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医療法人社団涼美会 理事長
新宿・渋谷の一般内科・生活習慣病外来|駅徒歩30秒・平日21時/土日祝20時まで診療
健康診断の結果表に「尿酸値が高い」「要再検査」と書かれていても、体調に変わりがなければそのままにしてしまう方は少なくありません。しかし高尿酸血症は、自覚症状がないまま静かに進行し、ある日突然、足の親指のつけ根が激しく痛む痛風発作として表に出てくることがあります。さらに尿酸の影響は関節だけにとどまらず、腎臓や尿路、血管にも及ぶことが分かってきました。高尿酸血症は日本人男性に非常に多く、国内には約1,300万人の方がいると推計されています。痛風で治療を受けている方も約130万人にのぼり、近年は食生活の変化により、30代など若い世代で発症する方も珍しくなくなりました。一方で、早い段階で見つけて生活習慣を整え、必要に応じて薬を使えば、痛風発作も臓器への障害も十分に防ぐことができる病気でもあります。このページでは、高尿酸血症とはどのような病気なのか、なぜ尿酸値が上がるのか、放置するとどうなるのか、そしてどのように検査と治療を進めるのかを順に解説します。健康診断で指摘を受けた方も、すでに痛風発作を経験された方も、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
REASON
土・日・祝も診療
年末年始も休まず対応
夜平日21時まで
仕事帰りにも通いやすい
健康保険適用
院内処方にも対応
生活習慣病
継続的な治療・管理をサポート
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高尿酸血症とは、血液中の尿酸の濃度(血清尿酸値)が高くなった状態をいいます。日本では、性別や年齢にかかわらず血清尿酸値が7.0mg/dLを超える場合に高尿酸血症と診断されます。
尿酸は本来、血液に溶けた状態で全身をめぐり、尿や便として体の外へ出ていきます。ところが尿酸には「水に溶けにくい」という性質があり、血液中に溶けきれる量には限りがあります。その限界を超えて増えた尿酸は、やがて針のような形の結晶(尿酸塩結晶)となり、関節や腎臓、尿路に沈着していきます。この結晶が引き起こすトラブルが、痛風発作であり、尿路結石であり、腎機能の低下です。
つまり高尿酸血症そのものは痛くもかゆくもない「数値の異常」ですが、その先には確実に体を傷める段階が控えている、ということになります。
尿酸は、体の中で「プリン体」という物質が分解されたあとにできる最終産物です。プリン体と聞くと、ビールやレバーなど食べ物に含まれる成分というイメージが強いかもしれません。しかし実際には、体内の尿酸のうち食事に由来するものはおよそ2割にすぎず、残りの8割は体の中で作られています。
健康な成人では、1日におよそ700mgの尿酸が作られ、ほぼ同じ量が排泄されています。排泄経路のうち約3分の2は腎臓から尿へ、残りは腸から便へと出ていきます。この産生と排泄のバランスが取れている限り、体内の尿酸の総量(尿酸プール、およそ1,200mg)は一定に保たれます。
尿酸値が上がる理由は、大きく分けて二つしかありません。「作られる量が増える」か、「出ていく量が減る」かです。この組み合わせによって、高尿酸血症は次のように分類されます。
プリン体を多く含む食事の摂り過ぎ、飲酒、肥満、激しい運動、あるいは細胞が大量に壊れる病気などによって、尿酸が過剰に作られるタイプです。
腎臓からの尿酸の排泄がうまくいかず、体内に尿酸がたまるタイプです。日本人の高尿酸血症ではこのタイプが最も多いとされています。腎機能の低下や、一部の薬剤の影響が関わることもあります。
産生過剰と排泄低下の両方が重なっているタイプで、肥満やメタボリックシンドロームを合併している方によくみられます。
どのタイプにあてはまるかによって選ぶ薬が変わってくるため、治療にあたってはこの見極めが重要になります。
高尿酸血症と痛風は混同されがちですが、同じものではありません。高尿酸血症は「尿酸値が高い状態」を指す検査上の診断であり、痛風は「関節にたまった尿酸塩結晶が炎症を起こし、激しい痛みを生じた状態」を指す病名です。
高尿酸血症は、いわば痛風の土台にあたります。尿酸値が高い状態が長く続くほど関節に結晶が蓄積し、発作を起こす確率が高くなります。ただし全員が痛風になるわけではなく、実際に発作を経験するのは一部の人にとどまります。逆に、いったん発作を起こした方は、尿酸値を下げない限り再発を繰り返すのが通常です。
かつて痛風は「贅沢病」と呼ばれ、中高年男性の病気とされていました。しかし現在は患者数が大きく増え、発症年齢も下がっており、誰にでも起こりうる身近な病気になっています。
血清尿酸値の基準は、男女ともに7.0mg/dL以下です。7.0mg/dLという数値には根拠があり、体温37℃の血液に尿酸が溶けきれる濃度がおよそ7.0mg/dLであるためです。これを超えると血液は尿酸が溶けきれない「過飽和」の状態になり、結晶ができやすくなります。
健康診断でも、性別を問わずこの7.0mg/dLが判定の目安となります。なお、閉経前の女性は女性ホルモン(エストロゲン)に尿酸の排泄を促す働きがあるため、平常時の尿酸値は男性より1mg/dL前後低いのが一般的です。女性で7.0mg/dLに近い値が出た場合は、男性以上に注意して原因を調べる必要があります。
また、治療を行う場合の目標値は6.0mg/dL以下とされています。基準値の7.0mg/dLではなく、より低い6.0mg/dLを目指すのは、すでに関節にたまっている結晶を溶かし出すためです。痛風結節がある方では、5.0mg/dL以下を目標とすることが勧められています。
高尿酸血症の最大の特徴は、痛風発作が起こるまでほとんど自覚症状がないことです。尿酸値が8mg/dL、9mg/dLと高くても、体はまったく普段どおりに動きます。そのため、健康診断や人間ドックで初めて指摘される方が大多数を占めます。
症状のない期間は「無症候性高尿酸血症」と呼ばれますが、この間も関節や腎臓には尿酸塩結晶が静かに蓄積し続けています。「痛くなってから治療すればよい」という考え方が通用しにくいのは、このためです。
痛風発作は、ある日突然やってきます。多くは夜間から明け方にかけて始まり、足の親指のつけ根(第一中足趾節関節)が赤く腫れ上がって激痛を生じます。初回発作の多くはこの部位ですが、足の甲、足首、膝、アキレス腱の付着部に生じることもあります。
痛みの程度は「風が吹いて当たるだけでも痛い」と表現されるほど強く、靴が履けない、歩けない、布団が触れるのも耐えられない、という方も少なくありません。
この激痛は24時間ほどでピークに達し、その後は治療をしなくても数日から1〜2週間で自然に治まります。痛みが引くと元どおり歩けるようになるため、「治った」と考えて受診をやめてしまう方がいますが、これは大きな誤りです。尿酸値が高いままであれば発作は必ず再発し、回を重ねるごとに間隔が短くなり、痛む関節の数も増えていきます。
尿酸の影響は関節だけではありません。尿の中で尿酸の濃度が高くなり、さらに尿が酸性に傾くと、尿路に結石ができやすくなります。高尿酸血症の方では尿路結石の頻度が高く、結石が尿管に詰まると、背中や脇腹に突然の激しい痛みが起こり、血尿を伴うこともあります。
また、腎臓の組織に尿酸塩結晶が沈着すると慢性的な炎症が起こり、腎機能が少しずつ低下します。これは「痛風腎」と呼ばれる状態です。腎機能が落ちると尿酸の排泄能力もさらに下がるため、尿酸値が上がり、それがまた腎臓を傷めるという悪循環に陥ります。腎機能の低下も自覚症状に乏しいため、血液検査と尿検査で定期的に確認することが欠かせません。
当院は保険診療を主軸としたクリニックです
食事は尿酸値に確実に影響します。体内の尿酸の8割は体の中で作られるとはいえ、食事から入る2割分を整えることには十分な意味があります。
レバーや白子、あん肝といった内臓系の食品、干物や煮干し、かつお節、えび、いわしなどにはプリン体が多く含まれます。細胞が密に詰まった食材ほどプリン体が多い、と考えると分かりやすいでしょう。高尿酸血症の方では、プリン体の摂取量を1日400mg程度までに抑えることが目安とされています。
アルコールは種類を問わず尿酸値を上げます。ビールはプリン体を含むため特に注意が必要ですが、プリン体をほとんど含まない焼酎やウイスキーでも、アルコールそのものが尿酸の産生を促し、排泄を妨げるため、飲み過ぎれば尿酸値は上がります。「プリン体オフだから安心」とはいえません。
総摂取エネルギーが多いこと自体も尿酸値を押し上げます。また、清涼飲料水や果汁飲料に含まれる果糖(フルクトース)は、代謝の過程で尿酸の産生を増やすことが分かっています。甘い飲み物を毎日たくさん飲む方は、この点にも気を配りたいところです。
肥満は高尿酸血症と密接に関係します。内臓脂肪の蓄積はインスリンの効きを悪くし、インスリンには腎臓で尿酸の再吸収を促す作用があるため、結果として尿酸値が上がります。腹囲が増えるにつれて尿酸値も上がっていくのは、こうした仕組みによるものです。
運動不足も肥満を通じて尿酸値を上げますが、運動なら何でもよいというわけでもありません。短距離走や高強度の筋力トレーニングのような無酸素運動は、筋肉のATPを一気に消費するため、かえって尿酸値を上げます。勧められるのは、ウォーキングなどの有酸素運動です。
尿酸値の高さには体質、すなわち遺伝的な要因も大きく関わっています。腎臓や腸で尿酸を運ぶ「尿酸トランスポーター」と呼ばれるタンパク質の働きには個人差があり、これを決める遺伝子に変異があると、生活習慣にかかわらず尿酸が体にたまりやすくなります。血縁者に痛風の方が多い場合は、同じ体質を受け継いでいる可能性があります。
ただし、遺伝的な体質があるからといって必ず痛風になるわけではありません。体質は変えられませんが、食事・体重・飲酒・水分といった環境要因は変えられます。家族に痛風の方がいる場合は、若いうちから定期的に尿酸値を確認しておくとよいでしょう。
前述のとおり、日本人の高尿酸血症では腎臓からの排泄が低下しているタイプが最も多くみられます。慢性腎臓病などで腎機能そのものが落ちている場合はもちろん、腎機能が正常範囲であっても、尿酸を尿へ送り出す働きだけが弱いという方は珍しくありません。
また、薬の影響で尿酸の排泄が減ることもあります。血圧の治療に使われる利尿薬、少量のアスピリン、一部の結核治療薬などが代表的です。これらは必要があって処方されている薬ですので、自己判断で中止せず、尿酸値が上がった際には処方医にご相談ください。
健康診断で血清尿酸値が7.0mg/dLを超えていた場合、高尿酸血症に該当します。7.1mg/dLでも8.5mg/dLでも診断名は同じですが、数値の高さと対応の急ぎ具合は比例します。
目安として、7.0〜7.9mg/dLであれば、まず食事や飲酒、体重といった生活習慣を見直しながら経過をみることが基本です。8.0mg/dL以上では、腎障害や尿路結石、高血圧、糖尿病などの合併症がある場合に薬による治療を検討します。9.0mg/dL以上では、合併症がなくても薬物治療を考慮する水準です。いずれの場合も、まず一度検査を受けて、ご自身がどの段階にいるのかを確認することが出発点になります。
次のいずれかに当てはまる方は、症状がなくても一度検査を受けることをおすすめします。
これらに当てはまる方は、症状の有無にかかわらず一度受診されることをおすすめします。
尿酸値の異常を指摘されても、痛みがなければ受診の優先順位は下がりがちです。しかし痛風発作は予告をしてくれません。ある朝突然、歩けないほどの痛みとして始まります。
さらに高尿酸血症は、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満といった他の生活習慣病を併せ持っている方が多いという特徴があります。尿酸値をきっかけに受診したことで血圧や血糖、コレステロールの異常が見つかり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを早めに減らせたというケースは実際によくあります。尿酸値は、全身の状態を見直すよい入り口だとお考えください。
最も起こりやすいのが痛風発作です。尿酸値が高い状態が続くほど発症率は上がり、8.0mg/dLを超えると明らかに高くなります。放置すると発作を繰り返し、次第に間隔が短くなって複数の関節へ広がります。長期に及べば、関節そのものが破壊されて変形が残ることもあります。
高い尿酸値を何年も放置すると、尿酸塩結晶がかたまりとなって皮下に蓄積し、こぶのようにふくらむことがあります。これが痛風結節です。耳の軟骨、肘、手足の指、アキレス腱の周囲などにできやすく、痛みを伴わないことがほとんどですが、大きくなると関節の動きを妨げることがあります。尿酸値を長期に下げれば少しずつ小さくなりますが、溶けるまでには年単位の時間がかかります。
尿酸が多く含まれ、酸性に傾いた尿では結石ができやすくなります。尿酸結石はレントゲンに写りにくいため、腹部エコーやCTで確認します。結石が尿管に落ちると突然の激痛と血尿を起こし、繰り返せば腎臓そのものを傷めます。水分をしっかりとって尿量を確保すること、必要に応じて尿をアルカリ化する薬を使うことが予防になります。
尿酸塩結晶が腎臓に沈着して起こる痛風腎では、腎機能が徐々に低下します。腎臓は一度傷むと元に戻りにくい臓器であり、進行すれば将来的に人工透析が必要になることもあります。近年の研究では、高尿酸血症そのものが慢性腎臓病の進行に関わる要因であることも指摘されています。
高尿酸血症は、高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドロームと合併しやすいことが分かっています。これらが重なると動脈硬化が加速し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。尿酸値の異常は「関節の問題」にとどまらないのです。
高尿酸血症の診療では、尿酸値そのものを測るだけでなく、原因のタイプを見極め、合併症の有無を確認するために複数の検査を組み合わせます。
診断の基本となる検査で、血清尿酸値を測定します。尿酸値は食事や飲酒、脱水、運動によって変動するため、1回の測定だけで判断せず、日を変えて複数回確認することもあります。
血液中のクレアチニンや尿素窒素を測定し、腎臓の働きを評価します。腎機能は尿酸値が上がる原因にもなり、薬を選ぶ際の判断材料にもなります。
尿蛋白や尿潜血の有無、尿のpH(酸性度)を調べます。尿が酸性に傾いていると尿路結石ができやすいため、尿をアルカリ化する薬を使うかどうかの判断に用います。また、一定時間の尿を集めて尿酸の排泄量を測定し、産生過剰型か排泄低下型かを判定することもあります。
合併症の評価として、血糖値やHbA1c、脂質(LDLコレステロール、中性脂肪)、肝機能、血圧の測定を行います。尿路結石が疑われる場合は腹部エコーやCT、関節の腫れがある場合は関節エコーやレントゲン検査を追加します。関節液から尿酸塩結晶を確認できれば、痛風の確定診断となります。
高尿酸血症の治療は、生活習慣の改善が土台です。尿酸値が7.0〜8.0mg/dL程度で合併症がない場合は、まず数か月ほど生活習慣の見直しを行い、その効果をみて薬物療法の必要性を判断します。飲酒量の調整、体重の適正化、水分摂取の確保で、1mg/dL前後の低下が期待できます。
また、薬による治療が始まったあとも、生活習慣の改善は続ける必要があります。薬は尿酸値を下げてくれますが、尿酸値が上がる背景そのものを取り除いてくれるわけではないからです。
食事療法ではプリン体を減らすことに意識が向きがちですが、それ以上に総摂取エネルギーの適正化が重要です。プリン体の多い食品を避けても、それ以外のものを食べ過ぎていれば尿酸値は下がりません。プリン体の摂取量は1日400mgを目安とし、内臓系や干物といった特に多い食品を控えめにする程度で十分なことが多くあります。
あわせて、野菜や海藻、乳製品を積極的に取り入れると、尿がアルカリ性に傾いて尿酸が排泄されやすくなります。低脂肪の乳製品やコーヒーには、尿酸値を下げる方向に働くという報告もあります。
運動は、肥満の改善を通じて尿酸値の低下に役立ちます。ウォーキング、軽いジョギング、水中歩行などの有酸素運動を、1回20〜30分程度、週に3回以上行うことが目安です。
一方、息を止めて力むような激しい運動や全力疾走は、筋肉内のATPが急速に分解されて尿酸が一気に増えるため勧められません。「ややきつい」と感じる手前くらいの強度で、汗をかいた分の水分を補いながら続けることが大切です。
生活習慣の改善だけでは十分に下がらない場合や、最初から数値が高い場合、痛風発作や痛風結節、尿路結石、腎障害を伴う場合には、薬物療法を行います。治療の目標値は6.0mg/dL以下です。痛風結節がある方では、結晶を溶かすためにさらに低い5.0mg/dL以下を目指すことが勧められています。
薬を始める際には注意点があります。尿酸値を急激に下げると、関節にたまっていた結晶が剥がれて痛風発作を誘発することがあるため、少量から始めて数か月かけてゆっくり増量します。また、発作の最中に新たに開始することは避け、まず炎症を鎮めてから始めます。すでに服用中の方は、発作が起きても自己判断で中止せず続けてください。
痛風発作そのものに対しては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルヒチン、ステロイドを用いて痛みと炎症を抑えます。発作の前ぶれとして関節がむずむずする感じがある段階でコルヒチンを服用すると、発作を軽く抑えられることもあります。
尿酸が作られる過程で働く酵素(キサンチンオキシダーゼ)を抑え、尿酸の産生を減らす薬です。アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットなどがあります。産生過剰型に適していますが、腎機能が低下している方にも比較的使いやすく、現在は幅広く用いられています。
腎臓で尿酸が再吸収されるのを妨げ、尿への排泄を増やす薬です。ベンズブロマロン、プロベネシド、ドチヌラドなどがあります。排泄低下型に適していますが、尿中の尿酸が増えるため、尿路結石のある方では注意が必要で、水分摂取や尿アルカリ化薬の併用を行います。
クエン酸製剤などを用いて尿のpHを調整し、尿酸が尿に溶けやすい状態を保ちます。主に尿路結石の予防を目的として併用されます。
どの薬を選ぶかは、高尿酸血症のタイプ、腎機能、尿路結石の有無、ほかに服用している薬などによって決まります。同じ尿酸値であっても、適した薬は方によって異なります。効果と副作用を確認するため、開始後は定期的に血液検査を行いながら調整していきます。
プリン体を多く含む食品は、レバーなどの内臓類、白子、あん肝、干物、煮干し、かつお節、えび、いわしなどです。ただし、これらを完全に断つ必要はありません。頻度と量を意識し、続けて食べないようにするだけでも効果があります。
ビールのプリン体を気にされる方は多いのですが、飲料100mLあたりの含有量はレバーなどの食品と比べれば決して多くはありません。問題はアルコールそのものの作用と、飲む量にあります。プリン体を意識しすぎるより、全体の食べ過ぎと飲み過ぎを整えるほうが効果的です。
アルコールは、尿酸の産生を増やすと同時に腎臓からの排泄を妨げる、二重の作用を持っています。飲酒の翌日に尿酸値が上がるのはこのためです。目安は1日あたりビールなら500mL、日本酒なら1合、ウイスキーなら60mL程度までとし、週に2日は飲まない日を設けることが望ましいとされています。
なお、「プリン体ゼロ」「糖質オフ」と表示された酒類であっても、アルコールが含まれる以上は尿酸値を上げる方向に働きます。表示だけを頼りに量を増やしてしまうと、かえって逆効果になることがあります。
尿酸は主に尿として排泄されるため、尿の量を確保することが直接的な対策になります。1日の尿量が2L以上になるよう、水やお茶を中心に十分な水分をとることが勧められます。甘い清涼飲料水は果糖により尿酸値を上げるため、水分補給の手段としては適しません。
汗を多くかく夏場、運動後、飲酒後、入浴やサウナのあとは特に脱水になりやすい場面です。就寝中も水分は失われますので、寝る前と起床時にコップ1杯の水を飲む習慣は、痛風発作や尿路結石の予防に役立ちます。
肥満のある方では、減量そのものが尿酸値を下げる有効な手段になります。まずは現在の体重の3〜5%減を目標に、月1〜2kg程度のゆるやかなペースで進めるのが現実的です。
注意したいのは、極端な絶食や糖質を極度に制限する減量法です。体内でケトン体が増えると尿酸の排泄が妨げられ、一時的に尿酸値が上がって痛風発作を招くことがあります。減量は「早く、大きく」ではなく「ゆっくり、確実に」が原則です。
運動は、まとまった時間が取れなくても構いません。1回10分の歩行を3回に分ける、通勤で一駅手前から歩く、階段を使うといった形で日常に組み込むと続けやすくなります。有酸素運動を習慣にすれば、体重の減少とインスリンの効きの改善を通じて尿酸値が下がりやすくなります。なお、運動中と運動後の水分補給は忘れないようにしてください。
高尿酸血症と痛風の診療は、日本痛風・尿酸核酸学会がまとめた「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」に基づいて行われています。ガイドラインでは、尿酸値の高さだけで一律に治療を決めるのではなく、痛風発作の既往、痛風結節の有無、腎障害や尿路結石、高血圧や糖尿病などの合併症を総合的に判断することとされています。
大まかな考え方は次のとおりです。痛風関節炎や痛風結節がある方は、尿酸値が7.0mg/dLを超えていれば薬物治療の対象となり、6.0mg/dL以下の維持を目指します。症状のない方では、8.0mg/dL以上で合併症がある場合、および9.0mg/dL以上の場合に薬物治療を考慮し、それ以外はまず生活習慣の改善を行います。
治療を続けるうえで最も大切なのは、自己判断で薬を中止しないことです。尿酸値が下がったのは薬が効いているからであり、やめれば多くの場合もとの値に戻り、再び結晶が蓄積していきます。減量や節酒が定着すれば薬を減らせる場合もありますので、変更は必ず主治医と相談しながら進めてください。
次のいずれかに当てはまる方は、症状がなくても一度医療機関にご相談ください。
症状の有無にかかわらず、気になる点があればお気軽にご相談ください。
高尿酸血症は、自覚症状がないまま進行し、痛風発作や尿路結石、腎機能の低下という形で表に出てくる病気です。関節の痛みばかりが注目されがちですが、腎臓や血管への影響も無視できず、高血圧や糖尿病、脂質異常症と重なれば動脈硬化を進める要因にもなります。
一方で、対策のはっきりしている病気でもあります。食べ過ぎと飲み過ぎを整え、体重を適正に保ち、水分を十分にとる。それでも下がらなければ、体質に合った薬で確実に6.0mg/dL以下へ導く。この積み重ねによって、痛風発作も臓器の障害も高い確率で防ぐことができます。
健康診断で尿酸値を指摘されたら、痛みがなくても、まずは一度ご相談ください。数値が基準を超えた今この段階で手を打つことが、10年後、20年後のご自身の関節と腎臓を守ることにつながります。
医療法人社団涼美会 理事長
※本ページはれいわクリニックの医師が監修しています。