切な診断を受けることで、必要な治療や経過観察につなげることができます。
精巣上体炎を始めとした尿路感染症は、抗菌薬で治療しても原因となる排尿のトラブルが改善されていないと再発を繰り返すことがあります。
そのため、感染を治すだけでなく、排尿状態を評価して再発の原因を取り除くことが大切です。
特に、前立腺肥大症や膀胱機能の低下などによって尿が膀胱内に残る残尿が多いと、細菌が増殖しやすくなり、尿路感染症を起こしやすくなります。
残尿が多い方では、排尿をスムーズにする治療を行うことで、尿路感染症の再発を減らせる可能性があります。
男性の前立腺肥大症では、前立腺や尿道の緊張を和らげて尿の通りを改善する薬(α1遮断薬)や、前立腺が大きい場合には前立腺を小さくする薬(5α還元酵素阻害薬)、PDE5阻害薬などが用いられます。
また、排尿機能のトレーニングや骨盤底筋訓練・バイオフィードバック療法によって排尿が改善し、尿路感染症の再発が減少したという報告もあります。
薬による治療を行っても、残尿が非常に多い(200mL以上など)場合や、尿路感染症を何度も繰り返す場合には、清潔間欠導尿(必要な時だけ細いカテーテルで排尿する方法)を検討することがあります。
この方法が難しい場合は、尿道カテーテルを留置し続けることを考えなければいけません。
一方で、尿道カテーテルを長期間留置する方法は、尿路感染症だけでなく膀胱結石や血尿、尿道損傷などの原因にもなるため、できるだけ避けることが望ましいとされています。
尿路感染症を何度も繰り返す場合は、抗菌薬を飲めば治ると考えるだけではなく、なぜ感染を繰り返すのかを調べることが重要です。
排尿障害や前立腺肥大症、尿路結石などの背景疾患を適切に治療することで、再発予防につながる可能性があります。
再発を繰り返している方は、一度泌尿器科で詳しい検査を受けることをおすすめします。
精巣上体炎は自然に治ることはあまり期待できません。多くは細菌感染が原因のため、抗菌薬による治療が必要です。放置すると膿瘍や敗血症、不妊症などの合併症を起こすことがあるため、陰のうの痛みや腫れ、発熱がある場合は早めに泌尿器科を受診しましょう。
精巣上体炎そのものが人にうつることはありません。ただし、クラミジアや淋菌などの性感染症が原因の場合は、性行為によってパートナーへ感染する可能性があります。性感染症が疑われる場合は、パートナーも検査・治療を受けることが大切です。
抗菌薬による治療を開始すると痛みは数日で改善することが多いですが、腫れや違和感が完全に改善するまでには2~4週間ほどかかる場合があります。症状が軽くなっても自己判断で薬を中止せず、医師の指示どおり最後まで服用しましょう。
どちらも陰のうの痛みや腫れを起こしますが、精巣捻転は緊急手術が必要となる病気です。症状だけで見分けることは難しいため、突然の強い陰のうの痛みがある場合は、できるだけ早く泌尿器科を受診しましょう。
前立腺肥大症などの排尿障害や尿路感染症、性感染症などの原因が改善されていない場合は、精巣上体炎を繰り返すことがあります。再発を防ぐためには、原因となる病気の治療や定期的な経過観察が重要です。
精巣上体炎が疑われる場合は、泌尿器科を受診しましょう。陰のうの強い痛みや急な腫れは、緊急手術が必要な精巣捻転の可能性もあるため、自己判断せず早めに医療機関を受診することが大切です。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11:00-14:00 | ● | 休 | ● | ● | 休 | ◯ | ◯ |
| 16:00-21:00 | ● | 休 | ● | ● | 休 | ◯ | ◯ |
◯ 10:00-14:00 16:00-20:00
※当院は完全予約制ではございません。初診の方もご予約なしでの診察可能です。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11:00-14:00 | ● | ● | ● | 休 | ● | ◯ | ◯ |
| 16:00-21:00 | ● | ● | ● | ● | ● | 〇 | ◯ |
◯ 10:00-14:00 16:00-20:00
※当院は完全予約制ではございません。初診の方もご予約なしでの診察可能です。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11:00-14:00 | 休 | ● | ● | ● | ● | ◯ | ◯ |
| 16:00-21:00 | 休 | ● | ● | ● | ● | ◯ | ◯ |
◯ 10:00-14:00 16:00-20:00
※当院は完全予約制ではございません。初診の方もご予約なしでの診察可能です。