お子さまの肌はとてもデリケートです。なかでも「アトピー性皮膚炎」は、お子さまに多く見られる皮膚の病気としてよく知られています。アトピー性皮膚炎は慢性的に経過することも多い疾患です。
しかし、適切に治療と生活管理を行うことで、症状をコントロールしお子さまが快適に生活できるようにすることが可能です。
ここでは、小児性アトピー性皮膚炎の特徴、原因、治療法、生活上の工夫までを詳しく解説していきます。
ここでは、小児性アトピー性皮膚炎とはどのようなものなのか、その特徴や小児性アトピー性皮膚炎のお子さまの割合をお伝えします。
アトピー性皮膚炎は、「かゆみを伴う湿疹が慢性的に、あるいは繰り返し出現する皮膚の炎症性疾患」です。小児期に発症することが多く、乳児のころから始まり、学童期まで続くケースも少なくありません。
年齢によって症状の出やすい部位が異なるのも特徴です。乳児期は顔や頭に赤みとじくじくした湿疹が出やすく、小児期になると肘や膝の裏、首、手足の関節部などに湿疹が集中するようになります。思春期以降では顔や首、上半身に残ることもあります。
成人型アトピー性皮膚炎と比べて、小児型は自然に良くなる例もありますが、強いかゆみと慢性化が続く場合は生活の質(QOL)に大きく影響します。そのため、早期からの正しい診断とケアがとても大切です。
アトピー性皮膚炎でも詳しい特徴を解説していますので、読んでみてください。
リンク:アトピー性皮膚炎
日本における小児性アトピー性皮膚炎の有病率は約10〜15%と報告されています。特に都市部や先進国で増加傾向があり、生活環境や食生活の変化、大気汚染や清潔志向などの要因も関係していると考えられています。
また、アトピー性皮膚炎の子どもは、家族に喘息や花粉症、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を並行して持つことが多く、遺伝的素因が背景にあることが判明しています。
最近では気候変動などにより、蒸し暑く湿度の高い日が続いています。このような現状も踏まえ、小児性アトピー性皮膚炎は今後も増加傾向にあると予測されています。
アトピー性皮膚炎の記事では、小児性アトピー性皮膚炎の詳細な割合も出しています。そのため、さらなる詳細をお求めの方は、以下のリンクをご参照ください。
リンク:アトピー性皮膚炎
お子さまのアトピー性皮膚炎の原因はどのようなものが関係しているのでしょうか。当院では、お子さまの患者さまの診察や治療にも対応しております。何かありましたら当院までお早めにご連絡ください。
アトピー性皮膚炎は「アトピー素因」と呼ばれる体質が関与しています。ご家族にアトピーや喘息、花粉症などがある場合、そのお子さまも発症しやすくなります。
また、皮膚バリアの構築に関わる「フィラグリン」というタンパク質を作る遺伝子に異常があると、皮膚が乾燥しやすく外部からの刺激に弱い状態になります。
そのため、親御さまがアトピー性皮膚炎を持っていると、お子さまも小児性アトピー性皮膚炎になりやすい傾向があります。
当院では、そのような親子で通院される方も多くいらっしゃいます。お子さまの肌に異常があれば、すぐに当院までお越しください。
小児性アトピー性皮膚炎の原因は複雑な要因が絡み合い症状を引き起こしています。
例えば、アレルゲン(ダニ、ハウスダスト、花粉、食物など)や、気候(乾燥や湿度変化)、生活習慣、さらにはストレスも悪化因子になります。
さらに、季節や天候にも影響されやすいことが分かっており、特に乾燥する冬や汗をかきやすい夏には症状が悪化しやすいため注意が必要です。
小児性アトピー性皮膚炎では、免疫の働きが「Th2型」という反応に偏りやすく、IgE抗体が増加します。
これにより、かゆみを引き起こすヒスタミンや炎症物質(サイトカイン)が放出され、かゆみと炎症の悪循環が生じます。
詳細は、前回の「アトピー性皮膚炎」を参照してください。
上記以外にも、お子さまは大人に比べると皮膚が薄く弱いため、皮膚を守る力が弱まるとアトピー性皮膚炎ができやすくなります。
例えば、皮膚の表面にある角質層が水分を保てず乾燥し、ひび割れた壁のようにすき間ができます。
すると、通常なら入らないダニや花粉、化学物質、細菌などが皮膚に侵入しやすくなり、炎症が起こりやすくなります。それらが要因となり小児性アトピー性皮膚炎を引き起こしてしまいます。
小児性アトピー性皮膚炎の診断は、他の皮膚疾患とも類似しており、正確な診断を行うことが困難です。
そのため、当院では皮膚科専門医が問診・視診・必要に応じた検査を組み合わせ、一人ひとりの患者さまに合わせた診断や治療を行います。
リンク:アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は「完治させる」よりも「症状を抑えて長く安定させる」ことを目的とします。特にお子さまの場合には、症状が酷くなると大人の方よりも通常生活(家庭生活や学校生活)を行うことが難しくなりやすいです。そのため、治療では薬物療法・スキンケア・患者教育が治療の三本柱となってまいります。
🌟外用薬
※1:FTU法とも呼ばれます。外用薬(特にステロイドや保湿剤)の適切な塗布量を測る目安として用いられる方法です。大人の人差し指の先端から第1関節まで、チューブから薬をまっすぐ1本線状に出した量を1FTUと呼びます。
🌟内服薬
アトピー性皮膚炎は普段の生活から気を付けていかなくてはいけない皮膚疾患です。当院では親御さまも含めて、丁寧にご指導させていただいています。
小児性アトピー性皮膚炎もアトピー性皮膚炎も最初に述べたように、慢性的な皮膚疾患になる可能性を含んでいます。そのため、当院では患者さま自身にもアトピー性皮膚炎の自覚をもち、知識を持っていただきたいと願っています。
特に、親御さまからお子さまにわたってアトピー性皮膚炎に苦しむ方も最近では来院されています。そのような患者さまに少しでも日常生活が快適に送れるように、当院ではお子さまの皮膚科外来も対応し、親子で通院できる環境を整えております。
※専門医でないと皮膚の状態は良い方向に向かっているのかどうか判断しづらいことも多いです。ですので、自己判断は絶対に止めてください。
症状が落ち着いた後も保湿や予防的なケアを続けることが必要です。きれいな肌を保ちたいならば、症状がなくなった後も継続的なスキンケアは大人の方もお子さまも必要です。
小児性アトピー性皮膚炎は親御さまのサポートが必要不可欠です。サポートの有無で、お子さまのその後の人生にも影響を与えます。そこで、ここでは日常生活でできることをお伝えします。
綿100%やガーゼなど、肌に優しく通気性のよいものがおすすめ。
ウールや化学繊維(ポリエステルなど)はチクチク感や汗ムレで悪化しやすい。
きつすぎる服は摩擦や汗ムレを助長するので、ゆったりめを選ぶ。
洗剤は刺激の少ないものを使用し、すすぎは十分に。柔軟剤は香料・刺激成分が少ないものを選ぶか避ける。
布団・枕カバーは週1回以上洗濯。
ダニ対策のため布団乾燥機や天日干し、掃除機がけを活用する。
小児性アトピー性皮膚炎は、お子さまやそのご家族にとって大きな負担となる皮膚疾患です。けれども、正しい治療とケアを行うことで多くのお子さまはその症状が改善できます。
保湿と薬の適切な使用、生活習慣の工夫、家族と医療者の連携が揃えば、お子さまは成長とともに症状を乗り越え、健やかな日常生活を送ることができます。
さらに近年では生物学的製剤や新規治療薬の登場により、重症例の治療成績も改善しています。
当院では大人とお子さま両方の治療に対応しており、患者さま一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療が可能です。
小児性アトピー性皮膚炎は早期発見・早期治療が生活のQOLを上げるために必要となります。何かお子さまの肌に異変を感じたら、すぐに当院までご連絡ください。
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※当院は完全予約制ではございません。初診の方もご予約なしでの診察可能です。
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