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2026年は、8月の終わりに全国で「流行入り」が発表されました。これは1999年以降で、2009年の新型インフルエンザに次ぐ2番目の早さです。昨シーズンも9月下旬に流行入りするという早い立ち上がりでしたが、今年はそれよりさらに1か月ほど早いペースです。
今季の中心はA型H1N1で、昨シーズンにかかった方も油断はできません。この記事では、今季の流行状況、症状と受診の目安、ワクチンの接種について、わかりやすくまとめます。
当院でもインフルエンザワクチンの接種を実施しております。
当院の接種費用は 1人 3,980円(税込) です。
抗体ができるまでに約2週間かかりますので、本格的な流行の前に早めの予防・ご来院をお願いいたします。

国内の流行状況は、全国約3,000か所の定点医療機関から1週間ごとに報告される患者数で把握されています。1医療機関あたりの患者数(定点当たり報告数)が1.00を超えると「流行入り」と判断されます。
| 週 | 期間 | 全国の定点当たり報告数 |
|---|---|---|
| 第34週(流行入り) | 8月17日〜23日 | 1.11 |
| 第38週 | 9月14日〜20日 | 8.48 |
| 第40週(最新) | 9月28日〜10月4日 | 11.35 |
9月に新学期が始まると感染は一気に広がり、第39週は5連休の影響で一時的に減少したものの、第40週には再び増加しています。
東京都は8月27日に流行開始が発表され、9月17日には注意報基準を超えたと発表されました。9月中に東京都で注意報が出たのは3年ぶりのことです。
研究グループは、流行が早まった理由として、夏の海外との人の往来、新学期による子ども同士の接触の増加、そしてウイルスの性質が変わり、以前の免疫が効きにくくなっていることを挙げています。
今季の流行の中心はA型H1N1です。2026年8月前後に全国で検出されたウイルスの約97%がH1N1でした。東京都でも、今シーズンに検出されたウイルスはすべてH1N1と報告されています。
昨シーズンはH3N2が中心だったため、流行の主役が入れ替わったことになります。H1N1は昨シーズンまでのワクチンとは性質に差があるため、昨年ワクチンを打った方や、かかった方でも、今季のウイルスに対する免疫は十分でない可能性があります。
今後は、H3N2が後半に再び増える可能性や、B型が年明け以降に増える可能性もあります。A型とB型では免疫が別々のため、同じシーズン中にA型とB型の両方にかかることもあります。
インフルエンザは、普通の風邪と比べて急に、強く出るのが特徴です。
潜伏期間は1〜3日ほどで、熱は3〜5日ほど続くことが多いです。高齢の方やワクチンを打っている方は、熱がそれほど上がらず、元気がない、食欲が落ちるといった目立たない症状のこともあります。熱の高さだけで判断しないことが大切です。
医療機関では、鼻やのどの奥をぬぐって調べる迅速抗原検査が一般的です。ただし、発熱直後はウイルスの量が少なく、実際はかかっていても「陰性」と出ることがあります(偽陰性)。一般に発熱から半日〜1日ほど経つと陽性と判定されやすくなりますが、これは目安にすぎません。症状が強い場合や、つらい場合は、検査の時期を待たず早めに受診してください。
検査が陰性でも、症状が続いたり悪化したりする場合は、再検査や再受診を検討してください。家族や職場にインフルエンザの方がいて、典型的な症状がそろっている場合は、検査結果だけでなく医師が総合的に判断します。
抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に飲みはじめると効果が得られやすい薬です。待ちすぎないことが大切です。
大人の方は内科で構いません。お子さんは小児科へ、かかりつけ医がいる方はまずそちらへご相談ください。受診の前に電話で確認すると安心です。
次のような症状がみられたら、時間帯にかかわらず医療機関を受診してください。夜間や休日で迷うときは、#7119(救急安心センター事業)や#8000(子ども医療電話相談事業)も利用できます。
熱が下がらず咳がだんだん強くなる、いったん下がった熱がまた上がるといった場合は、肺炎を起こしている可能性があります。子どもでは、インフルエンザ脳症にも注意が必要です。
次のような方は重症化しやすいため、症状が出たら早めに受診してください。
今季のワクチンは、A型H1N1、A型H3N2、B型(ビクトリア系統)の3種類に対応しています。
ワクチンは、接種してから約2週間で効果が現れはじめ、約5か月続きます。今季は流行が早いため、10月中、遅くとも11月上旬までに接種を済ませておくと安心です。
流行はシーズン後半まで続くことも多いため、いまからでも接種する意味はあります。
2回接種が必要なお子さんは、2回目の接種から約2週間たつまで十分な効果が得られません。
すでにかかった方も、ワクチンの接種をおすすめします。かかった型の免疫は、主にその型に対するものだからです。
接種は、熱が下がって体調が回復し、周りにうつす可能性がある期間を過ぎてから、医師に相談して決めてください。予約の際に発症した日をお伝えいただくと安心です。
ワクチン接種後にかかった場合、追加の接種は必要ありません。お子さんが1回目の後にかかった場合は、回復してから2回目を受けてください。1回目からやり直す必要はありません。
65歳以上の方、および60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能、またはHIVによる免疫機能に重い障害がある方は、定期接種の対象です。費用の助成は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の案内をご確認ください。
ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、発症や重症化を減らす効果が確認されています。
家族にかかった方がいる場合は、看病する人をできるだけ一人に決め、看病の前後には手を洗い、タオルの共有は避けてください。
Q. インフルエンザと新型コロナは、症状で見分けられますか?
発熱やのどの痛み、咳など、症状だけで両者を確実に見分けることは難しいです。どちらか迷う場合は、検査を受けてください。
Q. インフルエンザにかかったら、何日間休む必要がありますか?
お子さんは、学校保健安全法により、発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで登校を控えます。大人の方も、熱が下がって体調が回復するまでは休み、周りにうつさないことが大切です。
Q. インフルエンザと新型コロナのワクチンは同時に接種できますか?
同時に接種することができます。医師が必要と認めた場合には、ほかのワクチンとも同時接種が可能です。
2026年は8月に全国で流行入りし、今季の中心はA型H1N1です。昨シーズンにかかった方やワクチンを打った方も、油断はできません。急な高熱や全身の痛みがあれば、インフルエンザを疑い、必要に応じて早めに受診してください。息苦しさや意識の変化などの危険なサインがあれば、すぐに受診してください。
今季のワクチンは、流行株に合わせて新しくなっています。流行が早い今年は、10月中の接種を検討してください。
※本記事の流行状況は、2026年10月7日時点で公表されている情報をもとにしています。最新の状況は、厚生労働省や国立健康危機管理研究機構、お住まいの自治体の発表をご確認ください。
【参考文献・参考URL】
・国立健康危機管理研究機構(JIHS)「IDWR 2026年第35号<注目すべき感染症> インフルエンザ」
・厚生労働省「インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数の推移」
・東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況(東京都 2026-2027年シーズン)」
・東京都感染症情報センター「2026~2027年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株」
・厚生労働省「2026/27シーズンの季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの供給について」
・厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」
・世界保健機関(WHO)「Recommendations for influenza vaccine composition for the 2026-2027 northern hemisphere season」
・新潟大学大学院医歯学総合研究科 国際保健学分野「2026年9月、早くもインフルエンザが流行ー詳細解説」