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医療法人社団涼美会 理事長
新宿・渋谷の一般内科・生活習慣病外来|駅徒歩30秒・平日21時/土日祝20時まで診療
夜中、足の親指のつけ根がずきずきと痛んで目が覚めた。朝になると赤く腫れ上がり、靴が履けない、床に足をつくことすらできない――。痛風の発作は、たいてい何の前触れもなく突然始まります。血液中に増えすぎた尿酸が関節の中で結晶化し、激しい炎症を起こす病気です。厄介なことに、その激痛は1〜2週間ほどで自然に治まるため「治った」と誤解されがちですが、高い尿酸値を放置していると発作は必ず再発します。この記事では、痛風の原因、発作時の対処法、再発予防や食事療法まで、内科医が順を追って詳しく解説します。
この記事の要点
REASON
土・日・祝も診療
年末年始も休まず対応
夜平日21時まで
仕事帰りにも通いやすい
健康保険適用
院内処方にも対応
生活習慣病
継続的な治療・管理をサポート
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痛風は、血液中に増えすぎた尿酸が関節の中で結晶になり、そこに強い炎症が起こる病気です。日本で痛風の治療を受けている方は約130万人にのぼり、患者さんの9割以上を男性が占めています。かつては中高年の病気とされていましたが、いまは30代、ときには20代で初めての発作を起こす方も珍しくありません。
痛風の厄介なところは、あれほどの激痛が1〜2週間ほどで自然に治まってしまうことです。痛みが消えると「治った」と感じてしまい、そのまま受診をやめてしまう方が多いのですが、原因である高い尿酸値が残っている限り、発作はまた必ずやってきます。
この記事では、痛風とはどういう病気なのか、なぜ起こるのか、発作が出たときにどうすればよいのか、そして再発を防ぐために何をすればよいのかを、順を追って解説します。いままさに痛みがある方も、健診で尿酸値を指摘されている方も、ぜひ参考にしてください。
痛風は、関節にたまった尿酸の結晶が引き起こす、急性の関節炎です。
血液中の尿酸が増えて溶けきれなくなると、余った尿酸は針のような形をした細かい結晶(尿酸塩結晶)に変わり、関節の内側やその周囲に少しずつ沈着していきます。この結晶は、たまっているだけの間は痛みを起こしません。ところが何かのきっかけで結晶が関節のすき間に剥がれ落ちると、体の免疫細胞がそれを異物とみなして攻撃を始め、激しい炎症が生じます。これが痛風発作の正体です。
「痛風」という名前は、風が吹いて患部に当たるだけでも痛む、という表現から来たといわれます。実際に発作を経験された方の多くが、これまでの人生でいちばん強い痛みだったとおっしゃいます。
なお、結晶が関節にたまるまでには、尿酸値が高い状態が何年も続いている必要があります。つまり、発作は突然でも、病気そのものが突然始まったわけではないのです。
高尿酸血症とは、血液中の尿酸の濃度が7.0mg/dLを超えた状態のことをいいます。これは検査の数値による診断名であり、それ自体には症状がありません。
一方の痛風は、その高尿酸血症を土台として、実際に関節で炎症が起きた状態を指す病名です。高尿酸血症が「原因」、痛風が「結果」と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、高尿酸血症の方が全員痛風になるわけではありません。尿酸値が高いまま、生涯発作を起こさない方もいます。それでも、尿酸値が高いほど発作の危険性が上がることははっきりしており、特に8.0mg/dLを超えると発症率が明らかに高くなります。
逆にいえば、尿酸値さえきちんと下げておけば、痛風発作は防げるということでもあります。痛風の治療が「痛みを止めること」で終わらず、「尿酸値を下げ続けること」に重点を置くのは、このためです。
痛風発作の症状は、次のようなものです。
痛みは発症から24時間ほどでピークに達します。じっとしていてもずきずきと痛み、布団が触れるだけでも耐えられないという方が少なくありません。多くは1か所の関節だけに起こり、両側同時に発症することはまれです。
そして、治療をしなくても数日から1〜2週間で痛みは自然に引き、関節は元どおりに戻ります。この「自然に治ってしまう」ことこそが、痛風を放置させてしまう最大の落とし穴です。
発作の前に、前ぶれを感じる方がいます。多いのは次のような感覚です。
こうした前兆は数時間から1日ほど続いたあと、突然強い痛みへと変わります。
この段階で対処できると、発作をかなり軽く抑えられる場合があります。すでに医療機関から発作時の薬を処方されている方は、指示に従ってこのタイミングで服用してください。まだ受診されていない方は、痛みが本格化する前にご相談いただくのが理想です。
一方で、前兆がまったくなく、いきなり激痛で始まる方も珍しくありません。前兆がないから痛風ではない、ということにはならない点にご注意ください。
発作が起こる場所には、はっきりとした傾向があります。
なぜ足の親指なのか。理由のひとつは温度です。尿酸は体温が低いほど溶けにくくなり、心臓から遠い足先は体の中でも温度が低いため、結晶ができやすいと考えられています。夜間から明け方に発作が起こりやすいのも、就寝中に体温が下がり、汗によって軽い脱水になることが関係しているとされています。
なお、足の親指以外の関節が腫れて痛む場合には、偽痛風(ピロリン酸カルシウムの結晶による関節炎)や細菌による関節炎、蜂窩織炎など、別の病気の可能性もあります。自己判断せず、一度診察を受けていただくのが安全です。
痛風の根本にあるのは、尿酸値が高い状態です。尿酸が増える背景には、次のような要因があります。
プリン体の摂りすぎは、まず挙げられる要因です。尿酸はプリン体という物質が分解されてできる最終産物ですから、プリン体を多く含む食品を摂りすぎれば尿酸は増えます。ただし、体内の尿酸のうち食事に由来するのは2割ほどで、残りの8割は体の中で作られています。食事の影響はゼロではありませんが、それだけが原因ではないことも知っておいてください。
アルコールは、種類を問わず尿酸値を上げます。ビールはプリン体を含むため特に注意が必要ですが、プリン体をほとんど含まない焼酎やウイスキーでも、アルコールそのものが尿酸の産生を増やし、腎臓からの排泄を妨げます。「プリン体ゼロだから大丈夫」とはいえません。
肥満も大きな要因です。おなかまわりに内臓脂肪がたまると、血糖を調節するホルモン「インスリン」が効きにくくなり、体はその分を補おうとしてインスリンをたくさん出すようになります。このインスリンには、腎臓でいったん尿に出された尿酸を体内へ引き戻す(再吸収する)働きがあります。そのため、インスリンが増えると尿酸が尿として捨てられにくくなり、尿酸値が上がってしまうのです。
運動不足は、肥満につながることに加えて、代謝の面でも不利に働きます。ただし、息を止めて力むような激しい無酸素運動はかえって尿酸値を上げますので、運動不足解消として勧められるのはウォーキングなどの有酸素運動です。
水分不足も見落とせません。汗をかいて体の水分が減ると血液が濃縮され、尿の量も減って尿酸が排泄されにくくなります。夏場やサウナのあと、飲酒後は特に注意が必要です。
「食事にもお酒にも気をつけているのに、尿酸値が下がらない」。そういう方は少なくありません。実は、尿酸値の高さには体質、つまり遺伝的な要因が大きく関わっています。
腎臓や腸で尿酸を運び出す「尿酸トランスポーター」というタンパク質の働きには、生まれつきの個人差があります。この働きが弱い方は、同じ食生活を送っていても尿酸が体にたまりやすくなります。日本人の高尿酸血症では、尿酸を作りすぎるタイプよりも、この排泄がうまくいかないタイプのほうが多いことが分かっています。
血縁者に痛風や高尿酸血症の方が多い場合、同じ体質を受け継いでいる可能性があります。ただし、体質があるからといって必ず痛風を発症するわけではありませんし、体質そのものは変えられなくても、食事・体重・飲酒・水分といった条件は変えられます。ご家族に痛風の方がいる場合、若いうちから尿酸値を確認しておく価値は十分にあります。
痛風が男性に極端に多いのは、女性ホルモンに尿酸の排泄を促す働きがあるためです。閉経前の女性は尿酸値が男性より1mg/dLほど低く保たれており、発症はまれです。ただし閉経後はその守りがなくなるため、この時期からは男性と同じように注意が必要になります。
痛風は関節の病気に見えますが、その本体は尿酸の代謝異常という全身の問題です。しかも痛風の方は、高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満といった生活習慣病を併せ持っていることが非常に多く、これらをまとめて診てもらえる内科が適しています。生活習慣病を日常的に診療している医療機関であれば、なお安心です。
関節の腫れが強く、痛風かどうかの見きわめが必要な場合には、整形外科やリウマチ科で関節液を調べることもあります。また、発作が起きているときは早めの受診が大切です。治療を始めるのが早いほど、痛む期間は短く済みます。「そのうち治るだろう」と我慢して過ごすより、まず一度診てもらってください。
なお、関節が赤く腫れて強い痛みがあり、発熱を伴う場合には、細菌による関節炎など緊急性の高い病気の可能性もあります。この場合は様子を見ず、その日のうちに受診してください。
当院は保険診療を主軸としたクリニックです
尿酸値を下げずに放置すると、発作は必ず繰り返します。
初回の発作から次の発作まで、多くは半年から2年ほどの間隔があきます。ところが治療をしないままでいると、この間隔は少しずつ短くなり、年に何度も起こるようになっていきます。痛む関節も、足の親指だけだったものが足首、膝、手指へと広がります。
さらに長い年月が経つと、発作と発作の間にも痛みや腫れが残るようになり、関節そのものが結晶によって壊されて変形が生じることもあります。ここまで進むと、元に戻すことは難しくなります。
高い尿酸値を何年も放置すると、尿酸の結晶がかたまりとなって皮膚の下に蓄積し、こぶのようにふくらんでくることがあります。これを痛風結節といいます。
できやすいのは、耳の軟骨、肘、手足の指、アキレス腱の周囲などです。痛みを伴わないことがほとんどですが、大きくなると関節の動きを妨げたり、皮膚が破れて白いかたまりが出てきたりします。
痛風結節は、尿酸値を長期にわたって十分に下げれば少しずつ小さくなります。ただし溶けきるまでには年単位の時間がかかりますから、そもそもここまで進ませないことが何より大切です。
尿酸の影響は、関節だけにとどまりません。
【血液検査】
基本となる検査です。血中の尿酸値を測定して高尿酸血症の有無と程度を確認し、あわせてCRPや白血球数といった炎症反応を調べて、関節に起きている炎症の強さを評価します。
ここで一点、注意していただきたいことがあります。発作の最中は、尿酸値がかえって正常値まで下がっていることがあるのです。これは血液中の尿酸が関節へ移動するためで、「発作中の採血で尿酸値が正常だったから痛風ではない」とは判断できません。落ち着いた時期にあらためて測り直すことが大切です。
また、腎機能(クレアチニン、eGFR)や肝機能、血糖値、脂質、血圧もあわせて確認します。これらは合併症の評価であると同時に、どの薬を選ぶかの判断材料にもなります。
【必要に応じて行う検査】
診断に迷う場合には、腫れている関節に針を刺して関節液を採取し、顕微鏡で調べることがあります。関節液の中に針状の尿酸塩結晶が確認できれば、痛風の確定診断となります。偽痛風や細菌性の関節炎との区別にも役立ちます。
画像検査では、関節エコーで結晶の沈着をとらえたり、レントゲンで長期経過による骨の変化を確認したりします。尿路結石が疑われる場合には腹部エコーやCTを行います。尿検査で尿のpHや尿酸の排泄量を調べ、高尿酸血症のタイプを判定することもあります。
発作が起きているときの目標は、まず炎症を鎮めて痛みを取ることです。
治療の中心になるのは、炎症を抑える薬です。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を短期間しっかり使う方法が一般的で、コルヒチンやステロイドが選ばれることもあります。腎機能や胃の状態、ほかに飲んでいる薬によって、適した薬は変わります。
ご自宅でできることもあります。患部はできるだけ安静にし、心臓より高い位置に上げてください。冷やすのは有効ですが、温めたりもんだりするのは炎症を強めるため避けてください。入浴も、発作中は湯船につかるより短めのシャワーにしておくのが無難です。水分は十分にとってください。
そして最も大切なのが、痛みが引いても放置しないことです。発作が治まった時点で、ようやく本来の治療である尿酸値の管理が始まります。ここで通院をやめてしまうと、また同じ痛みを繰り返すことになります。
痛風で使う薬は、目的で見ると「発作の痛みや炎症を押さえる薬」と「尿酸値そのものを下げる薬」の二つに分かれます。このうち尿酸値を下げる薬は、作用の仕方によってさらに「尿酸の産生を抑える薬」と「尿酸の排泄を促す薬」の2種類に分かれます。
【痛みや炎症を抑える薬】
発作のときに使う薬です。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、ステロイドが用いられます。コルヒチンは、発作の前ぶれを感じた段階で服用すると発作を軽く抑えられることがあり、また尿酸を下げる薬を始めるときに、発作予防として少量を併用することもあります。
【尿酸の産生を抑える薬】
尿酸が作られる過程で働く酵素を抑え、尿酸の産生そのものを減らす薬です。アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットなどがあります。腎機能が低下している方にも比較的使いやすく、現在は幅広く用いられています。
【尿酸の排泄を促す薬】
腎臓で尿酸が再吸収されるのを妨げ、尿への排泄を増やす薬です。ベンズブロマロン、プロベネシド、ドチヌラドなどがあります。尿中の尿酸が増えるため、尿路結石のある方では水分摂取や、尿をアルカリ化する薬の併用に注意が必要です。
尿酸を下げる薬を使う際には、いくつか押さえておきたい点があります。治療の目標値は6.0mg/dL以下、痛風結節がある方では5.0mg/dL以下です。また、尿酸値を急に下げると、関節にたまっていた結晶が剥がれて発作を誘発することがあるため、少量から始めて数か月かけてゆっくり増やしていきます。発作の最中に新しく開始することは避け、炎症が落ち着いてから始めます。逆に、すでに服用している方は、発作が起きても自己判断で中止せず、そのまま続けてください。
※症状や尿酸値、発作歴、合併症の有無などを考慮して、治療内容を決めていきます。
発作が起きたとき、すぐに受診できずに市販薬で何とかしたい、という場面はあると思います。
市販の解熱鎮痛薬でも、痛みを一時的に和らげられる場合はあります。ただし、注意していただきたい薬があります。アスピリンです。アスピリンは少量では尿酸の排泄を妨げ、かえって尿酸値を上げてしまうため、痛風の痛みには適していません。市販の総合感冒薬や鎮痛薬に含まれていることがありますので、成分表示を確認してください。
そしてもうひとつ。市販薬でできるのは痛みを抑えることだけで、原因である尿酸値には何の効果もありません。痛みが取れても病気は進んでいます。強い痛みがある場合、発作を繰り返している場合、そして尿酸値を確認したことがない場合は、市販薬で済ませず一度受診してください。
食事で意識したいのは、プリン体の摂取量です。目安は1日400mg程度までとされています。プリン体が特に多い(100gあたり300mg以上)とされるのは、次のような食品です。
ただし、煮干しやかつお節はだしとして少量使うだけですから、実際の摂取量はさほど多くなりません。「含有量が多い食品」と「実際にたくさん食べてしまう食品」は別だ、という視点を持っておくと、食事の見直しが現実的になります。
そしてアルコールです。プリン体の量にかかわらず、アルコールそのものが尿酸値を上げます。目安は1日あたりビールなら500mL、日本酒なら1合、ウイスキーなら60mL程度までとし、週に2日は飲まない日を設けたいところです。
もうひとつ見落とされがちなのが、清涼飲料水や果汁飲料に含まれる果糖です。果糖は代謝の過程で尿酸の産生を増やします。「甘い飲み物はプリン体ゼロだから安心」とはいかないのです。
では何を食べればよいのか。基本は、拍子抜けするほど当たり前のことです。
「痛風鍋」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。あん肝や白子、えび、かになど、プリン体を多く含む魚介類をふんだんに使った鍋を指す俗称です。名前のとおり、痛風のある方にとっては注意したい組み合わせといえます。
とはいえ、一度食べたからといってすぐに発作が起こるわけではありません。問題になるのは、こうした食事が習慣になっている場合と、鍋にお酒がたっぷり伴う場合です。実際には、鍋そのものより、一緒に飲むビールや日本酒のほうが尿酸値に効いてくることも多いものです。
大切なのは、特定の料理を悪者にすることではなく、食事全体のバランスを見ることです。年に数回の楽しみとして味わうのであれば、過度に恐れる必要はありません。翌日は水分を多めにとり、その週の飲酒量を控えめにする。そのくらいの折り合いのつけ方で十分です。食べたいものを一切我慢する食事療法は、長続きしません。続けられる形に落とし込むことのほうが、結果的に尿酸値を下げてくれます。
痛みが引いてしまったあとでも、受診する意味は十分にあります。むしろ、痛みのない時期にこそ本来の治療が始められます。
発作の痛みは1〜2週間で自然に引きます。しかしそれは治ったのではなく、原因が残ったまま次の発作を待っている状態です。放置すれば発作は繰り返し、痛風結節や尿路結石、腎機能の低下へと進んでいきます。
一方で、痛風はやるべきことがはっきりしている病気でもあります。発作は薬で鎮められますし、尿酸値を6.0mg/dL以下に保ち続ければ、発作はほぼ防ぐことができます。食べすぎと飲みすぎを整え、体重を保ち、水分を十分にとる。それでも下がらなければ、体質に合った薬の力を借りればよいのです。
いま痛みがある方は、我慢せず受診を。痛みが引いた方は、そのまま終わりにせず尿酸値の確認を。健診で数値を指摘されている方は、発作が起こる前に一度ご相談ください。痛風は、対処を始めた時点から着実に良くなっていく病気です。

医療法人社団涼美会 理事長
※本ページはれいわクリニックの医師が監修しています。