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医療法人社団涼美会 理事長
新宿・渋谷の泌尿器科 | れいわクリニック
Care & Treatment治療について
PSA検査はどこで受けられる?(新宿・渋谷で検査を検討している方へ)
前立腺がんは、日本人男性において増加しているがんの一つです。特に高齢男性に多く、
初期にはほとんど症状がないことが特徴です。そのため、症状が出る前に発見するための
スクリーニング検査としてPSA検査(前立腺特異抗原検査)が広く行われています。
PSA検査は血液検査で簡単に測定できる一方で、過剰診断などの問題も指摘されています。
本記事では、PSA検査の仕組み、検査の意義、メリット・デメリット、受けるべき年齢などを
医学的根拠に基づいて解説します。
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前立腺がんは、日本人男性において急増しているがんの一つです。
国立がん研究センターが公表している統計によれば、前立腺がんは現在、男性のがん罹患数で上位を占めています。
特に高齢男性では発症率が高く、超高齢社会を迎えた日本では今後も患者数が増加することが予想されています。
前立腺がんの大きな特徴は「初期に症状がほとんどない」という点です。
排尿困難や血尿などの症状が出現した時点では、すでに局所進行している、あるいは転移を伴っているケースも少なくありません。
そのため、無症状の段階で発見するスクリーニング検査の重要性が高まっています。
その中心に位置する検査がPSA検査です。
しかしPSA検査は、単純に「受ければよい」というものではありません。
死亡率低下効果が示されている一方で、過剰診断や過剰治療といった問題も抱えています。
したがって、科学的根拠を理解した上で適切に活用することが求められます。
この記事では、日本泌尿器科学会の前立腺癌診療ガイドラインおよび前立腺がん検診ガイドライン2018年版などを中心に、
PSA検査について解説します。
PSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)は、前立腺上皮細胞から分泌されるセリンプロテアーゼという物質です。
主な生理的役割は、射精後に凝固した精液を液化させることにあります。
通常、PSAは前立腺腺腔内に分泌され、血中へはほとんど漏出しません。
血中PSAが低値に保たれているのは、前立腺上皮細胞、基底膜、間質組織が構造的バリアとして機能しているためです。
この構造が何らかの原因により破綻するとPSAが血中へ移行し、血液検査にてPSAが高値となります。
前立腺がんによる浸潤がその一つです。
その他にも、前立腺炎による炎症性破壊や前立腺肥大症による腺体積増大、機械的刺激による上昇などが挙げられます。
前立腺がんでは、がん細胞が基底膜を破壊し間質へ浸潤する過程でPSAが血中に流入します。
これがPSA上昇の基本的メカニズムです。
長年、PSA4.0 ng/mLが生検の目安とされてきました。しかし現在では
「一律のカットオフは適切ではない」と考えられています。
例えば、前立腺体積は加齢とともに増加します。
そのため、年齢層別基準値の概念が導入されています。
これにより、高齢者での不必要な生検を減らし、若年層での見逃しを防ぐことが期待されています。
また、近年注目されているのが「baseline PSA(基礎値)」の概念です。
40~50代で一度PSAを測定しておくことで、将来のリスク層別化が可能になります。
若年時にPSAが高めの群は、将来的に前立腺がんを発症するリスクが高いと報告されています。
PSAの年間上昇率(PSA velocity)や倍加時間も参考指標とされます。
ただし、これら単独で生検適応を決定するには、まだ十分なデータが蓄積されていません。
PSA検診の有効性を検討した大規模研究として、
ERSPC試験とPLCO試験が挙げられます。
欧州8か国以上で実施されたランダム化比較試験で、
PSA検診群では前立腺がん死亡率が約20%低下しました。
長期追跡では、さらに死亡率低下効果が拡大する傾向が示されています。
米国で実施された研究ですが、
本来検査を行わないはずの対照群でもPSA検査が広く行われていたため、
真の比較が困難だったと指摘されています。
両試験を総合すると、日本でもPSA検診による死亡率低下が期待できると判断され、
現在はPSA検診が推奨されています。
PSA検診を語るうえで、必ず触れなければならないのが
過剰診断(overdiagnosis)です。
過剰診断とは、「臨床的に問題とならない前立腺がんを発見してしまうこと」を指します。
前立腺がんは進行が遅いものが多く、特に高齢者では前立腺がんの進行による症状が出現する前に、
他疾患で寿命を迎えるケースも少なくありません。
ERSPC試験の長期解析では、PSA検診によって発見された前立腺がんのうち、
20~50%が過剰診断である可能性が示唆されています。
つまり、早期発見により救われる命がある一方で、
治療を必要としないがんも多く発見してしまうという二面性を持っているのです。
本来治療を必要としないがんに対して検査や治療を行うことにより、
尿失禁や勃起障害などの合併症を生み出してしまう可能性もあります。
過剰診断の問題を緩和するために導入されたのが
積極的監視療法(Active Surveillance)です。
これは低リスク前立腺がんに対して、すぐに手術や放射線治療を行わず、
PSA定期測定・直腸診・定期的再生検・画像評価などを組み合わせて
経過観察する戦略です。
日本では、日本泌尿器科学会のガイドラインでも
積極的監視療法が推奨されています。
長期追跡研究では、低リスク群の前立腺がん特異的死亡率は
非常に低いことが示されています。
つまり「見つけてもすぐ治療しない」という選択肢を取り、
治療が必要なタイプの前立腺がんかどうかを見極めてから
治療を開始するという考え方が、現代医療では確立しています。
近年、前立腺がん診断は大きく進歩しました。
その中心となっているのが
multiparametric MRI(mpMRI)です。
mpMRIは、T2強調画像・拡散強調画像(DWI)・造影ダイナミック撮影など
複数の撮影法を組み合わせることで、
臨床的意義のある前立腺がんを識別する能力を高めます。
従来の「系統的ランダム生検」では、
臨床的に重要でないがんを拾い上げる割合が高いという問題がありました。
しかしMRIで疑わしい部位を特定し、
ターゲット生検(MRI所見に基づいて標的部位から組織採取を行う方法)
を実施することで、
臨床的に意義のあるがんの検出率が向上し、
低リスクがんの過剰検出を減らせることが示されています。
この流れは欧州を中心に強く推奨されており、
日本でも普及が進んでいます。
前立腺肥大症治療薬である
フィナステリドや
デュタステリドといった
5α還元酵素阻害薬は、
PSA値を約50%低下させることが知られています。
そのため、これらの薬剤を服用している場合は
「PSA実測値×2で評価する」
という原則が必要になります。
この補正を行わないと、前立腺がんを見逃すリスクがあるため、
PSA検査を受ける際にはこれらの薬剤を服用していることを
医師に必ず伝えることが重要です。
米国では、
米国予防医療専門委員会(USPSTF)
がPSA検診に関する勧告を公表しています。
2012年にはPSA検診は
「推奨しない(Grade D)」
とされましたが、2018年の改訂では次のように変更されました。
この変更の背景には、PSA検診を控えたことで
進行前立腺がんが増加した可能性や、
mpMRIや積極的監視療法の普及などが影響していると考えられています。
日本では明確な全国統一型の前立腺がん検診制度はなく、
PSA検診は自治体レベルで実施されているのが現状です。
患者にPSA検査を勧める際に重要なのは、
メリットとデメリットの両方を理解したうえで判断することです。
そのうえで、年齢や期待余命、家族歴、患者本人の価値観などを踏まえ、
共有意思決定(Shared Decision Making:SDM)
を行うことが理想的とされています。
一般的な目安として、次のような方はPSA検査を検討する意義があります。
一方で、次のような場合にはPSA検診による利益は
限定的と考えられています。
今後は、遺伝子マーカーや血中循環腫瘍DNA、AI画像診断などの技術が
組み合わさることで、前立腺がんのリスク層別化はさらに精密になると
予想されています。
しかし現時点で、広く利用可能で安価、かつ十分なエビデンスを持つ
前立腺がんスクリーニング検査はPSA検査のみです。
PSA検査とは、血液中のPSA(前立腺特異抗原)という物質の値を測定する検査です。採血のみで行うことができ、前立腺がんの早期発見のためのスクリーニング検査として広く行われています。
一般的には50歳以上の男性でPSA検査を検討することが推奨されています。父親や兄弟に前立腺がんの既往がある場合などは、45歳頃から検査を受けることが勧められることもあります。
従来はPSA4.0ng/mL未満が基準とされていましたが、現在は年齢によって基準値が異なると考えられています。目安として、40代では3.0ng/mL以下、50代では3.5ng/mL以下、60代では4.0ng/mL以下などが参考とされています。
PSA値が高い場合でも、必ずしも前立腺がんとは限りません。前立腺肥大症や前立腺炎などでもPSAが上昇することがあります。そのため、PSA値だけで診断するのではなく、追加検査を行い総合的に判断します。
はい、前立腺肥大症でもPSA値が上昇することがあります。前立腺の体積が大きくなるほどPSAが高くなる傾向があります。そのためPSA値のみで前立腺がんと判断することはできません。
PSA検査は前立腺がんの発見に役立つ検査ですが、100%診断できるわけではありません。PSA値が正常でもがんが存在する場合や、逆に高値でもがんではない場合があります。そのため必要に応じてMRI検査や前立腺生検などを組み合わせて診断します。
射精や激しい運動、前立腺マッサージなどは一時的にPSA値を上昇させる可能性があります。検査結果に影響する場合があるため、検査前数日はこれらを控えることが望ましいとされています。
PSAが高値の場合、まず再検査やPSA値の推移を確認することがあります。その上で必要に応じて前立腺MRI検査や前立腺生検などを行い、前立腺がんの有無を詳しく調べます。
PSA値が高い場合でも、必ずすぐに前立腺生検を行うわけではありません。PSA値の推移、MRI検査の結果、年齢や前立腺の大きさなどを総合的に評価し、必要に応じて生検を検討します。
年齢やPSA値によって異なりますが、一般的には1〜2年ごとの定期測定が目安とされています。初回のPSA値が低い場合は、検査間隔を長くすることもあります。
症状がある場合や医師が必要と判断した場合には、保険診療でPSA検査が行われることがあります。一方、症状のない健康診断や前立腺がん検診として行う場合は自費診療となることが一般的です。
前立腺がんは早期に発見できれば、手術や放射線治療などによって根治が期待できるがんです。PSA検査は前立腺がんの早期発見に役立つ重要な検査の一つです。
PSA検査は、万能ではありません。しかし無意味な検査でもありません。
適切に理解して活用すれば、前立腺がんの早期発見につながる重要な検査です。
PSA検査のメリットとデメリットを理解したうえで、
個々の年齢、家族歴、健康状態、価値観などを踏まえて
検査を受けるかどうかを判断することが重要です。
前立腺がんは、適切なタイミングで発見すれば
根治が期待できるがんです。
一方で、現在は「見つけたらすぐ治療する」という時代ではありません。
積極的監視療法などの選択肢もあり、
見つかったがんを慎重に見極めながら治療方針を決めることが可能です。
特に50歳以上の男性や、
前立腺がんの家族歴がある方にとって、
PSA検査は将来の選択肢を守るための重要な検査になります。
PSA検査を受けることは、治療を強制されることではありません。
自分の体の状態を知るための一つの手段です。
前立腺がんは症状が出るまで気づかれないことも多いため、早い段階で体の状態を把握しておくことが大切です。
前立腺がんは、適切な検査と判断によって
確実に救われる命があるがんです。
PSA検査について正しく理解し、
必要に応じて前向きに検討していただければと思います。
ERSPC試験Randomized study of screening for prostate cancer
PLCO試験Prostate cancer screening and mortality outcomes
medicina 57巻 6号 2020.5 pp. 979-982“前立腺癌検診(PSA測定)
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