1. かゆみを感じたらまずやるべき応急処置

痒みを感じたら、以下の方法を家庭や職場で時間のある時に試してみてください。効果が感じられない場合もありますが、これはあくまでも応急処置ですので、早めに皮膚科までご連絡ください。


手荒れの応急処置3ステップ:1.冷やして刺激を落ち着かせる、2.掻かずに保湿する、3.手への刺激を減らす

冷やして刺激を落ち着かせる

痒みを感じたら、まずは清潔なタオルで包んだ保冷剤や冷たい水で患部を軽く冷やしましょう。
冷却には炎症を鎮め、かゆみを一時的に和らげる効果が期待できます。熱いお湯で洗う、こするといった行為はかゆみを悪化させるため避けてください。
ただし、長時間冷やすのは逆に家事や仕事へ支障をきたすことも多いので、今年は15分程度で一旦やめ、様子をみてください。

掻かずに保湿する

かゆい部分を掻いてしまうと、皮ふのバリアがさらに壊れ、炎症が悪化する悪循環に陥ります。
痒みを感じたら、掻く代わりに保湿剤を優しく塗布し、皮ふを保護しましょう。特に乾燥がひどい場合は、白色ワセリンなど刺激の少ない保湿剤が有効です。

手への刺激を減らす

洗剤や消毒液、水仕事はできるだけ避け、やむを得ず行う場合はゴム手袋の下に綿手袋を着用するなど、直接皮膚に刺激が触れない工夫をしましょう。

2. 市販薬の選び方

ドラッグストアには手湿疹向けの市販薬が数多く並んでいますが、症状に合ったものを選ぶことが重要です。

ステロイド外用薬

市販薬にもステロイド成分を含む外用薬があり、炎症と痒みを抑える効果が期待できます。
ただし、市販薬のステロイドは比較的作用の穏やかなランクのものが中心であり、症状が強い場合や広範囲に及ぶ場合には効果が不十分なこともあります。
また、長期間の自己判断での使用は皮膚が薄くなるなどの副作用のリスクがあるため、使用は短期間にとどめ、改善が見られない場合は使用を中止して受診しましょう。

抗ヒスタミン成分配合の外用薬

痒みを抑える成分として抗ヒスタミン成分が配合された市販薬もあります。
軽度の痒みであれば一定の効果が期待できますが、湿疹による炎症そのものを抑える力はステロイドに比べて弱いため、症状に応じた使い分けが必要です。

保湿剤との併用

市販の治療薬だけに頼るのではなく、セラミドやヘパリン類似物質配合の保湿剤を併用し、日常的なスキンケアとしてバリア機能の回復をサポートすることも大切です。

3. 市販薬を使用する際の注意点

市販薬は手軽に入手できる一方で、以下の点に注意が必要です。

水疱が破れてジュクジュクした手指の湿疹の様子

● 水疱が破れてジュクジュクした状態(浸出液が出ている状態)にステロイド外用薬を使うと、感染のリスクが高まることがある
● 手水虫など、湿疹以外の原因である場合、ステロイド外用薬はかえって症状を悪化させる可能性がある
● 1〜2週間使用しても改善しない場合は、自己判断での継続使用を避ける

市販薬はあくまで一時的な症状緩和が目的であり、根本的な原因の見極めや治療には限界があることを理解しておきましょう。

4. 皮膚科を受診すべき目安

以下のような状態に当てはまる場合は、市販薬での対応を続けるのではなく、皮膚科の受診を検討しましょう。

● かゆみや炎症が2週間以上改善しない
● 市販薬を使用しても効果が感じられない、または悪化している
● 皮膚のひび割れや痛みが強く、日常生活に支障が出ている
● 水疱が破れて浸出液が出ている、または広範囲に広がっている
● 片手だけに症状があり、水虫の可能性が疑われる

これらに該当する場合、原因の特定と適切な治療のために、早めに皮膚科を受診することが望まれます。

5. 皮膚科での治療と市販薬の違い

皮膚科では、症状の程度や原因に応じて、市販薬よりも作用の強いステロイド外用薬を処方したり、他の疾患との鑑別を行った上で治療方針を決定したりすることができます。
市販薬で改善しないケースでも、医師の診察のもとで適切な強さの薬剤を計画的に使用することで、症状が改善に向かうことも多くあります。
また、外用薬を使用している際や使用後にトラブルが起きても皮膚科ならば患者さまの症状に合わせた対処ができます。

6. まとめ

手湿疹のつらいかゆみには、冷却や保湿、刺激の回避といった応急処置が効果的です。
市販薬を活用する際は成分や使用期間に注意し、改善が見られない場合や症状が強い場合は自己判断を続けず、早めに皮膚科を受診して原因に応じた治療を受けることが、かゆみの早期改善への近道です。
お困りの際は、早めに最寄りの皮膚科にて受診することをおススメします。