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脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮下組織などに発生する、脂肪細胞からなる良性腫瘍です。
体幹や肩、首、背中、腕などにできることが多く、皮膚の下に柔らかいしこりとして触れることがあります。通常はゆっくりと大きくなり、痛みなどの症状を伴わないことも少なくありません。
ただし、大きくなると見た目が気になったり、できる場所によっては圧迫感や違和感が生じたりすることがあります。
脂肪腫は、皮膚の下に「柔らかいしこり」として気づくことが多い良性腫瘍です。
触ると比較的柔らかく、皮膚の下である程度動くことがあります。数cm程度のものから、長期間かけて大きくなるものまでさまざまです。
多くの場合、痛みやかゆみなどの症状はありません。そのため、小さいうちは気づかず、大きくなってから受診されるケースもあります。
脂肪腫は身体のさまざまな場所に発生しますが、特に背中、肩、首、腕、太ももなどにみられます。
皮下の浅い場所にできることが多い一方、筋膜の下や筋肉内・筋肉間など、身体の深い場所に発生することもあります。
深い場所にある場合や腫瘤が大きい場合には、状態を詳しく確認するためにCT検査などの画像検査が必要になることがあります。
脂肪腫は良性腫瘍であるため、すべての脂肪腫に手術が必要というわけではありません。
小さく、痛みや日常生活への支障がなく、大きさにも変化がない場合には、経過観察となることもあります。
一方で、徐々に大きくなっている、見た目が気になる、衣服などに当たって邪魔になる、痛みや違和感があるといった場合には、摘出手術を検討します。
皮膚の下にできるしこりが、すべて脂肪腫とは限りません。
短期間で急速に大きくなった場合や、硬く動きにくい場合、痛みを伴う場合などには、脂肪腫以外の腫瘍との鑑別が必要になることがあります。
診察や検査の結果、より詳しい画像検査や専門的な治療が必要と判断した場合には、大学病院などの医療機関をご紹介します。
皮下の浅い位置にあり、当院での治療が可能と判断した脂肪腫については、摘出手術を行います。
手術では局所麻酔を行い、脂肪腫の直上または状態に合わせた位置の皮膚を切開します。周囲の組織から脂肪腫を丁寧に剥離し、腫瘤を摘出します。
摘出後は出血がないことを確認し、傷を縫合します。
脂肪腫の大きさや発生している場所、周囲組織との癒着などによって、手術方法や手術にかかる時間は異なります。
後頚部(首の後ろ)や背中にできた脂肪腫では、周囲の組織との境界が分かりにくいことがあります。
そのため、脂肪腫の位置や大きさによっては周囲組織からの剥離に時間がかかり、手術時間が長くなる場合があります。
また、大きな脂肪腫や深い位置にある脂肪腫については、当院での手術が適しているかを診察したうえで判断します。
脂肪腫を摘出するためには皮膚を切開する必要があるため、手術後には傷あとが残ります。
形成外科では、腫瘤を摘出するだけでなく、できるだけ傷あとが目立ちにくくなるよう、皮膚の状態や脂肪腫の位置などを考慮して手術を行います。
手術直後は傷に赤みがみられることがありますが、一般的には時間の経過とともに徐々に落ち着いていきます。傷あとの経過には個人差があるため、術後も必要に応じて経過を確認します。
皮膚の下にできる「しこり」として、脂肪腫と間違われやすいものの一つに粉瘤(アテローム)があります。
脂肪腫は脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍であるのに対し、粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質や皮脂などがたまったものです。
見た目や触った感触だけでは判断が難しいこともあります。「脂肪腫だと思っていたら別のできものだった」ということもあるため、自己判断せず医師の診察を受けることが大切です。
一度できた脂肪腫が自然に消失することは一般的ではありません。大きさや症状などを確認し、経過観察または摘出手術を検討します。
一般的な脂肪腫は良性腫瘍です。ただし、皮下にできる腫瘤にはさまざまな種類があるため、急速に大きくなった場合などには詳しい検査が必要になることがあります。
脂肪腫の大きさだけでなく、深さや発生部位などによって判断します。当院での手術が難しいと判断した場合には、必要に応じて大学病院などの医療機関をご紹介します。
脂肪腫は比較的よくみられる良性腫瘍ですが、見た目だけで他のできものと区別することが難しい場合があります。
「皮膚の下に柔らかいしこりがある」「以前より大きくなってきた」「脂肪腫を摘出したい」といった場合には、形成外科へご相談ください。
診察で腫瘤の状態を確認し、必要な検査や治療方法をご案内します。
医療法人社団涼美会理事長・形成外科医:関口 知秀
脂肪腫の原因や症状、粉瘤など他のしこりとの見分け方、検査・治療方法については、以下のページで詳しく解説しています。