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医療法人社団涼美会理事長
関口 知秀
過活動膀胱や頻尿などの一般泌尿器科診療をはじめ、性感染症(性病)検査・治療、前立腺疾患や泌尿器がんの早期発見まで幅広く対応。
患者様一人ひとりの症状や生活背景に寄り添い、丁寧な診察とわかりやすい説明を大切にしています。
新宿・渋谷の3拠点にて、土日祝日や夜間診療にも対応し、お忙しい方でも受診しやすい体制で質の高い医療を提供しています。
新宿・渋谷の泌尿器科 | れいわクリニック
Care & Treatment治療について
血精液症でお悩みの方へ
「精液に血が混じっていた」「赤色や茶色の精液が出て驚いた」など、
血精液症の症状に不安を感じて受診される方は少なくありません。初めて症状が現れると、「がんではないか」「自然に治るのだろうか」と心配になる方も多いでしょう。
血精液症は、前立腺や精嚢などの炎症によって起こることが多く、若い方では自然に改善するケースも少なくありません。しかし、症状が繰り返す場合や長期間続く場合、血尿や発熱、強い痛みを伴う場合には、詳しい検査が必要になることがあります。
この記事では、血精液症はどれくらいで治るのかをはじめ、考えられる原因や検査・治療方法、受診の目安まで泌尿器科医がわかりやすく解説します。
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射精したあと、コンドームの中やティッシュに赤いものが混じっている。あるいは、いつもより黒ずんだ色の精液が出た。
そんな場面に出くわすと、多くの男性は頭が真っ白になります。がんではないか、パートナーに何かうつしてしまったのではないか、と考えが止まらなくなる方も少なくありません。
精液に血が混じった状態を、医学的には血精液症(けっせいえきしょう)と呼びます。
肉眼ではっきり赤いとわかる場合もあれば、不妊の検査などで顕微鏡をのぞいて初めて赤血球が見つかるケースもあるのです。
色は出血からの経過時間で変わります。出血して間もなければ明るい赤から茶色がかった色に、時間が経っていれば黒っぽい塊のように見えることもあります。そして、ほとんどの場合は痛みをともないません。
泌尿器科で扱う症状のうち、血精液症が占める割合はおよそ1%と報告されています。ただし気づかれないまま自然に治っているケースも多く、実際にどれくらいの人が経験しているのかは正確にはわかっていません。
年齢としては40歳未満の男性に多いことが知られています。
前立腺がん検診を受けた2万6126人(年齢中央値61歳)を対象にした調査では、血精液症を申告した人は0.5%でした。泌尿器科を受診する患者のおよそ5000人に1人という推定もあります。
精液は精子だけでできているわけではありません。前立腺と精嚢(せいのう)という臓器から出る分泌液が混ざり、射精管を通って尿道へ運ばれます。
この通り道のどこかで粘膜が炎症を起こすと、充血した細い血管から血がにじみ、精液に混ざります。血精液症の原因として最も多いグループのひとつが、この炎症です。
クラミジアや淋菌、性器ヘルペスなどが尿道や前立腺に感染すると、血精液症のきっかけになることがあります。感染が関与していた割合は、40歳未満で15%、40歳以上で10.3%と報告されました。
若い世代ほど感染の関与が大きい、と考えておくとよいでしょう。
前立腺の石灰化や結石、精嚢や射精管にできた嚢胞(液体がたまった袋)、尿道のポリープなども出血源になります。これらは検査画像で見つかることが多く、自覚症状は血精液症だけということも珍しくありません。
会陰部(陰嚢と肛門のあいだ)の打撲、自転車のサドルによる圧迫、器具を使った過度な性的刺激などでも出血します。
長期間射精しなかったあとや、逆に短期間に射精を繰り返したあとに起こることもあり、この場合は1〜2か月ほどで自然におさまるとされています。
現代において最も多い原因が、実は医療処置によるものです。とくに前立腺がんを調べる針生検(前立腺生検)のあとは高頻度で起こり、
2つの大規模な前向き研究では8割を超える男性が最大4週間ほど血精液を経験したと報告されています。膀胱鏡などの器具挿入、痔の硬化療法のあとにみられることもあります。
頻度は高くありませんが、コントロールできていない高血圧、血液が固まりにくくなる病気、抗凝固薬の服用、肝硬変などの肝疾患、高尿酸血症でも血精液症が起こりうると報告されています。
血圧を測るだけで見つかることもあるため、初回の診察で血圧測定が行われるのはこのためです。
なお、これだけ原因を挙げても、検査を尽くしたうえで原因が特定できない例は珍しくありません。20の研究をまとめた解析では、約半数で原因が判明しませんでした。
原因不明と言われても、それは「見落とされている」という意味ではないのです。
前立腺の炎症で、血精液症の背景として頻度の高い病気です。排尿時の痛みや残尿感、会陰部の重い痛みをともなうことがあります。
細菌が原因のものと、細菌が検出されないタイプがあります。ある総説では、血精液症の背景として前立腺炎がおよそ40%を占めると整理されています。
精嚢の炎症です。精嚢は血液が溜まりやすい構造をしており、画像検査で精嚢内の出血や拡張が見つかることがあります。射精時の痛みをともなう場合もあります。
原因不明の血精液症189人を調べた研究では、42.3%に精嚢内の出血が確認されました。
排尿時の痛み、尿道からの分泌物、かゆみなどが同時にあれば、クラミジアや淋菌などの性感染症を疑います。パートナーの検査・治療も必要になるため、心当たりがあれば正直に伝えてください。
加齢とともに前立腺が大きくなる病気です。尿の勢いが弱い、夜間に何度も起きるといった症状に加えて、血精液症がみられることがあります。
最も気がかりな可能性でしょう。ただ、頻度としては高くありません。血精液症で受診した300人を調べた研究では、前立腺がんが見つかったのは5.7%で、
全員が40歳以上かつPSA値の上昇または直腸診の異常をともなっていました。20の研究をまとめた系統的レビューでも、悪性腫瘍が見つかったのは40歳超の患者の5.4%で、
そのうち9割が前立腺がんでした。逆にいえば、40歳未満で他に異常がなければ、がんである可能性はかなり低いと考えられます。
この年代では、感染や炎症、あるいは性行為に関連した一時的な出血がほとんどです。
血精液症で受診した2079人を分析した系統的レビューでも、ほぼ全員が血精液症以外に目立った症状を持っていませんでした。
他の症状をともなう割合は、排尿痛が16.4%、下部尿路症状が13.6%、血尿が11.5%、精巣の痛みが10.7%です。
1〜2回で自然におさまり、他に症状がなければ、問診と診察、尿検査程度で経過をみることが一般的とされています。
ただし排尿時の痛みや尿道からの分泌物があるときは、性感染症の検査を受けてください。放置すると相手にうつす可能性がありますし、治療すればすぐ落ち着くことがほとんどです。
40歳を境に、評価の仕方が変わります。この年代では前立腺の病気が関わる割合が上がるため、直腸診とPSA検査を含めた検査を受けることがすすめられます。
とくに、繰り返す、なかなか止まらない、血尿もある、体重減少や発熱・骨の痛みがある、前立腺がんの家族歴がある、といった場合は、早めに泌尿器科を受診してください。
まず行われるのは、意外に思われるかもしれませんが問診です。本当に精液からの出血なのかを確認する必要があるためです。
血尿を精液の血と思い込んでいたり、パートナー側からの出血だったりすることが実際にあり、これらは偽性血精液症と呼ばれます。
尿検査では、細菌や炎症細胞、血液の有無を調べます。必要に応じて尿道のぬぐい液や精液の培養検査、性感染症の検査を追加することもあります。
40歳以上ではPSA(前立腺特異抗原)の血液検査が重要になります。血圧測定や血液の固まりやすさの検査を行うこともあり、これは高血圧や血液の病気が背景にある可能性を確認するためです。
症状が1か月以上続く場合には、経直腸超音波検査(TRUS)が検討されます。肛門からプローブを入れて前立腺や精嚢を観察する検査で、負担が少なく費用も抑えられます。
それでも原因がはっきりしないときや、しこりが疑われるときには、MRIや膀胱鏡が用いられます。
ここで知っておいていただきたいのは、検査は多ければよいわけではないという点です。
血精液症の患者469件の検査から、治療を要する新たな病気が見つかったのはわずか0.4%だったという報告もあります。
むやみに検査を重ねても不安が増えるだけになりかねません。年齢と症状に応じて、必要な検査を必要なだけ行うのが現在の考え方です。
治療の原則は、原因に対して行うことです。裏を返せば、原因が特定できないケースでは「治療せずに様子をみる」ことが正しい対応になります。
細菌感染や性感染症が確認されれば、抗菌薬で治療します。感染が疑われるのに菌が特定できない場合、抗菌薬を経験的に使うことがあります。
165人にフルオロキノロン系抗菌薬と消炎鎮痛薬を投与した研究では、96%で血精液症が消失しました。
ただし菌が確認できていない状態での抗菌薬使用には副作用や耐性菌のリスクもあるため、利益と不利益を慎重に検討したうえで判断されます。
前立腺肥大症が関係している場合や、原因不明で症状が長引くケースには、フィナステリドという前立腺を小さくする薬が使われることがあります。
結石や嚢胞、ポリープ、血管の異常が見つかった場合は、内視鏡による処置が選択肢になります。
近年は精嚢鏡という細い内視鏡を射精管から挿入し、結石を砕いたり出血している粘膜を処置したりする方法も行われるようになりました。
ただし内視鏡による処置が検討されるのは、症状が長期間続いている場合に限られます。
原因が特定できた患者に対して原因に応じた治療を行った結果、74.9%で症状が解消したというデータもあります。原因さえ見つかれば、対処できる可能性は高いといえます。
多くの方が最も知りたいのはここでしょう。結論からいえば、自然に治るケースが大半です。
原因がはっきりしなかった189人を追跡した日本の研究では、88.9%で血精液症が自然に消失し、症状が続いた期間は平均1.5か月でした。
医療処置のあとに起こったものも、数週間、あるいは10回ほどの射精を経るうちに落ち着いていくとされています。
一方で、長引きやすい条件もわかっています。精嚢内の出血がある人、前立腺の正中嚢胞がある人、50歳以上の人では、症状が続く期間が有意に長くなりました。
また同じ研究では13.5%に再発がみられ、再発までの期間は12か月程度でした。再発したからといって重い病気とは限りませんが、繰り返す場合は一度きちんと調べておくのが安心です。
自然に治るまでのあいだ、性行為を禁止する必要は基本的にありません。ただし性感染症が否定できていない段階では、コンドームの使用が望ましいでしょう。
ある研究では、血精液症が続く期間が長いほど不安の程度が強く、性行為の回数も減るという関係が示されました。
症状そのものより、原因がわからないまま抱える不安のほうが生活への影響が大きいということです。だからこそ、早い段階で医師から説明を受ける価値があります。
泌尿器科です。前立腺、精嚢、尿道はいずれも泌尿器科が専門とする臓器で、直腸診・PSA検査・超音波検査までその場で完結します。
性感染症が疑われる場合も泌尿器科で対応できます。「性感染症かもしれない」と受診をためらう方もいますが、泌尿器科医にとっては日常的に診ている病気であり、詳細を伝えたほうが余計な検査を省けます。
近くに泌尿器科がなければ、まずはかかりつけ医に相談しても構いません。実際、血精液症の多くはプライマリケアの範囲で対応できると考えられています。
ただし、直腸診の異常やPSA値の上昇があるとき、症状が繰り返すとき、血尿をともなうときは、泌尿器科への紹介が推奨されます。
受診の際は、いつから何回起きたか、色はどうだったか、痛みや排尿の症状はあるか、直近で受けた検査や処置はないか、服用中の薬(とくに血をサラサラにする薬)を整理して伝えると診断が早く進みます。
可能であれば、精液の状態をスマートフォンで撮影しておくのも一つの方法でしょう。
血精液症の検査・診療に対応しています
精液に血液が混じる、赤色や茶色の精液が続く、血精液症を繰り返すなどの症状がある場合は、
前立腺や精嚢の炎症、性感染症などが原因となっている可能性があります。
血精液症の多くは良性ですが、症状が長引く場合や血尿・発熱・強い痛みを伴う場合には、
詳しい検査が必要になることがあります。
気になる症状がある方や原因を詳しく調べたい方は、お早めに泌尿器科へご相談ください。
血精液症とは、精液に血液が混じる状態です。精液が赤色やピンク色、茶色、茶褐色になることがあり、多くは良性ですが、原因を調べるために泌尿器科の受診が勧められる場合があります。
多くは数日から数週間で自然に改善します。ただし、症状が繰り返す場合や1か月以上続く場合は、泌尿器科で検査を受けることをおすすめします。
若い方では自然に改善することも少なくありません。しかし、炎症や感染症などが原因の場合は治療が必要になるため、症状が続く場合は受診しましょう。
前立腺炎や精嚢炎などの炎症、性感染症、結石、外傷などが原因となることがあります。検査をしても原因が特定できないケースもあります。
はい。痛みがなくても血精液症が続く場合や繰り返す場合は、原因を確認するため泌尿器科の受診をおすすめします。
茶色や茶褐色の精液は、古い血液が混じっている状態で、改善過程でみられることがあります。ただし、症状が長く続く場合は受診しましょう。
血精液症は精液に血液が混じる状態、血尿は尿に血液が混じる状態です。両方の症状がある場合は、早めに泌尿器科を受診してください。
はい。クラミジアなどの性感染症によって前立腺や精嚢に炎症が起こり、血精液症が生じることがあります。
血精液症そのものを治療する市販薬はありません。原因に応じた治療が必要になるため、自己判断で市販薬を使用するのではなく、医療機関を受診しましょう。
問診や尿検査、超音波(エコー)検査、必要に応じて血液検査などを行います。原因に応じて抗菌薬などの薬物療法や経過観察を行います。
精液に血が混じるという出来事は、体験した本人にとって強い恐怖をともないます。けれども、これまで見てきたとおり血精液症の多くは良性で、自然に消えていく症状です。
押さえておきたいのは次の点です。40歳未満で1〜2回だけ、他に症状がないなら、まず心配は要りません。
40歳以上、あるいは繰り返す・長引く・血尿や痛みをともなう場合は、直腸診とPSA検査を含めた確認を受けてください。
原因の半数近くは最後まで特定できませんが、それは危険な病気が隠れているという意味ではなく、多くの場合は勝手に治る性質の出血だということです。
不安を抱えたまま検索を続けるより、泌尿器科で一度診てもらったほうが早く安心できます。診察と尿検査、血液検査だけで大半の見通しは立ちます。
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