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医療法人社団涼美会 理事長
新宿・渋谷の泌尿器科 | れいわクリニック
Care & Treatment治療について
ウレアプラズマ・マイコプラズマ感染症の症状でお悩みの方へ
「尿道がなんとなくむずむずする」「おりものが少し増えた気がする」
そんな症状が続いているのに、検査を受けたら一般的な性感染症は陰性だった、という経験をされた方はいませんか。
その原因のひとつとして、近年注目されているのが「ウレアプラズマ」と「マイコプラズマ」という微生物による感染症です。症状がとても軽いか、あるいはまったくないことも
多く、知らないうちに広がっていることが珍しくありません。
この記事では、ウレアプラズマ・マイコプラズマの基本知識から、感染経路・症状・検査・治療まで、できるだけわかりやすくお伝えします。
「もしかして…」という不安を抱えている方も、予防として知識を持っておきたい方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
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ウレアプラズマとマイコプラズマは、どちらも「細胞壁を持たない細菌」の一種です。ウイルスとも一般的な細菌とも異なる独特の性質を持ち、泌尿生殖器の粘膜に寄生して増殖します。
性感染症として問題になる主な種類は以下のとおりです。
性感染症として最も重視される種類で、尿道炎・子宮頸管炎・骨盤内炎症性疾患(PID)の原因菌として確立されています。近年、抗菌薬への耐性化が世界的に問題になっており、治療が難しくなってきているケースも報告されています。

泌尿生殖器に常在することもある菌ですが、免疫が低下したときや性感染症として問題になることがあります。骨盤内炎症や細菌性膣症との関連も指摘されています。
ウレアプラズマには大きく2種類(U. urealyticum と
U.parvum)がありますが、臨床現場では「ウレアプラズマ」としてまとめて扱われることがほとんどです。どちらも性器に常在している場合があり、通常は無症状ですが、菌量が増えると非淋菌性尿道炎や膣炎の原因になることがあります。妊娠中の感染は早産リスクとの関連を示す研究も報告されています。

これらの菌は、クラミジアや淋菌と比べて認知度が低いため、「なんとなく調子が悪い」という段階で見落とされてしまうことが少なくありません。
ウレアプラズマ・マイコプラズマの主な感染経路は、性行為による粘膜接触です。コンドームを使用しない膣性交・アナルセックス・オーラルセックスなどによって感染します。
感染者との一度の性行為でも感染が成立する可能性があり、症状がない人からでも十分な感染力があります。「相手が元気そうだから大丈夫」という判断は、残念ながら根拠になりません。
マイコプラズマ・ジェニタリウムについては、タオルや浴場などの生活環境を介した感染は基本的に起こらないとされています。ウレアプラズマについても同様に、日常的な接触による感染リスクは極めて低いと考えられています。
一方、母子感染(産道感染または子宮内感染を介した垂直感染)は知られており、新生児の気道感染や肺炎の原因になることがあります。これは性的な感染とは別の経路です。
マイコプラズマ・ジェニタリウムの潜伏期間は、現時点では明確に定まっていません。感染から症状が出るまでの期間に個人差が大きく、無症状のまま経過する人も多いため、「いつ感染したか」の特定が難しいのが実情です。
現在のガイドラインでは、感染が確認された場合に過去60日以内の性的パートナーを検査・通知の対象とすることが推奨されています。
ウレアプラズマについても同様に、潜伏期間は個人差が大きく、検査を受けるまで気づかないケースが多いのが特徴です。「感染の心当たりがある」という場合は、症状の有無にかかわらず早めに受診することをお勧めします。
男性では、主に尿道に炎症(尿道炎)を起こすことで症状が現れます。ただし、無症状のまま経過する方も多く、気づかないうちに感染が続いていることがあります。
症状が出る場合には、以下のようなものがあります。
これらの症状はクラミジアや淋菌性尿道炎と非常によく似ており、検査をしないと原因を区別することができません。「以前クラミジアの治療を受けたのに症状が残っている」という場合、マイコプラズマやウレアプラズマが原因だったというケースも報告されています。
女性の場合も、無症状のまま経過する方が多いという点が大きな特徴です。症状がある場合は以下のものが見られます。
特に、おりものが増えた・においが変わった・性交痛があるといった症状は、子宮頸管炎が起きているサインである可能性があります。子宮頸管炎を放置すると炎症が上方へ広がり、骨盤内炎症性疾患(PID)に進展することがあるため、早めの受診が大切です。
マイコプラズマ・ウレアプラズマは、ほかの性感染症と症状がよく似ているため、自覚症状だけで判断することはできません。以下に、特に症状が似ている代表的な性感染症をご紹介します。
クラミジア(クラミジア・トラコマチス)は、日本で最も報告数が多い性感染症のひとつです。男女ともに無症状のことが多く、症状が出る場合は尿道炎・子宮頸管炎・咽頭炎などを引き起こします。治療にはアジスロマイシンやドキシサイクリンなどの抗菌薬が使われますが、マイコプラズマとは感受性が異なることがあるため、正確な診断が必要です。クラミジアとマイコプラズマの重複感染(同時感染)も珍しくなく、片方だけ治療して「なかなか治らない」というケースも起こりえます。
淋菌感染症は、クラミジアと並んで報告数の多い性感染症です。男性では膿性(黄色や緑色)の分泌物と強い排尿痛が出ることが多く、女性では症状が軽いことが少なくありません。近年、抗菌薬耐性の淋菌が世界的に増加しており、治療の選択肢が狭まってきている点でマイコプラズマと共通の課題を抱えています。淋菌とマイコプラズマの重複感染もあり得るため、一方が陽性であっても他方の検査を同時に行うことが推奨されます。
トリコモナス(トリコモナス膣炎・尿道炎)は原虫による感染症で、女性では泡立った黄緑色のおりものとかゆみが特徴的です。男性では無症状のことが多く、気づかないまま感染源になっていることがあります。治療薬はメトロニダゾールで、マイコプラズマやウレアプラズマとは治療法が異なります。「おりものの異常」という症状は複数の性感染症で共通するため、トリコモナスとマイコプラズマを同時に検査することが適切な場合もあります。
症状が軽いからといって放置してしまうと、さまざまな健康上の問題に発展する可能性があります。
子宮頸管炎から骨盤内炎症性疾患(PID)へ進展すると、卵管に炎症が及ぶことがあります。卵管に障害が起きた場合、不妊や子宮外妊娠のリスクが高まることが知られています。また、妊娠中にウレアプラズマやマイコプラズマが増殖すると、早産・前期破水・絨毛膜羊膜炎などの妊娠合併症との関連を示す研究も報告されています。加えて、分娩時に新生児へ感染が及ぶと、新生児肺炎の原因になることも知られています。
尿道炎が長引くと、前立腺炎や精巣上体炎へ波及するリスクがあります。慢性的な炎症が精子の質や運動能力に影響を与える可能性も報告されており、不妊との関連を示唆する研究も存在しています。
マイコプラズマ・ジェニタリウムでは、治療に使われるアジスロマイシン(マクロライド系)への耐性化が世界的に急速に進んでいます。世界全体のデータでは、2010年以前に約10%だったマクロライド耐性率が、2016〜2017年には約51%まで上昇したというメタアナリシスがあります。耐性菌に対しては治療の選択肢が限られてくるため、早期に正確な診断を受けて適切な治療を行うことがより一層重要です。
いずれの場合も、症状がなくても感染力は続いています。パートナーへうつしてしまうリスクを減らすためにも、気になる症状があれば早めに受診してください。
ウレアプラズマ・マイコプラズマの検査には、主にNAAT(核酸増幅検査)、なかでもPCR検査が用いられます。培養検査もありますが、これらの菌は培養が難しく時間もかかるため、精度と速度の面でPCR検査が標準的な方法として使われています。
初尿(排尿開始直後の尿)を使ったPCR検査を行います。症状が軽い場合でも、PCR検査であれば検出できる可能性が高い方法です。
子宮頸管スワブによる採取が主な方法です。尿を使ったPCR検査または、膣ぬぐい液のスワブによる採取の検査にも対応しています。帯下の異常や子宮頸管炎の症状がある場合に加え、パートナーが感染していた場合にも積極的な受診をお勧めします。
感染直後は菌の量がまだ少なく、検査をしても検出できない「偽陰性」になることもあります。感染の機会があった場合は、1.2週間後を目安に受診するのが一般的です。
ただし、マイコプラズマ・ジェニタリウムの潜伏期間は正確には定まっていないため、「感染の可能性がある」と思ったらまず医師に相談して、検査のタイミングを確認してください。治療後の治癒確認(検査)を行う場合は、薬の服用終了から14〜21日後に再検査することが推奨されています。
ウレアプラズマ・マイコプラズマは細胞壁を持たないため、ペニシリンなど細胞壁を標的とした一般的な抗菌薬は効きません。治療には以下の抗菌薬が使われます。
CDCの2021年版STI治療ガイドラインでは、まずドキシサイクリンで菌量を減らし、その後に感受性検査(耐性変異の有無)の結果に基づいて薬を選択する「ステップアップ療法」が推奨されています。
具体的には、マクロライド系への感受性が確認された場合はアジスロマイシンの延長投与、耐性が確認された場合はモキシフロキサシンへ切り替えるという流れです。以前の「アジスロマイシン1回投与」では治りにくくなっているケースが増えており、このような段階的な治療法が必要になっています。
薬の選択・投与期間は感受性検査の結果によって変わるため、必ず医師の判断に従って服用してください。
テトラサイクリン系(ドキシサイクリンなど)が第一選択として使われることが多く、症状や感受性によってアジスロマイシンやキノロン系(レボフロキサシンなど)が選択されます。
どちらの感染症でも、処方された薬を最後まで飲み切ることが非常に重要です。症状が改善したからといって途中でやめてしまうと、菌が完全に除菌されず、耐性化が進む原因にもなります。服薬中はアルコールを控え、治療終了まで性行為も避けてください。
マイコプラズマ・ウレアプラズマは性行為によって感染するため、自分だけが治療を受けても、パートナーが未治療であればすぐに再感染してしまいます。「治ったのにまた症状が出た」という状況の多くは、この再感染が原因です。
以下のような場合は、パートナーも検査・治療を受けることが推奨されます。
パートナーへの伝え方に悩む方も多いかと思います。「一緒に検査しよう」と誘う形で話を切り出すと、責め合いにならずに済むことが多いようです。もし伝えることが難しい状況であれば、医師に相談すると適切なアドバイスが得られます。受診の際には、パートナーのことも医師に伝えておいてください。
ウレアプラズマ・マイコプラズマへの感染を防ぐために、日常生活で意識していただきたいことをまとめます。
すべての性行為でコンドームを正しく使用することが、最も効果的な予防策です。コンドームは最初から装着することが大切で、途中から使っても十分な予防効果が得られないことがあります。ただし、コンドームで覆われていない粘膜部分からの感染リスクはゼロではないため、過信は禁物です。
パートナーが変わったときや、リスクのある性行為があった後は、症状がなくても性感染症の検査を受けることをお勧めします。マイコプラズマ・ウレアプラズマは無症状のまま感染が続くことが多いため、定期的な確認が感染拡大を防ぐ有効な手段になります。
パートナーと情報を共有する 感染が判明した際は、パートナーにも伝えて一緒に検査・治療を受けることが欠かせません。感染を秘密にしたままでいると、再感染を繰り返すだけでなく、パートナーの健康を損なうことにもつながります。
ウレアプラズマのように常在している菌は、免疫が低下したときに過剰増殖して症状を引き起こすことがあります。過労・睡眠不足・栄養バランスの乱れを避け、体の抵抗力を整えておくことも大切な予防策のひとつです。
自然に症状が軽くなることはありますが、菌が完全にいなくなるとは限りません。
無症状のまま感染が続き、パートナーへうつしてしまうこともあるため、気になる症状があれば検査・治療を受けることが大切です。
はい。ウレアプラズマ・マイコプラズマは無症状のことが非常に多い性感染症です。
特に女性では症状が軽いまま経過することも多く、知らないうちにパートナーへ感染させてしまうケースがあります。
男性では排尿時の違和感・尿道のかゆみ・分泌物など、女性ではおりものの変化・性交痛・下腹部痛などがみられることがあります。
ただし症状が非常に軽いことも多く、「なんとなく違和感が続く」程度の場合も少なくありません。
症状はよく似ていますが、原因となる菌が異なります。
クラミジアや淋病が陰性でも、ウレアプラズマ・マイコプラズマが原因となっていることがあるため、症状が続く場合は追加検査が必要になることがあります。
はい。膣性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスでも感染する可能性があります。
咽頭に感染するケースもあるため、必要に応じて咽頭検査を行うことがあります。
コンドームは感染リスクを大きく下げる有効な予防法です。
ただし、コンドームで覆われていない部分の粘膜接触によって感染する可能性もあるため、100%防げるわけではありません。
一般的には、感染の可能性があった日から1〜3週間程度あけて検査を受けることが推奨されています。
感染直後は菌量が少なく、正確に検出できない場合があります。
男性は尿検査、女性は子宮頸管のぬぐい液検査を行うことが一般的です。
多少の違和感を伴う場合はありますが、短時間で終わる検査です。
市販薬での自己判断による治療は推奨されません。
菌によって有効な抗菌薬が異なり、耐性菌の問題もあるため、医療機関で適切な検査・治療を受けることが重要です。
治療終了までは性行為を控えることが推奨されます。
症状が改善していても感染力が残っている場合があり、再感染やパートナーへの感染につながる可能性があります。
はい。どちらか一方だけが治療しても、パートナーが未治療の場合は再感染することがあります。
感染が確認された場合は、パートナーも一緒に検査・治療を受けることが大切です。
妊娠中でも検査は可能です。
ただし、使用できる抗菌薬に制限があるため、妊娠中または妊娠の可能性がある場合は必ず医師へお伝えください。
ウレアプラズマ・マイコプラズマは、まだ一般的な認知度が低い性感染症ですが、症状がなくても感染・感染拡大が起こりうる点で注意が必要です。
「なんとなく続く違和感」を放置せず、気になることがあればお気軽に当院へご相談ください。二人で一緒に向き合うことが、健康を守る一番の近道です。
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