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秋・冬は抜け毛の季節?脱毛の原因とAGA・皮膚科での頭皮ケア

この記事は、新宿新南口れいわクリニック理事長(形成外科・皮膚科)の関口知秀医師が監修しています。

新宿新南口れいわクリニック院長の関口です。
「朝起きたとき、枕に落ちている髪の毛が増えた気がする」
「シャンプーのあと、排水口にたまる毛の量が気になる」
「以前より、生え際や頭頂部の地肌が透けて見えるようになった」
寒くなってきた頃から、このような変化に気づく方がいます。
「冬になって乾燥したから抜け毛が増えたのでは?」と思うかもしれません。しかし、抜け毛が増える理由は一つではありません。季節による変動もあれば、男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症のように、季節とは関係なく徐々に進行する脱毛症もあります。
当院では、抜け始めた時期や薄い場所、髪の細さなどを確認し、原因を見分けるところから始めます。
今回は、秋・冬の抜け毛と季節の関係、休止期脱毛、AGAの特徴や治療、頭皮ケアについて詳しく解説します。

1. 冬は本当に抜け毛が増えるのか

髪は「成長期」「退行期」「休止期」をくり返す仕組みです。健康な頭皮では、およそ85%の毛が成長期、15%ほどが休止期にあるとされています。

正常な髪の毛周期を示した図
髪は成長期・退行期・休止期を経て抜け、新しい髪へと生え変わります

休止期を終えた古い毛は、新しい髪に押し出されて抜けていきます。毎日ある程度の髪が抜けるのは、異常ではありません。

脱毛で受診した女性823人を対象に、6年間のトリコグラム(毛根を調べる検査)を分析した研究があります。休止期の毛の割合は夏に最も高く、春にも小さなピークがあり、冬の終わりに最も低くなっていました。

少なくともこの研究からは、「冬になると休止期の毛が増えて抜け毛が増える」とはいえません。

それでも秋から冬に抜け毛を感じる方がいる理由として、毛周期の時間差が関係している可能性があります。推測ですが、夏に休止期へ入った毛の一部が、時間をおいて秋から初冬に抜けているのかもしれません。

ただし、これは研究で直接証明されたものではなく、対象も女性に限られます。季節だけを疑わず、ほかの原因が隠れていないかを見ることが欠かせません。

2. 秋・冬に抜け毛が気になりやすい原因

秋から冬にかけて抜け毛が気になりやすくなる背景には、季節の変化に伴う頭皮環境の変化や、数か月前の体調・生活習慣など、さまざまな要因が考えられます。

冬は空気が乾燥し、暖房の使用によって室内の湿度も低くなりやすい季節です。頭皮が乾燥すると、フケやかゆみ、赤みなどの頭皮トラブルが起こりやすくなります。

また、夏に受けた紫外線や汗・皮脂などの影響が秋になっても残っていることがあります。季節の変わり目に頭皮環境が変化することで、抜け毛が気になる方もいます。

ただし、「秋や冬だから抜け毛が増えた」とは限りません。急に抜け毛が増えた場合には、「休止期脱毛」が隠れていることもあります。

休止期脱毛は、高熱を伴う病気、大きな手術、急激なダイエット、鉄などの栄養不足、甲状腺の異常、出産、一部の薬などをきっかけに、多くの毛が一斉に休止期へ移ることで起こります。原因となる出来事から数か月たって抜け毛が目立つことがあるため、秋冬の抜け毛でも少し前の体調や生活の変化を振り返ることが大切です。

一時的な抜け毛ではなく、半年以上続いている場合や、生え際・頭頂部を中心に髪が細く短くなってきた場合には、AGAや女性型脱毛症など、季節とは別の原因も考える必要があります。

3. AGAとは?季節とは別に進む脱毛症

AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、男性型脱毛症を指します。思春期以降に始まり、ゆっくり進行するのが特徴です。

AGAによって毛の成長期が短くなる毛周期の変化
AGAでは毛の成長期が短くなり、髪が十分に成長する前に退行期・休止期へ移行しやすくなります

発症には、男性ホルモンのテストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)に変わることが関わっています。このDHTが毛乳頭細胞の受容体に結合すると、毛の成長期が短くなります。

その結果、細く短い毛が増え、地肌が目立つようになります。

男性では、生え際の後退や頭頂部の薄毛が典型的です。女性では、分け目を中心に頭頂部の密度が低下しやすくなります。

日本皮膚科学会の2017年版ガイドラインでは、日本人男性の発症頻度は20代で約10%、40代で約30%、50代以降で40数%です。

次のような変化があれば、AGAなどの可能性を考えます。

● 生え際の左右が以前より後退してきた
● 頭頂部の地肌が透けて見えるようになった
● 抜ける毛や生えている毛に、細く短いものが増えてきた
● 家族に同じような薄毛の人がいる

休止期脱毛が頭部全体から抜けやすいのに対し、AGAは薄くなる場所に一定のパターンがあります。

4. 皮膚科ではどんな診察をするのか

抜け毛の原因は、見た目だけでは判断できません。

当院では、まず問診で、抜け始めた時期や経過、家族歴、最近の病気や手術、出産、体重の変化、服用中の薬などを伺います。

拡大鏡やダーモスコピーを使うと、毛の太さのばらつきも詳しく見ることが可能です。

AGAに似た脱毛には、円形脱毛症、甲状腺疾患や鉄欠乏に伴う脱毛、休止期脱毛などもあります。必要に応じて、血液検査で貧血や鉄の状態、甲状腺の機能を調べます。

原因によって治療は異なるため、まず脱毛の種類を見分けなければなりません。

5. AGAの治療法と注意点

日本皮膚科学会の2017年版ガイドラインでは、男性型脱毛症に次の治療が推奨されています。

新宿新南口れいわクリニックのAGA治療

● フィナステリド内服:推奨度A(行うよう強く勧める)
● デュタステリド内服:推奨度A
● 5%ミノキシジル外用:推奨度A
● 自毛植毛:推奨度B(行うよう勧める)

フィナステリドとデュタステリドは、DHTを作る5α還元酵素を阻害する薬です。女性型脱毛症への内服は推奨されておらず、妊娠中や授乳中の女性は服用できません。

効果の判定には少なくとも6か月が必要で、中止すると効果は消えます。

フィナステリドでは、性機能の副作用や、まれに肝機能障害が報告されています。服用中はPSA値が約半分に下がるため、前立腺がんの検査の際は医師に伝えましょう。

ミノキシジル外用では、使い始めに一時的に抜け毛が増えたり、かゆみや赤みが出たりすることがあります。

ミノキシジルの内服は日本では承認されておらず、ガイドラインでも推奨度Dで、「行うべきではない」という扱いです。個人輸入などで手に入れても、循環器系を含む重い副作用の懸念があります。

6. シャンプーや頭皮ケアはどうすればいい?

「シャンプーでさらに抜けそう」と心配して、洗髪を控える方もいます。しかし、洗髪やスタイリングで休止期脱毛が悪化する心配はなく、普段どおり洗って問題ありません。

シャンプーや一般的な頭皮ケアは頭皮を清潔に保つためのもので、AGAの治療とは分けて考えましょう。

7. どのくらい抜けたら皮膚科を受診する?

次のような場合は、一度皮膚科で相談することをおすすめします。

● 抜け毛が半年以上続いている
● 生え際の後退や、頭頂部の地肌の透けが気になる
● 髪が細く短くなり、以前よりボリュームが減った
● 円形に毛が抜けている部分がある
● 急な体重減少や発熱など、ほかの体調変化もある

特に、円形に毛が抜けた場合や短期間で急に進む場合は、「季節のせいだろう」と長く様子を見るのはおすすめできません。

AGA(男性型脱毛症)について

抜け毛が季節性のものではなく、AGA(男性型脱毛症)の可能性がある場合の診断や、当院で取り扱う内服薬・外用薬については、以下のページをご覧ください。


【当院のAGA(男性型脱毛症)の治療法・原因解説】はこちら →

8. まとめ|秋・冬の抜け毛が続く場合は皮膚科へ

秋から冬にかけて抜け毛が増えたように感じても、「寒さや乾燥が直接の原因」とは限りません。

研究では、女性の休止期毛の割合は夏に最も高く、冬の終わりに最も低くなっていました。冬そのものが抜け毛を増やすと断定できる根拠は、現時点では十分ではありません。

推測ですが、夏に休止期へ移った毛が秋から初冬に抜けることはありえます。数か月前の発熱や手術、急なダイエット、出産などによる休止期脱毛が隠れていることも少なくありません。

生え際や頭頂部から徐々に薄くなり、髪が細く短くなってきた場合は、AGAや女性型脱毛症も考えます。

休止期脱毛の多くは原因が解消されれば改善しますが、AGAは季節が変わっても自然には戻りません。

自己判断で「冬だから仕方がない」と済ませず、抜け毛が続くときや髪の細さ・生え際・頭頂部に変化を感じたときは、皮膚科で相談してみてください。

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