フェノール法の処置の流れと、足の親指の爪の両端に矯正用ワイヤーを掛けた様子
手術(フェノール法)の流れと、ワイヤー矯正の装着例

1. ワイヤー矯正と手術では、爪のどこを治療する?

巻き爪とは、爪の端が内側に強く曲がった状態です。陥入爪(かんにゅうそう)とは、爪の端や角が皮膚に食い込み、痛みや炎症が起きた状態です。巻いた爪が皮膚に食い込み、両方が重なっていることもあります。

ワイヤー矯正が働きかけるのは、いま生えている爪の形です。爪の縁に器具を掛け、その力で曲がりを少しずつ整えます。爪の幅を保ちながら、縁が皮膚を圧迫するのを和らげる治療です。

手術で処置するのは、皮膚に食い込んでいる爪の縁です。たとえばフェノール法では、食い込んでいる部分を細く取り除き、その部分の爪をつくる根元(爪母)を薬剤で処理します。残した部分の爪は引き続き伸び、今後生えてくる爪の幅は処置した分だけ狭くなります。

2. ワイヤー矯正を検討できるのはどんな人?

爪の曲がりによる圧迫が痛みの主な原因で、周囲の皮膚に強い炎症や化膿がない場合は、ワイヤー矯正が選択肢になります。診察では、器具を掛けられる爪の状態かを確認します。爪の幅をできるだけ残したい方は、その希望もお伝えください。

当院で使用するワイヤーと装着方法

新宿新南口れいわクリニックでは「コレクティオパーフェクト」という矯正器具を使用しています。爪の左右の縁に小さなフックを掛け、爪の表面でワイヤーの張りを調整します。最後にジェルでワイヤーを覆い、金属の先端を保護します。

足の親指の爪の左右にフックを掛け、調整前のワイヤーが2本伸びている様子
ワイヤー装着途中のイメージ。爪の両端にフックを掛け、これからワイヤーの張りを調整します。

装着後の違和感や痛みの変化には個人差があります。また、痛みが和らぐ時期と、爪の形が整う時期は異なります。矯正を続けるかは、診察で爪の伸び方や皮膚への当たり方を確認しながら判断します。

3. 爪を切らずに食い込みを和らげる方法

爪の角が皮膚に当たって痛む場合は、その接触を減らすだけでも症状が和らぐことがあります。炎症が軽い段階で検討する方法には、次のようなものがあります。

  • テーピング:テープで爪の脇の皮膚をそっと引き、爪の縁から離します。
  • コットンパッキング:爪の角と皮膚の間に少量の綿を入れ、直接当たるのを和らげます。
  • ガター法:細いチューブで爪の縁を覆い、食い込んでいる部分の皮膚を保護します。
左から、テープで爪の脇の皮膚を引くテーピング、爪の角に綿を挟むコットンパッキング、爪の縁をチューブで覆うガター法
爪を切らずに、爪の縁が皮膚に当たるのを和らげる3つの方法

どの方法が適しているかは、爪の形や皮膚の状態によって変わります。赤みや腫れが強くなっているときや、膿が出ているときは、患部を自分で触り続けず、医療機関で診察を受けてください。

4. 手術を検討する目安

手術を検討するのは、食い込みによる痛みが強いときや、いったん改善しても同じ爪の縁で炎症を繰り返すときです。たとえば、次のような経過が判断の手がかりになります。

  • 歩くたびに痛みがあり、靴を履くことや日常生活に支障がある
  • 同じ場所が何度も赤く腫れる
  • 食い込んだ部分に肉芽(赤く盛り上がった組織)ができ、痛みが続いている
  • テーピングや矯正を続けても、食い込みが十分に改善しない

膿や肉芽があるときは、まず診察で皮膚の状態を確かめます。その所見だけで手術が決まるわけではありません。爪のどの部分が刺激になっているか、これまでにどのような治療を受けたかも踏まえて判断します。

5. ワイヤー矯正や手術のあと、再発することはある?

ワイヤー矯正で痛みが和らいでも、器具を外したあとに再び爪が巻き、皮膚に当たることがあります。再発した場合は、器具を外してからどのくらいで痛みが戻ったか、前回と同じ側が痛むかを医師に伝えると、次の治療を考える手がかりになります。

陥入爪の手術では、食い込んだ爪の一部を取り除く際に、その部分の爪母も処理することで、再発を減らせる可能性が報告されています。ただし、研究によって手術方法や観察期間が異なるため、手術に関する再発率をそのままワイヤー矯正との比較に使うことはできません。

6. 通院の頻度と治療中の過ごし方

ワイヤー矯正では、装着後も爪の伸び方や器具の位置を確認するために通院します。当院では、状態に応じて2週間~1か月に1回程度が受診の目安です。治療全体は数か月にわたることがあります。

手術は日帰りで行います。処置後は自宅で医師の指示に沿って傷を保護し、外来で治り具合を確認します。仕事で長く立つ方や決まった靴を履く方は、術後の過ごし方を事前に相談しておきましょう。

ワイヤーを付けたまま普段の靴を履けますか?

装着中も普段の靴は履けます。靴の先や上部が器具に当たる場合は、指先にゆとりのある靴を選んでください。履くたびに痛みが出るときや、器具が浮いたり外れたりしたときは、受診先にご相談ください。

ワイヤーはいつ外しますか?

爪が伸びると、装着したワイヤーも爪先に向かって移動します。定期受診のたびに外すとは限りません。爪の形と器具の位置を確認し、取り外す時期や矯正を続けるかどうかを判断します。

7. ワイヤー矯正と手術の費用

当院のワイヤー矯正は自費診療で、足の指1本につき、1回5,500円(税込)です。複数の指に施術する場合や、矯正を繰り返す場合は総額が変わります。

陥入爪の手術は、診察で適応があり、対象となる処置を行う場合に保険診療となります。自己負担額は負担割合や検査・処方の内容によって異なります。費用を比べるときは、初回の金額とあわせて、その後に必要な通院や処置についてもご確認ください。

当院の巻き爪・陥入爪治療の料金表を見る

8. 治療に迷ったとき、診察で伝えたいこと

受診前に治療方法を決める必要はありません。次の4点を整理しておくと、ご自身に合う治療を相談しやすくなります。

  1. 今の症状:どの指のどちら側が痛むか。歩くときだけか、安静にしていても痛むか。膿や腫れはあるか。
  2. これまでの経過:初めての症状か、何度目か。以前に受けた処置と、痛みが戻るまでの期間はどのくらいか。
  3. 通院と生活:どの程度の間隔なら通えるか。立ち仕事や指定の靴など、治療中に困りそうなことはあるか。
  4. 治療への希望:爪の幅をできるだけ残したい、再発を繰り返す場所を重点的に治療したいなど、何を優先したいか。

9. 糖尿病や足のしびれがある方、子ども・高齢の方へ

糖尿病がある方、足の感覚が鈍い方、血流の低下を指摘されている方は、小さな傷に気づきにくかったり、傷が治りにくかったりすることがあります。痛みが軽くても、爪の周囲に傷や赤みがあれば、自分で器具を付ける前に医師に相談してください。

子どもや高齢の方では、普段履いている靴や歩き方に加え、ご本人やご家族が爪や皮膚の状態を確認できるかも、無理なく続けられる治療を考えるうえで大切です。

10. 再発予防のための爪の切り方と靴の選び方

爪の角が気になると、その部分だけを奥まで切りたくなるかもしれません。深く切り込むと、伸びてきた角が再び皮膚に当たりやすくなります。治療後は、次の点を意識しましょう。

  • 爪の両端を残す:先端はおおむねまっすぐに整え、両脇を深くえぐるように切るのは避けましょう。
  • 指先を圧迫しない靴を選ぶ:履いたときに、親指の先や爪の両脇が強く当たっていないか確認しましょう。
  • 足を清潔に保つ:足を洗うときなどに、爪の脇に赤みや傷ができていないかも確認しましょう。

11. 市販の矯正器具を使う前に

爪の端が見えにくいほど食い込んでいるときや、爪の周囲が腫れて触れるだけで痛むときは、自分で器具を掛けようとすると皮膚を傷つけるおそれがあります。痛む角を繰り返し切ったり、器具を無理に押し込んだりせず、爪と皮膚の状態を診てもらいましょう。

12. 新宿で巻き爪・陥入爪の治療を検討している方へ

新宿新南口れいわクリニックでは、形成外科医が爪の曲がり方と皮膚への食い込みを診察し、ワイヤー矯正や日帰り手術を含めて治療方法をご案内しています。「できるだけ爪の幅を残したい」「何度も同じ場所が腫れるので、手術についても知りたい」など、診察時にご希望をお聞かせください。

新宿新南口れいわクリニック
新宿新南口れいわクリニック(新宿駅新南口から徒歩30秒)

参考資料